ケサンラ点滴静注液350mg

ヒト化抗N3pGアミロイドβ注2)モノクローナル抗体製剤 注2)N末端第3残基がピログルタミル化されたアミロイドβ

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リスト同薬効薬剤
一般名 ドナネマブ(遺伝子組換え)
製造/販売 日本イーライリリー
剤形/規格
  • ケサンラ点滴静注液...

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警告

  • 1.1 本剤の投与は、アミロイドPET、MRI等の本剤投与にあたり必要な検査及び管理が実施可能な医療施設又は当該医療施設と連携可能な医療施設において、アルツハイマー病の病態、診断、治療に関する十分な知識及び経験を有し、本剤のリスク等について十分に管理・説明できる医師の下で、本剤の投与が適切と判断される患者のみに行うこと。

  • 1.2 本剤の投与開始に先立ち、本剤投与によるARIAの発現割合、ARIAのリスク及びリスク管理のために必要な検査、ARIA発現時の対処法について、患者及び家族・介護者に十分な情報を提供して説明し、同意を得てから投与すること。また、異常が認められた場合には、速やかに主治医に連絡するよう指導すること。[7.5、8.2、8.2.1-8.2.4、11.1.2参照]

禁忌

  • 2.1 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

  • 2.2 本剤投与開始前に血管原性脳浮腫が確認された患者[ARIAのリスクが高まるおそれがある。][7.5、8.2.1参照]

  • 2.3 本剤投与開始前に5個以上の脳微小出血、脳表ヘモジデリン沈着症又は1cmを超える脳出血が確認された患者[ARIAのリスクが高まるおそれがある。][7.5、8.2.1参照]

効能・効果

  • アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制

用法・容量

  • 通常、成人にはドナネマブ(遺伝子組換え)として初回は350mg、2回目は700mg、3回目は1050mg、その後は1回1400mgを4週間隔で、少なくとも30分かけて点滴静注する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1 アナフィラキシーを含むinfusion reactionがあらわれることがあるため、本剤投与終了後少なくとも30分は患者の状態を観察すること。[11.1.1参照]

  • 8.2 本剤はARIA管理に関する適切な知識を有する医師の下で使用し、投与開始前及び投与中は以下の点に注意すること。[1.2、7.5、11.1.2参照]

    • 8.2.1 本剤投与開始前に、最新(1年以内)のMRI画像により、ARIAを含む異常所見の有無を確認すること。[1.2、2.2、2.3、8.2.4、8.3、11.1.2、17.1.1参照]

    • 8.2.2 ARIAの発現は、本剤投与開始から24週間以内に多く、重篤なARIAの発現は12週間以内に多いことから、この期間は特に注意深く患者の状態を観察すること。ARIAを示唆する症状が認められた場合には、臨床評価を行い、必要に応じてMRI検査を実施すること。[1.2、7.5、8.2.4、11.1.2参照]

    • 8.2.3 ARIAを示唆する症状が認められない場合であっても、本剤2回目の投与前、4回目の投与前、及び7回目の投与前、並びにそれ以降も定期的にMRI検査を実施し、ARIAの有無を確認すること。また、多くの重篤なARIAは治療開始12週以内にあらわれるので、必要に応じて本剤3回目の投与前にもMRI検査を実施することが望ましい。[1.2、7.5、8.2.4、11.1.2参照]

    • 8.2.4 アポリポ蛋白E対立遺伝子4(APOEε4)(ホモ接合型又はヘテロ接合型)キャリアの患者において、ARIA-E、ARIA-H、及び重篤なARIA-E及びARIA-Hがより高い頻度で認められている。なお、発現頻度は、APOEε4(ホモ接合型)キャリアで最も高く、次にAPOEε4(ヘテロ接合型)キャリア、APOEε4ノンキャリアの順で高かった。APOEε4保因状況にかかわらず、8.2.1〜8.2.3項及び11.1.2項に規定のMRI検査を含むARIA管理を実施すること。アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症患者を対象とした本剤の国際共同第III相試験(AACI試験)及び海外第III相試験(AACQ試験)におけるAPOEε4ホモ接合型キャリアの割合はそれぞれ16.7%及び10.1%であった。[1.2、7.5、8.2.1-8.2.3、11.1.2参照]

