新鮮な心筋梗塞のある患者[基礎代謝の亢進により心負荷が増大し,病態が悪化することがある.]
粘液水腫,クレチン病,甲状腺機能低下症(原発性及び下垂体性),甲状腺腫,慢性甲状腺炎,甲状腺機能障害による習慣性流産及び不妊症
乾燥甲状腺として通常,成人1日15〜40mgから開始し,維持量として1日40〜200mgを経口投与する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.
甲状腺機能低下症及び粘液水腫の患者には少量から投与を開始し,観察を十分に行い漸次増量して維持量とすることが望ましい.
狭心症,陳旧性心筋梗塞,動脈硬化症,高血圧症等の重篤な心・血管系の障害のある患者[基礎代謝の亢進による心負荷により,病態が悪化するおそれがあるので,投与する場合には少量から開始し,通常より長期間をかけて増量し維持量は最小必要量とすること.]
副腎皮質機能不全,脳下垂体機能不全のある患者[副腎クリーゼを誘発し,ショック等を起こすことがあるので,副腎皮質機能不全の改善(副腎皮質ホルモンの補充)を十分にはかってから投与すること.]
糖尿病患者[血糖コントロールの条件が変わることがあるので,投与する際にはこの点に十分配慮すること.](「相互作用」の項参照)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
症状
「副作用」の項参照
処置
一度に大量服用した場合には,胃腸からの本剤吸収の抑制(状況に応じ催吐・胃洗浄,コレスチラミンや活性炭の投与等)及び対症療法(換気維持のための酸素投与,交感神経興奮症状に対するプロプラノロール等のβ-遮断剤の投与,うっ血性心不全に対する強心配糖体の投与や発熱,低血糖及び体液喪失に対する処置等)を行う.
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クマリン系抗凝血剤 ワルファリンカリウム等 | クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので,併用する場合にはプロトロンビン時間等を測定しながらクマリン系抗凝血剤の用量を調節するなど慎重に投与すること. | 甲状腺ホルモンがビタミンK依存性凝血因子の異化を促進すると考えられている. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 交感神経刺激剤アドレナリン,ノルアドレナリン,エフェドリン・メチルエフェドリン含有製剤 | 交感神経刺激剤の作用を増強し,冠動脈疾患のある患者に併用すると冠不全のリスクが増大するおそれがあるので,併用する場合には慎重に投与すること. | 甲状腺ホルモンがカテコールアミン類のレセプターの感受性を増大すると考えられている. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強心配糖体製剤ジゴキシン,ジギトキシン等 | 甲状腺機能亢進状態では血清ジゴキシン濃度が低下し,甲状腺機能低下状態では上昇するとの報告があるため,甲状腺機能亢進状態では通常より多量の,甲状腺機能低下状態では通常より少量の強心配糖体製剤の投与を必要とすることがある.併用する場合には強心配糖体製剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること. | 強心配糖体製剤の吸収率,分布容積,肝代謝,腎排泄速度等の増減が関与していると考えられている. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 血糖降下剤インスリン製剤,スルフォニル尿素系製剤等 | 血糖降下剤を投与している患者において,本剤を投与すると血糖コントロールの条件が変わることがあるので,併用する場合には血糖値その他患者の状態を十分観察しながら両剤の用量を調節するなど慎重に投与すること. | 糖代謝全般に作用し血糖値を変動させると考えられている. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| コレスチラミン,コレスチミド,鉄剤,アルミニウム含有制酸剤 ,炭酸カルシウム,炭酸ランタン水和物,セベラマー塩酸塩 | 同時投与により本剤の吸収が遅延又は減少することがあるので,併用する場合には本剤との投与間隔をできる限りあけるなど慎重に投与すること. | 消化管内で本剤と結合し吸収を抑制すると考えられている. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フェニトイン製剤 | フェニトインは本剤の血中濃度を低下させることがあるので,併用する場合には本剤を増量するなど慎重に投与すること. | 甲状腺ホルモンの異化を促進すると考えられている. |
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない(再審査対象外).
(頻度不明)
狭心症
狭心症があらわれることがある.このような場合には過剰投与のおそれがあるので,減量,休薬等適切な処置を行うこと.
肝機能障害,黄疸
AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP等の著しい上昇,発熱,
副腎クリーゼ
副腎皮質機能不全,脳下垂体機能不全のある患者では,副腎クリーゼがあらわれることがあるので,副腎皮質機能不全の改善(副腎皮質ホルモンの補充)を十分にはかってから投与すること.全身
(頻度不明)
ショック
類薬(リオチロニンナトリウム)で,ショックがあらわれることが報告されている.
うっ血性心不全
類薬(リオチロニンナトリウム)で,うっ血性心不全があらわれることが報告されている.このような場合には過剰投与のおそれがあるので,減量,休薬等適切な処置を行うこと.
| 頻度不明 | |
| 過敏症 注1) | 過敏症状 |
| 肝臓 注2) | 肝機能検査値異常〔AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇等〕 |
| 循環器 注3) | 心悸亢進,脈拍増加,不整脈 |
| 精神神経系 注3) | 頭痛,めまい,不眠,振戦,神経過敏・興奮・不安感・躁うつ等の精神症状 |
| 消化器 注3) | 嘔吐,下痢,食欲不振 |
| その他 注3) | 筋肉痛,月経障害,体重減少,脱力感,皮膚の潮紅,発汗,発熱, |
注1)発現した場合には投与を中止すること.
注2)発現した場合には減量,休薬等適切な処置を行うこと.
注3)発現した場合には過剰投与のおそれがあるので,減量,休薬等適切な処置を行うこと.
チラーヂン末
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