<効能共通>
1.1 本剤はヒトにおいて催奇形性が報告されているので、妊娠する可能性のある女性に投与する際は、投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認した上で投与を開始すること。また、本剤投与前から投与中止後6週間は、信頼できる確実な避妊法の実施を徹底させるとともに、問診、妊娠検査を行うなどにより、妊娠していないことを定期的に確認すること。[9.4、9.5参照]
<臓器移植及び造血幹細胞移植>
1.2 本剤の投与は免疫抑制療法及び移植患者の管理に精通している医師又はその指導のもとで行うこと。
<ループス腎炎、難治性のネフローゼ症候群>
1.3 本剤の投与は
<全身性強皮症に伴う間質性肺疾患>
1.4 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師のもとで行うこと。
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
2.3 本剤投与中は生ワクチンを接種しないこと[10.1参照]
○腎移植後の難治性拒絶反応の治療(既存の治療薬が無効又は副作用等のため投与できず、難治性拒絶反応と診断された場合)
○下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
腎移植、心移植、肝移植、肺移植、膵移植
○ループス腎炎
○造血幹細胞移植における移植片対宿主病の抑制
○全身性強皮症に伴う間質性肺疾患
<腎移植>
○腎移植後の難治性拒絶反応の治療
通常、成人にはミコフェノール酸 モフェチルとして1回1,500mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
○腎移植における拒絶反応の抑制
成人
通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回1,000mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日3,000mgを上限とする。
小児
通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回300〜600mg/m2を1日2回12時間毎に食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,000mgを上限とする。
<心移植、肝移植、肺移植、膵移植における拒絶反応の抑制>
通常、成人にはミコフェノール酸 モフェチルとして1回500〜1,500mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。
しかし、本剤の耐薬量及び有効量は患者によって異なるので、最適の治療効果を得るために用量の注意深い増減が必要である。
<ループス腎炎>
成人
通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回250〜1,000mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日3,000mgを上限とする。
小児
通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回150〜600mg/m2を1日2回12時間毎に食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,000mgを上限とする。
<造血幹細胞移植における移植片対宿主病の抑制>
成人
通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回250〜1,500mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日3,000mgを上限とし、1日3回食後経口投与することもできる。
小児
通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回300〜600mg/m2を1日2回12時間毎に食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,000mgを上限とする。
<全身性強皮症に伴う間質性肺疾患>
通常、成人にはミコフェノール酸 モフェチルとして1回250〜1,000mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日3,000mgを上限とする。
<効能共通>
8.1 他の免疫抑制剤と併用する場合には、過度の免疫抑制により感染(日和見感染症や進行性多巣性白質脳症(PML))に対する感受性の上昇、悪性リンパ腫及び他の悪性腫瘍(特に皮膚)が発現する可能性があるので、十分注意すること。[11.1.1-11.1.3、11.1.5参照]
8.2 本剤の使用に際しては、患者又はそれに代わりうる適切な者に、次の注意事項についてよく説明し理解させた後、使用すること。
8.2.1 感染症状、予期せぬ挫傷、出血又は貧血等の骨髄抑制症状、又は下痢等の消化器症状があらわれた場合には、直ちに担当医に報告すること。[11.1.1-11.1.4、11.1.7参照]
8.2.2 皮膚癌の危険性を避けるため、帽子等の衣類や日焼け止め効果の高いサンスクリーンの使用により、日光やUV光線の照射を避けること。[11.1.5参照]
8.3 重度の好中球減少等の副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.4参照]
8.4 本剤は、イノシンモノホスフェイト脱水素酵素(IMPDH)阻害剤であるため、ヒポキサンチン−グアニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)欠損症(Lesch-Nyhan症候群、Kelley-Seegmiller症候群)の患者に使用すると、高尿酸血症を増悪させる可能性があるので十分注意すること。
