ヒト型抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体製剤
| 一般名 |
セクキヌマブ(遺伝子組換え)
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|---|---|
| 製造/販売 | ノバルティスファーマ / マルホ |
| 剤形/規格 |
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本剤は結核等の感染症を含む緊急時に十分に対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と乾癬治療の十分な知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される症例のみに使用すること。
本剤は感染のリスクを増大させる可能性があり、また結核の既往歴を有する患者では結核を活動化させる可能性がある。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現が報告されている。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で治療を開始すること。
重篤な感染症
ウイルス、細菌及び真菌等による重篤な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意し、本剤投与後に感染の徴候又は症状があらわれた場合には、直ちに主治医に連絡するよう患者を指導すること。
本剤の治療を開始する前に、紫外線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)の適用を十分に勘案すること。
重篤な感染症の患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕
活動性結核の患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
既存治療で効果不十分な下記疾患
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬
通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、1回150mgを投与することができる。
本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や増悪に注意すること。感染の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること。また、重篤な感染症が発症した場合には、適切な処置を行うこと。(「3.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること。
胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者
結核患者との濃厚接触歴を有する患者
また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること。なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しないこと。(【禁忌】、「1.慎重投与」の項参照)
臨床試験において皮膚及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること。(【臨床成績】の項参照)
本剤投与中は、生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種は行わないこと。
本剤と他の生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。また他の生物製剤から変更する場合は感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
注射針部分のカバーは、乾燥天然ゴム(ラテックス類縁物質)を含むので、ラテックス過敏症の既往歴あるいは可能性のある場合は、アレルギー反応を起こすおそれがあるので注意すること。
感染症の患者又は感染症が疑われる患者〔感染症が悪化するおそれがある。〕(「2.重要な基本的注意」の項参照)
結核の既往歴を有する患者〔結核を活動化させるおそれがあるので、胸部X線(レントゲン)検査等を定期的に行うなど、結核症の発現に十分に注意すること。〕(「2.重要な基本的注意」の項参照)
活動期にあるクローン病の患者〔海外臨床試験において、プラセボ群に比べて本剤群において活動期のクローン病の症状が悪化する傾向がみられているため、活動期にあるクローン病の患者に投与する場合は観察を十分に行うこと。〕
高齢者(「4.高齢者への投与」の項参照)
臨床試験において、本剤の最大30mg/kgまでの静脈内投与で重篤な副作用は認められていない。過量投与の場合は、副作用の徴候や症状を注意深く観察し、速やかに適切な対症療法を行うこと。
投与方法
300mgを投与する場合は150mgシリンジを2本皮下投与すること。
投与経路
本剤の投与は皮下投与のみとすること。
投与時
投与前に冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくこと。
皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位(傷、発赤、鱗屑、硬結、瘢痕、皮膚線条等の部位)、乾癬の部位には注射しないこと。
投与部位は、大腿部、腹部又は上腕部が望ましい。同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。
本剤は、1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
尋常性乾癬及び関節症性乾癬を対象とした国際共同第III相臨床試験において、52週までに19/3,364例(0.6%)の患者に抗セクキヌマブ抗体が認められ、うち3/3,364例(0.1%)の抗セクキヌマブ抗体は中和抗体であった(日本人では、1/148例(0.7%)に抗セクキヌマブ抗体が認められ、その1例の抗セクキヌマブ抗体は中和抗体であった)。日本人膿疱性乾癬患者を対象とした国内第III相試験においては、12例中抗セクキヌマブ抗体が認められた患者はいなかった。
なお、抗体の発現と効果又は有害事象との関連は明らかではない。
免疫抑制剤又は光線療法と併用した場合の安全性及び有効性は確立していない。
尋常性乾癬、関節症性乾癬
国際共同第III相プラセボ対照比較試験(A2302、A2303、A2308、A2309)を併合した12週の集計において、本剤が投与された総症例1,382例中(日本人58例含む)260例(18.81%)に副作用が認められ、主な副作用は、鼻咽頭炎28例(2.03%)、頭痛28例(2.03%)、下痢11例(0.80%)、上気道感染10例(0.72%)等であった。日本人では58例中6例(10.3%)に副作用が認められ、主な副作用は、鼻咽頭炎1例(1.7%)等であった。
局面型皮疹を有する乾癬患者を対象とした第III相臨床試験(A2302、A2303、A2304、A2307、A2308、A2309)を併合した52週の集計において、本剤が投与された総症例2,805例中(日本人140例含む)750例(26.74%)に副作用が認められ、主な副作用は、鼻咽頭炎125例(4.46%)、頭痛50例(1.78%)、上気道感染45例(1.60%)、下痢27例(0.96%)等であった。このうち、日本人では、140例中44例(31.4%)に副作用が認められ、主な副作用は、鼻咽頭炎9例(6.4%)、蕁麻疹2例(1.4%)等であった。(承認時までの集計)
膿疱性乾癬
日本人膿疱性乾癬患者を対象とした非盲検試験の52週の集計において、本剤が投与された12例中4例(33.3%)に副作用が認められた。(効能又は効果の一変承認時までの集計)
「重大な副作用」及び「その他の副作用」の発現頻度は、日本人の乾癬患者を対象とした試験を併合した52週の集計結果より算出した。また、これらの臨床試験であらわれていない副作用は頻度不明とした。
重篤な感染症(1.3%)
ウイルス、細菌あるいは真菌等による重篤な感染症があらわれることがあるので、本剤投与後は患者の状態を十分に観察し、感染症が疑われた場合には適切な処置を行うこと。
過敏症反応
アナフィラキシー(頻度不明)、蕁麻疹(1.3%)等の過敏症反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
好中球数減少(頻度不明)
好中球数減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬又は投与中止するなど適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | 1%以上 | 1%未満 | |
| 感染症 | 口腔ヘルペス | 上気道感染(鼻咽頭炎、上気道感染、鼻炎、咽頭炎、副鼻腔炎、扁桃炎)、カンジダ症 | 足部白癬 |
| 眼障害 | 結膜炎 | − | − |
| 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | 鼻漏 | − | − |
| 胃腸障害 | 下痢 | − | − |
| 皮膚及び皮下組織障害 | − | 蕁麻疹 | − |
| 肝胆道系障害 | − | − | 肝機能検査値異常 |
| 神経系障害 | 頭痛 | − | − |
| 全身障害及び投与部位様態 | 注射部位反応 | − | − |
コセンティクス皮下注150mgシリンジ 73132円/筒
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