アプルウェイ錠20mg

選択的SGLT2阻害剤−2型糖尿病治療剤−

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リスト同薬効薬剤
一般名 トホグリフロジン水和物
製造/販売 興和
剤形/規格
  • アプルウェイ錠20mg

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禁忌

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 2.2 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]

  • 2.3 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

効能・効果

  • 2型糖尿病

用法・容量

  • 通常、成人にはトホグリフロジンとして20mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1 本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。[9.1.2、11.1.1参照]

  • 8.2 本剤投与中は、血糖値等を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3ヵ月投与しても効果が不十分な場合には、より適切な治療法への変更を考慮すること。

  • 8.3 本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査するとともに、腎機能障害患者における治療にあたっては経過を十分に観察すること。[5.3、5.4、9.2.1、9.2.2参照]

  • 8.4 尿路感染及び性器感染を起こし、腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症等の重篤な感染症に至ることがある。十分な観察を行うなど尿路感染及び性器感染の発症に注意し、発症した場合には適切な処置を行うとともに、状態に応じて休薬等を考慮すること。尿路感染及び性器感染の症状及びその対処方法について患者に説明すること。[9.1.1、11.1.2参照]

  • 8.5 本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがある。また、体液量が減少することがあるので、適度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分に行うこと。特に体液量減少を起こしやすい患者(高齢者や利尿剤併用患者等)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意すること。[9.1.3、9.8、10.2、11.1.3参照]

  • 8.6 本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用により、血糖コントロールが良好であっても脂肪酸代謝が亢進し、ケトーシスがあらわれ、ケトアシドーシスに至ることがある。著しい血糖の上昇を伴わない場合があるため、以下の点に留意すること。

    • (1)悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等の症状が認められた場合には、血中又は尿中ケトン体測定を含む検査を実施すること。

    • (2)特に、インスリン分泌能の低下、インスリン製剤の減量や中止、過度な糖質摂取制限、食事摂取不良、感染症、脱水を伴う場合にはケトアシドーシスを発現しやすいので、観察を十分に行うこと。

    • (3)患者に対し、以下の点を指導すること。

      • ・ケトアシドーシスの症状(悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等)。

      • ・ケトアシドーシスの症状が認められた場合には直ちに医療機関を受診すること。

      • ・血糖値が高値でなくともケトアシドーシスが発現しうること。

      • [11.1.4参照]

  • 8.7 排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈する患者においては、その治療を優先するとともに他剤での治療を考慮すること。

  • 8.8 本剤投与による体重減少が報告されているため、過度の体重減少に注意すること。

  • 8.9 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意すること。[11.1.1参照]

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 尿路感染、性器感染のある患者

      • 症状を悪化させるおそれがある。[8.4、11.1.2参照]

    • 9.1.2 低血糖を起こすおそれがある以下の患者又は状態

      • ・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全

      • ・栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態

      • ・激しい筋肉運動

      • ・過度のアルコール摂取

      • [8.1、11.1.1参照]

    • 9.1.3 脱水を起こしやすい以下の患者

      • ・血糖コントロールが極めて不良の患者

      • ・高齢者

      • ・利尿剤併用患者

      • [8.5、10.2、11.1.3参照]

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 9.2.1 重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者

      • 投与しないこと。本剤の効果が期待できない。[5.3、8.3、16.6.1参照]

    • 9.2.2 中等度の腎機能障害のある患者

      • 投与の必要性を慎重に判断すること。本剤の効果が十分に得られない可能性がある。[5.4、8.3、16.6.1、17.1.3参照]

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 重度の肝機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用すること。類薬の動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる幼若動物への曝露により、腎盂及び尿細管の拡張が報告されている。また、動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。

  • 9.6 授乳婦

    • 授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

  • 9.7 小児等

    • 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

  • 9.8 高齢者

    • 脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそれがある。[8.5、11.1.3参照]

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
糖尿病用薬スルホニルウレア剤速効型インスリン分泌促進薬α-グルコシダーゼ阻害剤ビグアナイド系薬剤チアゾリジン系薬剤DPP-4阻害薬インスリン製剤GLP-1受容体作動薬等[11.1.1参照] 低血糖が起こるおそれがある。特にスルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖発現のリスクが増加するおそれがあることから、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤の減量を検討すること。 血糖降下作用の増強による。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血糖降下作用を増強する薬剤β-遮断薬サリチル酸剤モノアミン酸化酵素阻害剤フィブラート系薬剤等[11.1.1参照] 低血糖が起こるおそれがある。血糖値、その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること。 血糖降下作用の増強による。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血糖降下作用を減弱する薬剤副腎皮質ホルモン甲状腺ホルモン等 血糖が上昇するおそれがある。血糖値、その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること。 血糖降下作用の減弱による。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
利尿作用を有する薬剤ループ利尿剤チアジド系利尿剤等[8.5、9.1.3、11.1.3参照] 必要に応じ利尿剤の用量を調整するなど注意するとともに、血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム濃度等を確認し、脱水症状の発現に注意すること。 本剤との併用により、利尿作用が増強されるおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
プロベネシド[16.7.1参照] 併用すると本剤のCmaxが1.22倍、AUCが2.33倍に増加する。 機序は不明である。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 低血糖(1.5〜38.6%)

    • 低血糖(初期症状:脱力感、高度の空腹感、発汗等)があらわれることがある。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取させるなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。[8.1、8.9、9.1.2、10.2、17.1.1、17.1.2、17.2.1、17.2.2参照]

  • 11.1.2 腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症(いずれも頻度不明)

    • 腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがある。[8.4、9.1.1参照]

  • 11.1.3 脱水(頻度不明)

    • 口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されているので、十分注意すること。[8.5、9.1.3、9.8、10.2参照]

  • 11.1.4 ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)(頻度不明)[8.6参照]

  • 注)発現頻度は、承認用量以外の投与での頻度を含む。

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上 1〜5%未満 1%未満 頻度不明
皮膚 発疹 そう痒症
腎臓 頻尿 尿路感染、尿量増加、尿中ケトン体陽性 尿路結石、夜間頻尿、尿中β2ミクログロブリン増加
消化器 便秘、空腹 下痢、腹痛
精神神経系 めまい 頭痛
生殖器 性器感染(外陰部膣カンジダ症等) 陰部そう痒症
循環器 血圧上昇、起立性低血圧
呼吸器 上気道炎
その他 血中ケトン体増加、口渇 倦怠感、体重減少
  • 注)発現頻度は、承認用量以外の投与での頻度を含む。

薬価

アプルウェイ錠20mg 191.6円/錠

評価サマリー

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効果の強さ

投稿日: 2015/01/09 参考率: 97%(37人/38人)

脳外科/60代/処方経験あり

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