リオナ錠250mg

高リン血症治療剤

3.9(21件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 クエン酸第二鉄水和物
製造/販売 塩野義製薬 / 鳥居薬品
剤形/規格
  • リオナ錠250mg

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禁忌

  • <効能共通>

    • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • <鉄欠乏性貧血>

    • 2.2 鉄欠乏状態にない患者(鉄過剰症を来すおそれがある)

効能・効果

  • ○慢性腎臓病患者における高リン血症の改善

  • ○鉄欠乏性貧血

用法・容量

  • <慢性腎臓病患者における高リン血症の改善>

    • 通常,成人には,クエン酸第二鉄として1回500mgを開始用量とし,1日3回食直後に経口投与する。以後,症状,血清リン濃度の程度により適宜増減するが,最高用量は1日6,000mgとする。

  • <鉄欠乏性貧血>

    • 通常,成人には,クエン酸第二鉄として1回500mgを1日1回食直後に経口投与する。患者の状態に応じて適宜増減するが,最高用量は1回500mgを1日2回までとする。

注意事項

重要な基本的注意

  • <慢性腎臓病患者における高リン血症の改善>

    • 8.1 本剤は,定期的に血清リン,血清カルシウム及び血清PTH濃度を測定しながら投与すること。血清リン,血清カルシウム及び血清PTH濃度の管理目標値及び測定頻度は,学会のガイドライン等,最新の情報を参考にすること。低カルシウム血症の発現あるいは悪化がみられた場合には,活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤の投与を考慮し,カルシウム受容体作動薬が使用されている場合には,カルシウム受容体作動薬の減量等も考慮すること。また,二次性副甲状腺機能亢進症の発現あるいは悪化がみられた場合には,活性型ビタミンD製剤,カルシウム製剤,カルシウム受容体作動薬の投与あるいは他の適切な治療法を考慮すること。

    • 8.2 本剤投与中は血清フェリチン値等を定期的に測定し,鉄過剰に注意すること。また,ヘモグロビン値等を定期的に測定し,特に赤血球造血刺激因子製剤と併用する場合には,過剰造血に注意すること。[9.1.2,9.1.4,9.1.5参照]

  • <鉄欠乏性貧血>

    • 8.3 本剤投与中は,ヘモグロビン値,血清フェリチン値等を適宜測定し,鉄過剰に注意すること。[9.1.2参照]

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • <効能共通>

      • 9.1.1 消化性潰瘍,炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者

        • 病態を悪化させるおそれがある。

      • 9.1.2 他の鉄含有製剤投与中の患者

        • 鉄過剰症を引き起こすおそれがある。[8.2,8.3参照]

      • 9.1.3 発作性夜間血色素尿症の患者

        • 溶血を誘発し病態を悪化させるおそれがある。

    • <慢性腎臓病患者における高リン血症の改善>

      • 9.1.4 ヘモクロマトーシス等の鉄過剰である患者

        • 病態を悪化させるおそれがある。[8.2参照]

      • 9.1.5 血清フェリチン値等から鉄過剰が疑われる患者

        • 鉄過剰症を引き起こすおそれがある。[8.2参照]

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 C型慢性肝炎等の肝炎患者

      • 病態を悪化させるおそれがある。

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。

  • 9.7 小児等

    • 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 9.8 高齢者

    • 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

過量投与

  • 13.1 症状

    • 主な症状は胃粘膜刺激による悪心,嘔吐,腹痛,血性下痢,吐血等の消化器症状である。また,頻脈,血圧低下,チアノーゼ等がみられる。重症の場合は,昏睡,ショック,肝壊死,肝不全に至ることがある。

  • 13.2 処置

    • 服用初期には催吐,胃洗浄が有効である。その他に下剤,鉄排泄剤(デフェロキサミン)等の投与を行う。血圧低下や循環虚脱があらわれた場合には,昇圧剤,輸液等による対症療法を行う。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

  • 14.2 薬剤投与時の注意

    • 14.2.1 腹部のX線又はMRI検査で,本剤が存在する胃腸管の画像に未消化錠が写る可能性がある。

    • 14.2.2 本剤の投与により便が黒色を呈することがある。

その他の注意

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • イヌを用いたクエン酸第二鉄水和物の長期反復投与毒性試験において,最大臨床用量の鉄として慢性腎臓病における高リン血症の改善の約5倍,鉄欠乏性貧血の約30倍に相当する用量より,鉄の過剰蓄積に伴う肝臓の組織障害(慢性炎症巣,細胆管の増生及び肝実質の線維化)が認められた。これらの変化は休薬による回復性はなく,休薬期間中に病態の進行が認められた。

取扱上の注意

  • アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
キノロン系抗菌剤シプロフロキサシン等[16.7参照] これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,同時に服用させないなど注意すること。 これら薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
甲状腺ホルモン剤レボチロキシン等テトラサイクリン系抗生物質テトラサイクリン塩酸塩ドキシサイクリン塩酸塩水和物等 これら薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。 これら薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
セフジニル これら薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。 これら薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗パーキンソン剤レボドパ・ベンセラジド塩酸塩等 これら薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。 これら薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エルトロンボパグ オラミン これら薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。 これら薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
経口アルミニウム製剤注)水酸化アルミニウムゲル合成ケイ酸アルミニウム 他のクエン酸製剤との併用で血中アルミニウム濃度が上昇したとの報告があるので,同時に服用させないなど注意すること。 クエン酸との併用により,吸収が促進されるとの報告がある。
  • 注)透析療法を受けている患者には投与禁忌である。

副作用

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2%以上 2%未満
胃腸障害 下痢(12.4%),悪心,便秘 腹部不快感,嘔吐,腹部膨満,腹痛,上腹部痛,排便回数増加,胃腸障害,下腹部痛,十二指腸潰瘍,便通不規則
臨床検査 血清フェリチン増加注),ヘモグロビン増加,血中アルミニウム増加,γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加,ヘマトクリット増加
その他 赤血球増加症注),食欲減退,頭痛,高血圧,肝機能異常,湿疹,そう痒症,月経過多,倦怠感
  • 注)高リン血症患者を対象とした臨床試験で認められた副作用

薬価

リオナ錠250mg 70.4円/錠

評価サマリー

もっとも参考になった評価コメント

副作用の頻度

投稿日: 2015/03/28 参考率: 96%(22人/23人)

内科/60代/処方経験あり

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