8.5 重度の腎障害が起こることがあるので、頻回に臨床検査(クレアチニン、BUN、クレアチニンクリアランス、尿蛋白等)を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.10参照]
8.6 心障害が起こることがあるので、使用に際しては心電図、心エコー、胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。[11.1.11参照]
<腎移植後の難治性拒絶反応の治療>
8.7 急性拒絶反応と確定診断された患者で、既存の治療薬(高用量ステロイド等)が無効又は副作用等のため投与できない患者に投与すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
<製剤共通>
9.1.1 重篤な消化器系疾患のある患者
症状を増悪させるおそれがある。
9.1.2 腎移植後臓器機能再開遅延患者
血中濃度が上昇し、副作用があらわれるおそれがある。[16.6.2参照]
9.1.3 肝炎ウイルスキャリアの患者
肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。免疫抑制剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。[11.1.1参照]
<懸濁用散>
9.1.4 フェニルケトン尿症の患者
症状を増悪させるおそれがある。調製後の懸濁液は1mL中1mgのアスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)を含有する。
9.1.5 遺伝性フルクトース不耐症の患者
症状を増悪させるおそれがある。調製後の懸濁液は1mL中399mgのD-ソルビトールを含有する。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 慢性腎不全の患者
血中濃度が上昇し、副作用があらわれるおそれがある。[7.1、16.6.2参照]
9.2.2 重度の腎障害のある患者
重度の腎障害のある心移植、肝移植、肺移植患者に対する臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性への使用に際しては、患者に次の注意事項についてよく説明し理解させた後、使用すること。本剤には催奇形性がある。[1.1、9.5、14.1.1参照]
・本剤は催奇形性が報告されていること。
・本剤の投与開始前に妊娠検査が陰性であるとの結果を確認すること。
・本剤投与前、投与中及び投与中止後6週間は、信頼できる確実な避妊法により避妊すること。
・本剤投与中は、追加の妊娠検査を行うなど、妊娠していないことを定期的に確認すること。妊娠が疑われる場合には、直ちに担当医に連絡すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠中に本剤を服用した患者において、耳(外耳道閉鎖、小耳症等)、眼(眼欠損症、小眼球症等)、顔面(両眼隔離症、小顎症等)、手指(合指、多指、短指等)、心臓(心房中隔欠損症、心室中隔欠損症等)、食道(食道閉鎖等)、神経系(二分脊椎等)等の催奇形性が報告されている。本剤を服用した妊婦における流産は45〜49%との報告がある
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行(6mg/kg単回投与)が報告されている。ヒトでの乳汁移行に関するデータはない。[16.5.2参照]
9.7 小児等
<腎移植における拒絶反応の抑制>
国外で行われた生後3カ月から18歳以下の小児患者100例を対象とした臨床試験において発現した副作用の種類及び発現率は、成人に投与した場合と類似していたが、下痢、白血球減少、敗血症、感染、貧血は小児での発現率が10%以上であり、小児(特に6歳未満)の方が成人に比べて高かった。低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
<上記以外の効能共通>
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
観察を十分に行い、必要に応じて用量等の調節を行うこと。感染症、消化管出血等の副作用発現の危険性が増加するおそれがある。
13.1 処置
本剤は通常血液透析では除去されないが、コレスチラミン(胆汁酸結合剤)投与により排泄を促進することによって除去できる。
14.1 薬剤調製時の注意
<懸濁用散>
14.1.1 本剤は催奇形性を有するため、調製時には手袋等を着用し、安全キャビネット内で実施することが望ましい。皮膚及び粘膜に本剤が付着した場合には石けんと水で十分に洗い流し、眼に付着した場合は水で洗浄すること。[7.2、9.4、9.5参照]
14.1.2 他剤と混ぜないこと。
14.1.3 調製は次の手順で行うこと。
(1)施栓したままボトルを数回たたいて懸濁用散をほぐす。
(2)メスシリンダーで94mLの精製水を量り取る。
(3)量り取った精製水の半量程度をボトルに添加し、施栓して約1分間激しく転倒混和する。
(4)残りの精製水を添加し、施栓して約1分間激しく転倒混和する。
(5)チャイルドレジスタントキャップを外し、ボトルアダプターをボトルの口に差し込む。チャイルドレジスタントキャップをしっかり締めて施栓することにより、ボトルアダプターがボトルの適切な位置に固定され、キャップのチャイルドレジスタント状態が確保される。
(6)調製後の懸濁液の濃度は、ミコフェノール酸 モフェチルとして200mg/mLとなる(懸濁後の液量は175mL、採取可能な懸濁液の液量は160〜165mLである)。
14.2 薬剤交付時の注意
<カプセル>
14.2.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
<懸濁用散>
14.2.2 調製後の懸濁液は、患者向けの説明書及び経口投与用ディスペンサーとともにボトルごと交付すること。また、服用方法、保管方法を患者に十分説明すること。
