消化性潰瘍のある患者[本剤の直接作用及びプロスタグランジン生合成抑制により、胃の血流量が減少し、消化性潰瘍を悪化させることがある。](ただし、「慎重投与」の項参照)
重篤な血液の異常のある患者[プロスタグランジン生合成抑制による血小板機能障害等の血液異常を悪化させることがある。]
重篤な肝障害のある患者[重篤な肝障害患者は、肝機能が著しく低下しているため、本剤の代謝が十分に行われず、異常な体内分布を起こすおそれがある。また、肝の代謝機能が過重となり、肝障害を悪化させることがある。]
重篤な腎障害のある患者[重篤な腎障害患者は、薬物排泄機能が著しく低下しているため、本剤の排泄が十分に行われず、異常な体内分布を起こすおそれがある。また、プロスタグランジン生合成抑制により腎機能が低下するため腎障害を悪化させることがある。]
重篤な心機能不全のある患者[腎のプロスタグランジン生合成抑制により、浮腫、循環体液量の増加が起こり、心臓の仕事量が増加するため症状を悪化させるおそれがある。]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[気管支拡張作用を低下させ喘息発作を誘発することがある。]
重篤な高血圧症の患者[腎のプロスタグランジン生合成抑制により、水、ナトリウムの貯留が起こり、浮腫、血圧上昇を起こすおそれがある。]
過去に本剤により下痢を起こした患者[本剤に対し耐薬性を失い、下痢を再発することが多い。]
妊娠末期の婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
手術後及び外傷後の炎症及び腫脹の緩解
下記疾患の消炎、鎮痛、解熱
変形性関節症、腰痛症、症候性神経痛、頭痛(他剤が無効な場合)、副鼻腔炎、月経痛、分娩後疼痛、歯痛
下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
効能・効果1・2の場合
メフェナム酸として、通常、成人1回500mg、その後6時間毎に1回250mgを経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
効能・効果3の場合
通常、成人にはメフェナム酸として、1回500mgを頓用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則1日2回までとし、1日最大1500mgを限度とすること。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
小児のインフルエンザに伴う発熱に対しては、原則として本剤を投与しないこと。
消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
慢性疾患(変形性関節症)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
長期投与する場合には定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること。
薬物療法以外の療法も考慮すること。
急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
急性炎症、疼痛、発熱の程度を考慮し投与すること。
原則として同一薬剤の長期投与を避けること。
原因療法があればこれを行うこと。
患者の状態を十分観察し、副作用の発現に留意すること。過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う幼小児及び高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
感染症を不顕性化するおそれがあるので、感染による炎症に対して用いる場合には適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
めまい、眠気があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。
消化性潰瘍の既往歴のある患者[潰瘍を再発させることがある。]
非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者[ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。]
血液の異常又はその既往歴のある患者[自己免疫性溶血性貧血、顆粒球減少等の副作用が起こりやすい。]
出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こり、出血時間が延長することがある。]
肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させることがある。]
腎障害又はその既往歴のある患者[腎血流量が減少し、非乏尿性の
心機能異常のある患者(「禁忌」の項参照)
過敏症の既往歴のある患者[過敏症(発疹等の皮膚症状)を再発させることがある。]
気管支喘息のある患者[病態を悪化させることがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
SLE(全身性エリテマトーデス)の患者[病態を悪化させることがある。]
高血圧症の患者[病態を悪化させるおそれがある。]
潰瘍性大腸炎の患者[病態を悪化させることがある。]
クローン氏病の患者[病態を悪化させるおそれがある。]
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児[代謝・排泄機能が未熟である。]
食道通過障害のある患者[食道潰瘍が起こることがある。]
本剤の過量投与により、痙攣、
服用時
食道に停留し崩壊すると、食道潰瘍を起こすことがあるので、多めの水で服用させ、特に就寝直前の服用等には注意させること。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クマリン系抗凝血剤 ワルファリン | その抗凝血作用を増強することがあるので注意し、必要があれば減量すること。 | 以下のような機序が考えられる。 in vitroにおいて、本剤がワルファリンをアルブミン結合部位から遊離置換させ、遊離の活性ワルファリンが増加するとの報告がある。本剤のプロスタグランジン生合成抑制作用により血小板凝集が抑制され、血液凝固能が低下する。本剤のプロスタグランジン生合成抑制作用により消化管粘膜障害が起こり、出血が起こりやすくなる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 第Xa因子阻害剤 | 出血の危険性を増大させるおそれがある。 | 抗血栓作用を増強するためと考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リチウム製剤 炭酸リチウム | 血中リチウム濃度を上昇させ、リチウム中毒を起こすことがあるので血中のリチウム濃度に注意し、必要があれば減量すること。 | 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成抑制作用により、炭酸リチウムの腎排泄が減少し血中濃度が上昇するためと考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| チアジド系利尿剤 ヒドロクロロチアジド等 | その利尿・降圧作用を減弱するおそれがある。 | 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成抑制作用により、水、ナトリウムの排泄を減少させるためと考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 降圧剤 ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤等 | その降圧作用を減弱するおそれがある。 | 本剤のプロスタグランジンの生合成抑制作用により、これらの薬剤の降圧作用を減弱させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 降圧剤 ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤等 | 腎機能を悪化させるおそれがある。 | 本剤のプロスタグランジンの生合成抑制作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。 |
(本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。)
総症例12,070例(散剤を含む)中、795例(6.59%)に副作用が認められ、主な副作用は、消化器−胃腸障害(0.90%)、悪心(0.88%)、下痢・軟便(0.55%)、過敏症−発疹(0.31%)等であった。〔非ステロイド性消炎鎮痛剤の再点検結果〕
(本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。)
(頻度不明)
ショック、
ショック、
溶血性貧血、無顆粒球症
自己免疫性溶血性貧血、無顆粒球症、顆粒球減少があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、高齢者では長期投与した場合、自己免疫性溶血性貧血があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
骨髄形成不全
骨髄形成不全があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
消化性潰瘍、大腸炎
消化性潰瘍、大腸炎、吐血、下血、血便等の消化管出血があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。)
| 0.1〜1.5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
| 血液 注) | 血小板減少性紫斑病、血小板機能低下(出血時間の延長)、血小板減少、好酸球増多 | ||
| 過敏症 注) | 発疹 | 発赤、そう痒 | 蕁麻疹 |
| 感覚器 | 霧視 | ||
| 肝臓 | 黄疸、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ALP上昇、肝障害 | ||
| 消化器 | 下痢注)・軟便、胃腸障害、食欲不振、悪心、嘔吐、胃痛、腹痛、胃部不快感 | 口渇、便秘 | 吐血注)、鼓腸 |
| 精神神経系 | 眠気、めまい、頭痛、倦怠感 | 痙攣 | |
| その他 | 浮腫 | 発熱 |
注)投与を中止すること。
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