本剤又は他のエリスロポエチン製剤・ダルベポエチン アルファ製剤に過敏症の患者
○透析施行中の腎性貧血
○透析導入前の腎性貧血
○未熟児貧血
| 効能又は効果 | 透析施行中の腎性貧血 | 透析導入前の腎性貧血 | 未熟児貧血 | |||
| 用法及び用量 | エポエチン ベータ(遺伝子組換え)として | 静脈内投与 | 成人 | 通常、投与初期は、1回3000国際単位を週3回、できるだけ緩徐に投与する。 | 通常、投与初期は、1回6000国際単位を週1回、できるだけ緩徐に投与する。 | / |
| 通常、貧血改善効果が得られた後は、維持量として、1回1500国際単位を週2〜3回、あるいは1回3000国際単位を週2回投与する。なお、いずれの場合も貧血の程度、年齢等により適宜増減するが、維持量での最高投与量は、1回3000国際単位、週3回投与とする。 | 通常、貧血改善効果が得られた後は、維持量として、患者の貧血の程度、年齢等により、1週あたり6000国際単位以下の範囲で適宜調整する。 | |||||
| 貧血改善効果の目標値はヘモグロビン濃度で10g/dL(ヘマトクリット値で30%)前後とする。 | ||||||
| 皮下投与 | 未熟児 | / | 通常、1回200国際単位/kgを週2回投与する。 ただし、未熟児早期貧血期を脱し、ヘモグロビン濃度が10g/dL(ヘマトクリット値で30%)前後で臨床症状が安定したと考えられる場合は投与を中止すること。 なお、貧血症状の程度により適宜増減する。 |
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<効能共通>
8.1 本剤の効果発現には鉄の存在が重要であり、鉄欠乏時には鉄剤の投与を行うこと。
<透析施行中の腎性貧血及び透析導入前の腎性貧血>
8.2 ショック等の反応を予測するため十分な問診をすること。なお、投与開始時あるいは休薬後の初回投与時には、本剤の少量で皮内反応あるいはプリック試験を行い、異常反応の発現しないことを確認後、全量を投与することが望ましい。[9.1.3、9.1.4、11.1.1参照]
8.3 本剤投与中はヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を定期的に観察し、必要以上の造血(ヘモグロビン濃度で12g/dL以上、あるいはヘマトクリット値で36%以上を目安とする)にならないように十分注意すること。必要以上の造血を認めた場合は、休薬するなど適切な処置をとること。
8.4 本剤投与により血圧上昇を認める場合があるので、血圧の状態を十分観察しながら投与すること。また、高血圧性脳症があらわれることがあるので、血圧、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度等の推移に十分注意しながら投与すること。特に、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度は徐々に上昇させるよう注意すること。また、投与中止後もヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度が上昇する場合があるので観察を十分行うこと。[9.1.2、11.1.2参照]
8.5 本剤投与により高カリウム血症を認める場合があるので、食事管理を適切に行うこと。
8.6 抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので、本剤使用中に貧血の改善がない、あるいは悪化する場合等は同疾患を疑うこと。[11.1.5参照]
<透析施行中の腎性貧血>
8.7 本剤投与によりシャントの閉塞や血液透析装置内の残血を認める場合があるので、シャントや血液透析装置内の血流量には十分注意すること。このような場合にはシャントの再造設、抗凝固剤の増量等の適切な処置をとること。
<透析導入前の腎性貧血>
8.8 透析導入前の腎性貧血患者においては水分の調節が困難であるので、透析施行中の患者と劣らぬ頻度で水分量と電解質の収支及び腎機能並びに血圧等の観察を十分行うこと。
8.9 慢性腎不全の進展に伴い、本剤の貧血改善効果が減弱する可能性があるので、本剤投与中は血清クレアチニン濃度やクレアチニンクリアランス等の経過を適宜観察し、増量あるいは投与中止等の適切な処置をとること。
<未熟児貧血>
8.10 ショック等の反応を予測するため親・兄姉のアレルギー歴等について十分な問診をすること。なお、投与開始時には、本剤の少量で皮内反応あるいはプリック試験を行い、異常反応の発現しないことを確認後、投与することが望ましい。[9.1.3、9.1.4、11.1.1参照]
8.11 本剤投与中はヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を定期的に観察し、必要以上の造血(ヘモグロビン濃度で13g/dL以上、あるいはヘマトクリット値で39%以上を目安とする)にならないように十分注意すること。必要以上の造血を認めた場合は、休薬するなど適切な処置をとること。
8.12 本剤投与により血圧上昇を認める場合があるので、血圧、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度等の推移に十分注意しながら投与すること。[9.1.2、9.1.5、11.1.2参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞等の患者、又はそれらの既往歴を有し血栓塞栓症を起こすおそれのある患者
本剤投与により血液粘稠度が上昇するとの報告があり、血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.2 高血圧症の患者
本剤投与により血圧上昇を認める場合があり、高血圧性脳症があらわれるおそれがある。[8.4、8.12、11.1.2参照]