14.2.3 激しく転倒混和後に使用すること。他剤と混ぜないこと。
14.2.4 調製後の懸濁液は、凍結を避けて室温で保存し、調製後60日以内に使用すること。処方された服用期限後の残液は、廃棄すること。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 脾臓摘出/血漿交換ラットの実験(40mg/kg/日を7日間、その後20mg/kg/日に減量して更に7日間連続経口投与)で投与中は血中自然抗体価の回復を抑制したが、投与中止後にはリバウンドを呈したとの報告がある
15.2.2 サルで、下痢、貧血、白血球減少(45mg/kg/日以上)が報告されている。
15.2.3 細菌を用いる復帰突然変異試験、酵母を用いる遺伝子変換試験、チャイニーズハムスター卵巣由来細胞(CHO)を用いる染色体異常試験、マウスリンフォーマTK試験及びげっ歯類を用いる小核試験が実施され、細胞毒性を生ずる用量で、マウスリンフォーマTK試験で小コロニーの誘発及びげっ歯類を用いる小核試験で陽性の結果が得られ、染色体異常誘発性が認められた。
カプセルは、湿気を避けて保存すること。
本薬の活性代謝物であるミコフェノール酸(MPA)は、主としてUGT1A8及びUGT1A9によるグルクロン酸抱合反応により代謝される。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン 等)[2.3参照] | 類薬による免疫抑制下で、生ワクチン接種により発症したとの報告がある。 | 免疫抑制作用により発症の可能性が増加する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| イサブコナゾニウム硫酸塩 | 本剤の作用が増強するおそれがある。 | グルクロン酸抱合を阻害する薬剤との併用により、本薬の曝露量が増加すると考えられる。イサブコナゾニウム硫酸塩の活性代謝物であるイサブコナゾールがUGTを阻害することにより、本薬のAUCが35%増加したとの報告がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アザチオプリンミゾリビン | 骨髄機能抑制が起こるおそれがある。 | 両剤とも骨髄機能抑制作用が報告されている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シクロスポリン | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | 併用により、本薬の腸肝循環が阻害され、本薬の血中濃度が低下すると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 腸肝循環に影響を与える薬剤コレスチラミンコレスチミド | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | コレスチラミンとの併用により、本薬のAUCが40%低下したとの報告がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| マグネシウム及びアルミニウム含有制酸剤 | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | 併用により、本薬の吸収が減少したとの報告がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ランソプラゾール | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | 併用により、本薬の吸収が減少したとの報告がある。併用薬によるpHの上昇により、本剤の溶解性が低下すると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| セベラマー | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | 併用により、本薬のCmaxが30%、AUCが25%低下したとの報告がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シプロフロキサシンアモキシシリン・クラブラン酸(合剤) | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | 併用により、本薬のトラフ値が約50%低下したとの報告がある。併用薬により腸内細菌叢が変化することにより、本薬の腸肝循環が阻害され、本薬の血中濃度が低下すると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファンピシン | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | リファンピシンが肝代謝酵素を誘導することにより本薬の代謝が促進され、本薬の血中濃度が低下すると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アシクロビルバラシクロビルガンシクロビルバルガンシクロビル | 副作用があらわれるおそれがある。 | 腎尿細管での分泌が競合し、本薬の代謝物及びアシクロビル、ガンシクロビル等の血中濃度が上昇する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 不活化ワクチンインフルエンザHAワクチン等 | ワクチンの効果を減弱させるおそれがある。 | 本剤の免疫抑制作用により、接種されたワクチンに対する抗体産生が抑制される。 |
次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 感染症(頻度不明)
