本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、成人にはセバベルチニブとして1回20mgを1日2回食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
8.1 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[7.2、11.1.2参照]
8.2 間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部画像検査の実施等、患者の状態を十分に観察すること。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう説明すること。[7.2、11.1.3参照]
8.3 左室駆出率(LVEF)低下があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(LVEFの変動を含む)を十分に観察すること。[9.1.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 左室駆出率(LVEF)が低下している患者
LVEF低下を悪化させるおそれがある。[8.3参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)を有する患者
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血漿中濃度が上昇する可能性がある。なお、重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後1週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物において、HER2又はEGFRのシグナル伝達の欠損は、胚・胎児発育障害、胚致死及び出生後死亡に至ることが示されている。胚・胎児発生試験(妊娠ラット)において、臨床曝露量未満に相当する用量で、胎児体重の減少及び子宮重量の減少が認められている。[9.4.1、9.4.2参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、動物実験(ラット)で本剤又はその代謝物が乳汁中に移行するとの報告がある。乳児が乳汁を介して摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤は、主にCYP3A4によって代謝される。また、本剤はCYP1A1、CYP2C8、CYP3A、P-糖タンパク(P-gp)、MATE1及びMATE2-Kの阻害作用を示す。[16.4参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強いCYP3A阻害剤イトラコナゾール、クラリスロマイシン、コビシスタット含有製剤、リトナビル含有製剤等グレープフルーツ含有食品[7.3、16.7.1参照] | 本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 中程度のCYP3A阻害剤エリスロマイシン、ベラパミル、アプレピタント等 | 本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、併用する場合は患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強い又は中程度のCYP3A誘導剤カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン、ボセンタン等セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品[16.7.2参照] | 本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。 | これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3Aの基質となる薬剤シクロスポリン、キニジン、タクロリムス等[16.7.3参照] | これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、併用する場合は患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤がCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP1A1の基質となる薬剤リオシグアト、グラニセトロン等[16.7.5参照] | これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、併用する場合は患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤がCYP1A1を阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP2C8の基質となる薬剤レパグリニド、ピオグリタゾン、モンテルカスト等[16.7.5参照] | これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、併用する場合は患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤がCYP2C8を阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 治療域の狭いP-gpの基質となる薬剤ジゴキシン等[16.7.4参照] | これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、併用する場合は患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| MATE1及びMATE2-Kの基質となる薬剤メトホルミン、シスプラチン等[16.7.5参照] | これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、併用する場合は患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤がMATE1及びMATE2-Kを阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重度の下痢(13.9%)
脱水及び電解質失調を来すおそれがある。下痢の兆候又は排便回数の増加がみられた場合は、止瀉薬(ロペラミド等)の投与、補液等の適切な処置を行うとともに、本剤の休薬、減量又は中止を考慮すること。
11.1.2 肝機能障害(25.4%)[7.2、8.1参照]
11.1.3 間質性肺疾患(頻度不明)[7.2、8.2参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 20%以上 | 10〜20%未満 | 10%未満 | |
| 胃腸障害 | 下痢(72.7%)、口内炎(34.0%) | 悪心、嘔吐 | 腹痛 |
| 皮膚および皮下組織障害 | 発疹(67.0%)、爪囲炎(30.6%) | 皮膚乾燥、そう痒症 | 脱毛症、手掌・足底発赤知覚不全症候群 |
| 代謝および栄養障害 | 低カリウム血症(20.6%) | 食欲減退 | 低マグネシウム血症、高トリグリセリド血症、低リン血症、低アルブミン血症、低カルシウム血症、高血糖、低ナトリウム血症 |
| 臨床検査 | リパーゼ増加、アミラーゼ増加、体重減少 | 血中クレアチニン増加、ALP増加、血中尿素増加、糸球体濾過率減少 | |
| 血液およびリンパ系障害 | 貧血 | リンパ球減少、白血球減少、血小板減少、好中球減少 | |
| 一般・全身障害および投与部位の状態 | 疲労 | ||
| 心臓障害 | 心電図QT延長、頻脈、上室性期外収縮 | ||
| 眼障害 | ドライアイ、結膜炎、眼球乾燥症 | ||
| 腎および尿路障害 | 蛋白尿 |
ヒアニュオ錠10mg
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