9.1.3 薬物過敏症の既往歴のある患者[8.2、8.10、11.1.1参照]
9.1.4 アレルギー素因のある患者[8.2、8.10、11.1.1参照]
9.1.5 脳室内出血及び脳実質内出血を有する未熟児
本剤投与により脳内出血を増悪するおそれがある。[8.12、11.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトでの乳汁移行に関するデータはない。
9.7 小児等
新生児、乳児に対する臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
本剤の投与に際しては血圧及びヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値等を頻回に測定し、投与量又は投与回数を適宜調節すること。一般に高齢者では生理機能が低下しており、また高血圧症等の循環器系疾患を合併することが多い。
14.1 薬剤投与時の注意
本剤を投与する場合は他剤との混注を行わないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 心不全や虚血性心疾患を合併する血液透析患者において、目標ヘモグロビン濃度を14g/dL(ヘマトクリット値42%)に維持した群注)では、10g/dL(ヘマトクリット値30%)前後に維持した群に比べて死亡率が高い傾向が示されたとの報告がある
15.1.2 保存期慢性腎臓病患者における腎性貧血に対する赤血球造血刺激因子製剤による治療について、目標ヘモグロビン濃度を13.5g/dLに設定した患者注)では、11.3g/dLに設定した患者に比較して、有意に死亡及び心血管系障害の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある
15.1.3 2型糖尿病で腎性貧血を合併している保存期慢性腎臓病患者において、目標ヘモグロビン濃度を13.0g/dLに設定して赤血球造血刺激因子製剤が投与された患者注)とプラセボが投与された患者(ヘモグロビン濃度が9.0g/dLを下回った場合に赤血球造血刺激因子製剤を投与)を比較したところ、赤血球造血刺激因子製剤群ではプラセボ群に比較して有意に脳卒中の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある
15.1.4 がん化学療法又は放射線療法による貧血患者注)に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより生存期間の短縮が認められたとの報告がある
15.1.5 放射線療法による貧血患者注)に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより、腫瘍進展又は局所再発のリスクが増加したとの報告がある
15.1.6 プラセボを投与されたがん化学療法による貧血患者注)に比べて赤血球造血刺激因子製剤の治療を受けた患者で血栓塞栓症の発現頻度が高いことが臨床試験にて示されたとの報告がある
15.1.7 がん化学療法又は放射線療法を受けていないがんに伴う貧血患者注)に赤血球造血刺激因子製剤を投与した臨床試験において、プラセボを投与した患者に比べて死亡率が高いことが示されたとの報告がある
注)これらの患者への投与は、本邦では承認外である。
15.2 非臨床試験に基づく情報
エリスロポエチン製剤の投与において、未熟児網膜症との関連性は認められていないが、基礎研究において、エリスロポエチンによる血管新生作用が認められ、未熟児網膜症への影響を示唆する報告がある。
外箱開封後は遮光して保存すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、咽頭浮腫等)を起こすことがある。[8.2、8.10、9.1.3、9.1.4参照]
11.1.2 高血圧性脳症、脳出血(いずれも頻度不明)
急激な血圧上昇により、頭痛・意識障害・痙攣等を示す高血圧性脳症、高血圧性脳出血があらわれる場合があるので、血圧等の推移に十分注意しながら投与すること。[8.4、8.12、9.1.2、9.1.5参照]
11.1.3 心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞(いずれも頻度不明)[9.1.1参照]
11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.5 赤芽球癆(頻度不明)
抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがある。赤芽球癆と診断された場合には本剤の投与を中止すること。また、他のエリスロポエチン製剤・ダルベポエチン アルファ製剤への切り替えは避け、適切な処置を行うこと。[8.6参照]
注)副作用の発現頻度は製造販売後調査を含む。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 2%以上 | 0.1〜2%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
| 循環器 | 血圧上昇 | 動悸 | ||
| 皮膚 | そう痒感、皮疹 | ざ瘡 | ||
| 消化器 | 嘔気、嘔吐 | 食欲不振、腹痛、下痢 | ||
| 感覚器系 | 頭痛・頭重感 | 全身倦怠感、体熱感・ほてり感、めまい | 筋肉痛、不眠、発汗 | 関節痛 |
| 血液 | 血小板増多 | 好酸球増多、血中フィブリノゲン増加、白血球増多 | ||
| 腎臓 | 腎機能障害の増悪(BUN、クレアチニンの上昇等) | |||
| その他 | 血清カリウムの上昇 | 鼻出血、口内苦味感、眼底出血(網膜動脈血栓症、網膜静脈血栓症等) |
注)副作用の発現頻度は製造販売後調査を含む。
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