免疫抑制療法は、二次的感染症に対し感受性を高め、日和見感染を起こす可能性がある。サイトメガロウイルス感染症、非定型抗酸菌感染症、アスペルギルス感染症、カンジダ感染症、ムコール感染症、ニューモシスティス感染症、パルボウイルス感染症、ノカルジア感染症、黄色ブドウ球菌感染症、リステリア感染症、結核等があらわれることがある。また、肺炎、敗血症、感染性心内膜炎、帯状疱疹、単純疱疹、上気道感染、気管支炎、感冒、髄膜炎、創感染、腹膜炎、食道炎、腸炎、胆管炎、膿瘍があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。異常が認められた場合には、減量・休薬、抗生物質、抗ウイルス剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.1、8.2.1、9.1.3参照]
11.1.2 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.1、8.2.1参照]
11.1.3 BKウイルス腎症(頻度不明)[8.1、8.2.1参照]
11.1.4 血液障害
汎血球減少(1.4%)、好中球減少(0.6%)、無顆粒球症(頻度不明)、白血球減少(12.0%)、血小板減少(1.7%)、貧血(5.8%)、赤芽球癆(0.1%)があらわれることがある。[8.2.1、8.3参照]
11.1.5 悪性リンパ腫(0.2%)、リンパ増殖性疾患、悪性腫瘍(特に皮膚)(以上0.7%)
他の免疫抑制剤と併用する場合に、過度の免疫抑制により発現の可能性が高まることがある。[8.1、8.2.2参照]
11.1.6 消化管障害
消化管潰瘍(1.1%)、消化管出血(0.3%)、消化管穿孔(0.1%)、イレウス(0.4%)があらわれることがある。
11.1.7 重度の下痢(頻度不明)
脱水症状に至った症例も報告されている。患者の状態により止瀉薬の投与、補液等の適切な処置を行うこと。[8.2.1参照]
11.1.8 アシドーシス、低酸素症(以上頻度不明)、糖尿病(0.5%)、脱水症(0.2%)
11.1.9 血栓症(0.2%)
脳梗塞、網膜静脈血栓症、動脈血栓症があらわれることがある。
11.1.10 重度の腎障害(頻度不明)
腎不全、腎尿細管壊死、水腎症、腎機能障害があらわれることがある。[8.5参照]
11.1.11 心障害
心不全(0.3%)、狭心症(0.1%)、心停止(頻度不明)、不整脈(期外収縮、心房細動、心房粗動、上室性・心室性頻脈等)(0.1%)、肺高血圧症、心嚢液貯留(以上頻度不明)があらわれることがある。[8.6参照]
11.1.12 肝機能障害(1.8%)、黄疸(0.2%)
AST、ALT、γ-GTP、Al-P、ビリルビン、LDHの上昇、黄疸があらわれることがある。
11.1.13 肺水腫(0.1%)、無呼吸(頻度不明)、気胸(0.1%)
11.1.14 痙攣(0.3%)、錯乱、幻覚、精神病(以上頻度不明)
異常が認められた場合には、神経学的検査やCT、MRIによる画像診断を行うこと。
11.1.15 アレルギー反応(頻度不明)、難聴(0.1%)
次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注1)
| 1%以上 | 1%未満 | 頻度不明 | |
| 血液 | ヘマトクリット値減少、ヘモグロビン減少、赤血球数減少、好中球数増加、白血球数増加 | 網赤血球増加・減少、低色素性貧血 | 赤血球増加症、プロトロンビン時間延長、トロンボプラスチン時間延長、斑状出血、点状出血 |
| 消化器 | 下痢(12.0%)、腹痛、嘔吐、嘔気、食欲不振、アミラーゼ上昇、腸炎、腹部膨満 | 胃炎、口内炎、便秘、膵炎、メレナ、消化不良、嚥下障害 | 腸絨毛萎縮注2)、直腸障害、鼓腸、歯肉炎、歯肉肥厚、口渇、口内乾燥 |
| 精神神経系 | 頭痛、しびれ(四肢・舌等)、めまい、うつ、振戦、不眠、失神、ニューロパシー、不安、譫妄 | 筋緊張亢進、異常感覚、傾眠、発声障害、激越、情動障害、思考異常 | |
| 肝臓 | AST、ALT、γ-GTP、LDHの上昇 | Al-P、ビリルビン、LAPの上昇 | |
| 腎臓 | 尿路感染 | 出血性膀胱炎、BUN上昇、蛋白尿、クレアチニン上昇、血尿、尿閉 | 頻尿、遺尿、尿失禁、排尿困難 |
| 代謝異常 | 高尿酸血症(4.9%)、Mg上昇、トリグリセライド上昇、高脂血症 | コレステロール上昇、コリンエステラーゼ低下、血清総蛋白減少、AG比異常、血清アルブミン低下、血糖値上昇、K上昇・低下、P、Cl、Naの低下、低カルシウム血症、高リン酸血症、痛風、低マグネシウム血症 | 循環血液量増加・減少、高カルシウム血症、低血糖、アルカローシス |
| 皮膚 | 脱毛、発疹、蜂巣炎、 |
真菌性皮膚炎、皮膚肥厚、 |
|
| 呼吸器 | 鼻咽頭炎 | 副鼻腔炎、咳増加、胸水、喘息 | 呼吸困難、喀痰増加、過換気、無気肺、鼻出血、喀血、しゃっくり |
| 筋・骨格 | 骨粗鬆症、関節痛、筋力低下、筋痛 | 下腿痙直 | |
| 循環器 | 高血圧、頻脈 | 起立性低血圧、低血圧、血管拡張、徐脈、静脈圧増加、血管痙攣 | |
| 眼 | 白内障 | 結膜炎、視覚障害、弱視、眼出血 | |
| 耳 | 耳痛、耳鳴 | ||
| 内分泌 | 甲状腺機能低下 | 副甲状腺障害、クッシング症候群 | |
| その他 | 免疫グロブリン減少(3.6%)、発熱、サイトメガロウイルス抗体増加注3)、CRP上昇 | 倦怠感、浮腫、胸痛、体重減少、免疫グロブリン増加、ヘルニア、悪寒、出血、無力症 | 顔面浮腫、腹水、嚢腫(リンパ嚢腫、陰嚢水腫を含む)、体重増加、インフルエンザ様症状、疼痛、骨盤痛、頚部痛、インポテンス、蒼白、急性炎症反応注4) |
注1)発現頻度は使用成績調査を含む。
注2)遷延する下痢、また、重症の場合には、体重減少があらわれることがある。
注3)腎移植の効能又は効果追加時までの発現頻度は16.4%であった。
注4)本剤による炎症反応であり、症状及び徴候として、発熱、関節痛、関節炎、筋肉痛、CRP等の炎症マーカーの上昇が複合的に発現することがある。
セルセプトカプセル250 91.1円/カプセル
セルセプト懸濁用散31.8% 109.6円/mL
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