持続性ソマトスタチンアナログマイクロスフェア型徐放性製剤
| 一般名 |
パシレオチドパモ酸塩
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|---|---|
| 製造/販売 | ノバルティスファーマ |
| 剤形/規格 |
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本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
重度(Child-Pugh分類クラスC)の肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇し、副作用がおこりやすくなるおそれがある。〕
下記疾患における成長ホルモン、IGF-I(ソマトメジン-C)分泌過剰状態及び諸症状の改善
先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)
通常、成人にはパシレオチドとして40mgを4週毎に3ヵ月間、臀部筋肉内に注射する。その後は患者の病態に応じて、20mg、40mg又は60mgを4週毎に投与する。
本剤の作用機序によりインスリン等の分泌が低下することで、高血糖を起こすことがある。投与開始前、投与開始後1ヵ月までは週1回、投与開始後1ヵ月から投与開始後3ヵ月までは1〜2週に1回、血糖値を測定し、患者の状態を注意深く観察すること。ただし、糖尿病の患者では、投与開始後1ヵ月から投与開始後3ヵ月までは週1回、血糖値を測定することが望ましい。
本剤投与中は投与開始後4ヵ月以降も定期的に血糖値(空腹時血糖、HbA1c等)を測定し、本剤投与中止後も必要に応じて血糖値を測定すること。本剤の用量を増量する場合は、増量後4〜6週間までは週1回を目安に血糖値を測定すること。
高血糖が認められた場合は、直ちに糖尿病治療薬を投与するなど適切な処置を行い、血糖コントロールの改善が認められない場合は本剤の減量又は投与中止を考慮すること。(「1.慎重投与」、「3.相互作用」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
糖尿病の患者では投与開始前に血糖値(空腹時血糖、HbA1c等)を測定し、血糖コントロールを改善しておくこと。(「1.慎重投与」の項参照)
本剤の投与により、徐脈及びQT延長があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始3週後を目安に心電図検査を行うこと。また、その後も必要に応じて心電図検査を行うこと。低カリウム血症又は低マグネシウム血症の患者に本剤を投与する場合には、投与開始前に必ず電解質の補正を行い、投与中は定期的に血液検査を行うなど患者の状態を注意深く観察すること。(「1.慎重投与」、「3.相互作用」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
本剤の投与により、ALT、AST等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、投与開始前、投与開始2〜3週後、その後投与開始後3ヵ月までは月1回を目安に、それ以降は定期的に肝機能検査を行うこと。異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。黄疸や顕著な肝機能検査値異常が認められた場合には、本剤投与の中止を考慮すること。(「1.慎重投与」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
本剤の投与により、胆石の形成又は胆石症の悪化(急性胆嚢炎、膵炎)があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中は、定期的に(6〜12ヵ月毎)超音波、X線による胆嚢及び胆管検査を行うことが望ましい。
本剤の投与中は複数の下垂体ホルモンの分泌が抑制されるおそれがあるので、必要に応じて、投与開始前及び投与中は定期的に下垂体機能検査を行うこと。
本剤の投与中に甲状腺機能の低下を伴うことがあるので、患者の状態を十分に観察すること。甲状腺関連の異常所見が認められた場合には甲状腺機能検査を行うこと。
本剤の投与中に副腎皮質機能が低下し、低コルチゾール血症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。脱力、疲労、食欲不振、悪心、嘔吐、低血圧、低ナトリウム血症、低血糖等の症状があらわれた場合には主治医に連絡するよう指導すること。低コルチゾール血症が疑われた場合には、本剤の減量又は休薬を考慮するとともに、必要に応じて適切な処置を行うこと。
病態悪化に伴い、下垂体腺腫が進展することがあり、これに伴い視野狭窄などの重篤な症状を生じることがあるので患者の状態を十分に観察すること。腫瘍の進展が認められた場合は、他の治療法への切り替え等適切な処置を行うこと。
先端巨大症・下垂体性巨人症では、成長ホルモン及びIGF-Iを定期的に測定することが望ましい。
糖尿病の患者〔糖尿病が悪化するおそれがある。〕(「2.重要な基本的注意」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
臨床的に重大な徐脈、急性心筋梗塞、高度心ブロック、うっ血性心不全、不安定狭心症、持続性心室性頻脈、心室細動の既往歴のある患者、β遮断剤、カルシウム拮抗剤等の徐脈作用を有する薬剤又は水分や電解質を補正する薬剤を投与中の患者〔徐脈があらわれる又は悪化するおそれがある。〕
QT延長のある患者(先天性QT延長症候群、うっ血性心不全、低カリウム血症又は低マグネシウム血症の患者、抗不整脈剤又はQT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者)〔QT延長が悪化するおそれがある。〕
