遺伝子組換え分泌型ヒト成長ホルモン製剤
| 一般名 |
ソマトロピン(遺伝子組換え)
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|---|---|
| 製造/販売 | メルクセローノ / 富士フイルムファーマ |
| 剤形/規格 |
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糖尿病の患者[成長ホルモンが抗インスリン様作用を有するため。]
悪性腫瘍のある患者[成長ホルモンが細胞増殖作用を有するため。]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症
通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.175mgを2〜4回に分けて筋肉内に注射するか、あるいは6〜7回に分けて皮下に注射する。
脳腫瘍(頭蓋咽頭腫、松果体腫等)による成長ホルモン分泌不全性低身長症の患者[成長ホルモンが細胞増殖作用を有するため、基礎疾患の進行や再発の観察を十分に行い慎重に投与すること。]
心疾患、腎疾患のある患者[ときに一過性の浮腫があらわれることがあるので、特に心疾患、腎疾患のある患者に投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること。]
過量投与により最初は血糖低下が、次いで血糖上昇が認められることがある。長期の過量投与により末端肥大症の症状が認められることがある。
調製方法
用時、添付の溶解液1mLを加えた後、静かに円を描くように回して溶解すること。(激しく振とうしないこと。)
溶解後はできるだけ速やかに使用すること。(溶解後凍結した場合は使用しないこと。)
添付の溶解液アンプルは、イージーカットアンプルであるが、アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
筋肉内注射時
筋肉内注射する場合には、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
同一部位への反復注射は行わないこと。
神経走行部位を避けること。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
皮下注射時
皮下注射する場合には、注射部位を上腕、大腿、腹部、臀部等広範に求め、順序よく移動し、同一部位に短期間内に繰返し注射しないこと。
ヒト成長ホルモンと白血病の因果関係は明らかではないが、ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に白血病があらわれたとの報告があるので、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に脳腫瘍が再発したとの報告がある。
小児がんの既往を有する患者にヒト成長ホルモンを投与した場合、二次性腫瘍の発現リスクが上昇するとの報告がある。
連続投与した場合、ヒト成長ホルモンに対する抗体が生じることがある。抗体の産生により効果の減弱がみられる場合には、投与を中止し、適宜他の治療法を考慮すること。
動物実験で妊娠前、妊娠初期投与試験において、高投与量群で交尾率及び妊娠率の低下が報告されている。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 糖質コルチコイド | 成長ホルモンの成長促進作用が抑制されることがある。 | 糖質コルチコイドが成長抑制効果を有するため |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| インスリン | インスリンの血糖降下作用が減弱することがある。 | 成長ホルモンが抗インスリン様作用を有するため |
再審査期間(平成4年5月〜平成10年9月)に得られた使用成績調査表に基づく副作用発現状況は、安全性評価対象例326例において、副作用発現症例計7例8件、副作用発現症例率2.1%であった。その内訳は、腹痛、白血球数上昇、抗hGH抗体価上昇、甲状腺機能低下、Al-P上昇がそれぞれ1例1件(0.3%)、血清P値上昇3例3件(0.9%)であった。腹痛、Al-P上昇、血清P値上昇が中等度であったほかはいずれも軽度であり、特に問題となる事象は見られなかった。
(頻度不明)
けいれん
けいれんがあらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群(浮腫、尿蛋白、低蛋白血症)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
糖尿病
耐糖能低下があらわれ、糖尿病を発症することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | |
| 過敏症注1) | 全身 |
| 内分泌 | 甲状腺機能低下症注2)、耐糖能低下注3) |
| 肝臓 | GOT、GPTの上昇 |
| 消化器 | 嘔気、腹痛 |
| 筋・骨格系 | 関節痛・下肢痛等の成長痛、有痛性外脛骨、 |
| 投与部位 | 発赤、熱感、疼痛、硬結、皮下脂肪の消失 |
| その他 | 頭蓋内圧亢進に伴う乳頭浮腫・視覚異常・頭痛・悪心・嘔吐注4)、浮腫、頭痛、白血球数上昇、遊離脂肪酸上昇、血清P上昇、尿潜血・顕微鏡的血尿、蛋白尿、CPK上昇、ミオグロビン上昇 |
注1)発現した場合には投与を中止すること。
注2)甲状腺機能低下症があらわれあるいは悪化し、本剤による治療効果が低下することがあるので、甲状腺機能を定期的に検査し、このような場合には適当な治療を行うことが望ましい。
注3)定期的に尿糖等の検査を実施することが望ましい。
注4)発現した場合には投与を中止するか、減量すること。
サイゼン注用1.33mg 7300円/瓶
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