      • AACI試験におけるAPOEε4遺伝子型別のARIA発現頻度注1)

        注1)MRI中央読影で認められたARIA及び治験担当医師により報告されたARIAから頻度を算出した。 注2)本剤を最初の3回は1回700mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与した(初回承認時の用法及び用量)。
        本剤群注2) プラセボ群
        ホモ接合型(N=143) ヘテロ接合型(N=452) ノンキャリア(N=255) ホモ接合型(N=146) ヘテロ接合型(N=474) ノンキャリア(N=250)
        ARIA-E 41.3%(59例) 23.2%(105例) 15.7%(40例) 3.4%(5例) 2.1%(10例) 0.8%(2例)
        重篤なARIA-E 2.8%(4例) 1.8%(8例) 0.4%(1例) 0.0%(0例) 0.0%(0例) 0.0%(0例)
        ARIA-H 50.3%(72例) 32.5%(147例) 18.8%(48例) 20.5%(30例) 12.9%(61例) 11.2%(28例)
        重篤なARIA-H 1.4%(2例) 0.2%(1例) 0.4%(1例) 0.0%(0例) 0.0%(0例) 0.0%(0例)

      • AACQ試験におけるAPOEε4遺伝子型別のARIA発現頻度注3)

        注3)MRI中央読影で認められたARIA及び治験担当医師により報告されたARIAから頻度を算出した。 注4)本剤を初回は350mg、2回目は700mg、3回目は1050mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与した。 注5)本剤を最初の3回は1回700mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与した(初回承認時の用法及び用量)。
        350mg開始群注4) 700mg開始群注5)
        ホモ接合型(N=21) ヘテロ接合型(N=115) ノンキャリア(N=75) ホモ接合型(N=21) ヘテロ接合型(N=112) ノンキャリア(N=72)
        ARIA-E 23.8%(5例) 15.7%(18例) 13.3%(10例) 57.1%(12例) 24.1%(27例) 15.3%(11例)
        重篤なARIA-E 0.0%(0例) 0.0%(0例) 1.3%(1例) 0.0%(0例) 0.0%(0例) 0.0%(0例)
        ARIA-H 28.6%(6例) 28.7%(33例) 20.0%(15例) 47.6%(10例) 31.3%(35例) 15.3%(11例)
        重篤なARIA-H 0.0%(0例) 0.0%(0例) 0.0%(0例) 0.0%(0例) 0.0%(0例) 0.0%(0例)

  • 8.3 本剤投与開始前のMRI検査で重度の白質病変が認められた患者において、本剤の投与を開始した経験はない。重度の白質病変が認められた患者への本剤投与の可否は、本剤投与によるリスクとベネフィットを考慮した上で、慎重に判断すること。[8.2.1参照]

  • 8.4 一般的に高血圧症は脳出血のリスク因子であることから、本剤投与前に高血圧の有無を確認し、高血圧が持続する患者への投与は慎重に行うこと。本剤投与中は適切な血圧管理を行うこと。

慎重投与

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。また、一般にヒトIgGは胎盤を通過することが知られている。

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の乳汁中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは乳汁中へ移行することが知られている。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤調製時の注意

    • 14.1.1 本剤は1回使い切りのバイアル製剤である。本剤は、無菌的に希釈調製を行うこと。

    • 14.1.2 調製の約30分前に冷蔵庫から取り出し、室温に戻しておくこと。

    • 14.1.3 バイアル内の薬液に異物や変色が認められないことを確認し、異物や変色が認められる場合は使用しないこと。

    • 14.1.4 希釈液は、生理食塩液を用いること。下表に従い、本剤を必要量抜き取り、生理食塩液を含む点滴静注用バッグ又はボトルに添加して最終濃度が4〜10mg/mLになるように希釈すること。

      • 投与量 生理食塩液の量
        350mg(本剤1バイアル、20mL) 15〜67.5mL
        700mg(本剤2バイアル、合計40mL) 30〜135mL
        1050mg(本剤3バイアル、合計60mL) 45〜202.5mL
        1400mg(本剤4バイアル、合計80mL) 60〜270mL

    • 14.1.5 点滴静注用バッグ又はボトルの中身をゆっくり反転させて混和し、激しく振とうしないこと。

    • 14.1.6 調製後は、速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合は、凍結を避け、冷蔵保存(2〜8℃)では72時間以内、25℃以下での保存では12時間以内に使用すること。