重度を除く肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある。〕
投与経路
筋肉内のみに投与し、静脈内には投与しないこと。
調製方法
本剤の使用にあたっては、取扱い方法を示した付属の文書を熟読すること。
調製は必ず付属の専用分散液及びバイアルアダプターを使用し、薬剤及び専用分散液を少なくとも30分室温で静置し、内容物を室温に戻してから行うこと。
専用分散液の全量をバイアル内に注入後、粉末が完全に懸濁するまで、水平方向に穏やかに振ること。
用時調製し、懸濁後は直ちに使用すること。
投与方法
注射針は20ゲージを用いること。
注射部位は臀部の左右外側上部とし、三角筋等他の筋には投与しないこと。
臀部には左右交互に投与し、同一部位への投与は避けること。
神経走行部位及び血管内への投与を避けること。
注射針を刺入したとき、疼痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
注射部位をもまないように患者に指示すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シクロスポリン | シクロスポリンの血中濃度が低下することがある。 | 動物実験(イヌ)において、本剤がシクロスポリンの消化管吸収を阻害し、血中濃度を低下させたとの報告がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗不整脈剤QT延長を起こすことが知られている薬剤 | QT延長を起こす又は悪化させるおそれがあるため、観察を十分に行うこと。 | いずれもQT延長の副作用を有するため。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| β遮断剤アテノロール等カルシウム拮抗剤ベラパミル、ジルチアゼム等水分や電解質を補正する薬剤 | 併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められるおそれがある。 | いずれも徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A4で代謝される薬剤キニジン等 | 主にCYP3A4で代謝される薬剤の血中濃度を上昇させることがある。 | 本剤が成長ホルモンの産生を抑制することにより、間接的にCYP3A4で代謝される薬剤のクリアランスを低下させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ブロモクリプチン | 類薬(オクトレオチド)でブロモクリプチンとの併用により、ブロモクリプチンのAUCが上昇したとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| インスリン製剤血糖降下剤 | 糖尿病用薬との併用時には低血糖の発現に注意すること。低血糖症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意」、「4.副作用(2)その他の副作用」の項参照) | インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。 |
先端巨大症患者又は下垂体性巨人症患者を対象とした国内臨床試験(C1202試験)において、33例中28例(84.8%)に副作用が認められた。主な副作用は高血糖14例(42.4%)、糖尿病8例(24.2%)、耐糖能障害4例(12.1%)、胆石症4例(12.1%)等であった。
先端巨大症患者を対象とした外国臨床試験(C2305試験及びC2402試験の併合解析)において、371例中296例(79.8%)に副作用が認められた。主な副作用は高血糖110例(29.6%)、下痢87例(23.5%)、胆石症79例(21.3%)、糖尿病74例(19.9%)等であった。(承認時までの集計)
注5)
高血糖、糖尿病の発症又は増悪(59.6%)
高血糖が発現、糖尿病が発症又は増悪することがあり、糖尿病性ケトアシドーシスや糖尿病性昏睡に至るおそれがあるので、定期的に血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合は適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意」の項参照)
徐脈(5.4%)、QT延長(1.3%)
徐脈及びQT延長を起こすことがあるので、観察を十分に行い、徐脈又はQT延長が認められた場合には必要に応じて適切な処置を行うこと。また、徐脈又はQT延長が認められた場合、β遮断剤、カルシウム拮抗剤等の徐脈作用を有する薬剤又は水分や電解質を補正する薬剤を投与している患者では、必要に応じてこれらの用量を調節すること。(「2.重要な基本的注意」の項参照)
肝機能障害(3.5%)
肝機能障害を起こすことがあるので、肝機能検査を行うこと。肝機能検査値異常が認められた場合には、本剤投与の中止を考慮すること。(「2.重要な基本的注意」の項参照)
注5)外国臨床試験で認められた副作用の発現頻度に基づき記載した。
注5)
| 5%以上 | 5%未満 | |
| 血液及びリンパ系障害 | − | 貧血 |
| 内分泌障害 | − | 副腎機能不全 |
| 神経系障害 | 浮動性めまい | 頭痛 |
| 胃腸障害 | 下痢、腹痛、悪心、腹部膨満 | − |
| 肝胆道系障害 | 胆石症 | − |
| 皮膚及び皮下組織障害 | 脱毛症 | − |
| 臨床検査 | 血中CK(CPK)増加 | 血中アミラーゼ増加、血中コルチゾール減少 |
| 注射部位反応 | − | 注射部位疼痛 |
| 代謝及び栄養障害 | − | 低血糖 |
注5)外国臨床試験で認められた副作用の発現頻度に基づき記載した。
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