  • 14.2 薬剤投与時の注意

    • 本剤投与終了後は、点滴ラインを生理食塩液にてフラッシュし、全量を投与すること。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 臨床試験において、本剤を投与された88%の患者で抗薬物抗体(ADA)が認められ、その全例で中和抗体が認められた。ADA陽性例ではADA陰性例と比較して血清中ドナネマブ濃度が低下する傾向が認められたが、ADAの発現による本剤の有効性への明らかな影響は認められなかった。注入に伴う反応が認められたすべての患者でADAが認められた。

取扱上の注意

  • 20.1 外箱開封後は遮光して保存すること。

  • 20.2 凍結を避けること。凍結した場合は使用しないこと。

  • 20.3 激しく振とうしないこと。

  • 20.4 冷蔵庫(2〜8℃)で保存できない場合は25℃以下で遮光保存し、3日以内に使用すること。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血液凝固阻止剤ワルファリンカリウムヘパリンナトリウムアピキサバン等 本剤との併用によりARIA-H又は脳出血が起こる可能性がある。併用時にはARIA-H及び脳出血に注意すること。 本剤の副作用としてARIA-Hの報告がある。併用により左記薬剤が出血を助長する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血小板凝集抑制作用を有する薬剤アスピリンクロピドグレル硫酸塩等 本剤との併用によりARIA-H又は脳出血が起こる可能性がある。併用時にはARIA-H及び脳出血に注意すること。 本剤の副作用としてARIA-Hの報告がある。併用により左記薬剤が出血を助長する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血栓溶解剤アルテプラーゼ等 本剤との併用によりARIA-H又は脳出血が起こる可能性がある。併用時にはARIA-H及び脳出血に注意すること。 本剤の副作用としてARIA-Hの報告がある。併用により左記薬剤が出血を助長する可能性がある。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 Infusion reaction17.9注1)、アナフィラキシー0.5注1)

    • アナフィラキシーを含むinfusion reaction(紅斑、悪寒、悪心、嘔吐、発汗、頭痛、胸部絞扼感、呼吸困難、血圧変動等)があらわれることがあり、重症又は致命的な経過をたどるおそれがある。多くは本剤投与中又は投与終了後30分以内に発現する。[8.1参照]

  • 11.1.2 アミロイド関連画像異常(ARIA)28.8注1),注2)、脳出血0.5注1),注2)

    • ARIA-E(15.6注1),注2))、ARIA-H(25.5注1),注2))があらわれることがある。また、重篤なARIA(0.5%注1),注2))があらわれることがあり、臨床試験において死亡に至った例が認められている。症候性ARIA-Eは2.8注1),注2)で認められている。[1.2、7.5、8.2、8.2.1-8.2.4参照]

    • (1)ARIAの症状としては、頭痛、錯乱、悪心、嘔吐、ふらつき、めまい、振戦、視覚障害、言語障害、認知機能の悪化、意識変容、発作等がある。ARIAを疑う症状が発現した場合にはMRI検査を実施すること。臨床試験で認められたARIA-Eの発現から消失までの中央値は約8週間であった。

    • (2)ARIA-Eについては、必要に応じてコルチコステロイド等による支持療法を行うこと。ARIA-Hの症状が認められた場合にはARIA-Eも併発していることが多いため、ARIA-E発現時と同様の処置を行うこと。

    • (3)ARIAは再発することがあるため、投与を再開した場合は、注意深く患者の状態を観察するとともに、定期的なMRI検査の実施を検討すること。

    • (4)ARIAが再発した患者において、本剤の投与を再開した経験は限られている。

  • 注1)AACQ試験における発現頻度の集計に基づき記載した(本剤を初回は350mg、2回目は700mg、3回目は1050mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与した)。

  • 注2)MRI中央読影で認められたARIA又は脳出血及び治験担当医師により報告されたARIA又は脳出血から頻度を算出した。

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上 頻度不明
胃腸障害 悪心注1) 嘔吐
神経系障害 頭痛注1)
  • 注1)AACQ試験における発現頻度の集計に基づき記載した(本剤を初回は350mg、2回目は700mg、3回目は1050mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与した)。

薬価

ケサンラ点滴静注液350mg 66948円/瓶

評価サマリー

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