高カロリー輸液用基本液
| 一般名 |
高カロリー輸液用基本液(9)−1
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| 製造/販売 | テルモ |
| 剤形/規格 |
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ビタミンB1を併用せずに高カロリー輸液療法を施行すると重篤なアシドーシスが発現することがあるので,必ずビタミンB1を併用すること.(「用法及び用量に関連する使用上の注意」の項参照)
ビタミンB1欠乏症と思われる重篤なアシドーシスが発現した場合には,直ちに100〜400mgのビタミンB1製剤を急速静脈内投与すること.
また,高カロリー輸液療法を施行中の患者では,基礎疾患及び合併症に起因するアシドーシスが発現することがあるので,症状があらわれた場合には高カロリー輸液療法を中断し,アルカリ化剤の投与等の処置を行うこと.
乳酸血症の患者[乳酸血症が悪化するおそれがある.]
高ナトリウム血症の患者[高ナトリウム血症が悪化するおそれがある.]
高クロール血症の患者[高クロール血症が悪化するおそれがある.]
高カリウム血症,乏尿,アジソン病,高窒素血症の患者[高カリウム血症が悪化又は誘発されるおそれがある.]
高リン血症,副甲状腺機能低下症の患者[高リン血症が悪化又は誘発されるおそれがある.]
高マグネシウム血症,甲状腺機能低下症の患者[高マグネシウム血症が悪化又は誘発されるおそれがある.]
高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症が悪化するおそれがある.]
肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者[混注するアミノ酸液により肝性昏睡が悪化又は誘発されるおそれがある.]
重篤な腎障害のある患者[混注するアミノ酸液により高窒素血症が誘発されるおそれがある.]
アミノ酸代謝異常のある患者[アミノ酸インバランスが助長されるおそれがある.]
遺伝性果糖不耐症の患者(ソルビトールを含有するアミノ酸注射液を混合した場合)[ソルビトールを配合するアミノ酸液を混合した場合,果糖尿,果糖血症が誘発されるおそれがある.]
経口,経腸管栄養補給が不能又は不十分で,経中心静脈栄養に頼らざるを得ない場合の水分,電解質,カロリー補給.
ハイカリックNC-L輸液
本剤は経中心静脈輸液療法の開始時で,耐糖能が不明の場合や耐糖能が低下している場合の開始液として,あるいは侵襲時等で耐糖能が低下しており,ブドウ糖を制限する必要がある場合の維持液として用いる.
本剤700mLにナトリウム及びクロールを含有しないか,あるいは含有量の少ない10〜12%アミノ酸注射液200〜300mLを加えてよく混合し,開始液又は維持液とする.
通常,成人1日1800〜2000mLの開始液又は維持液を24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する.
なお,年齢,症状,体重により適宜増減する.
本剤は高濃度のブドウ糖含有製剤なので,耐糖能,必要熱量,至適水分量等患者の病態を確認してから使用すること.
高血糖,尿糖のおそれがあるので,ブドウ糖濃度の低い製剤から開始するなどブドウ糖濃度を徐々に高めること.
ハイカリックNC-N輸液及びハイカリックNC-H輸液の急激な投与中止により低血糖を起こすおそれがあるので,投与を中止する場合には,ブドウ糖濃度の低い製剤を使用するなど,ブドウ糖濃度を徐々に下げること.
ハイカリックNC-L輸液は経中心静脈輸液療法の開始時で,耐糖能が不明の場合及び病態により耐糖能が低下している場合の開始液として使用する.また,糖尿病,侵襲等により耐糖能が低下しており,投与熱量を制限する必要がある場合には,経中心静脈輸液療法の維持液として使用する.
ハイカリックNC-N輸液は,通常の必要熱量の患者の維持液として使用する.
ハイカリックNC-H輸液は,必要熱量の高い患者の維持液として使用する.
菌血症の患者[カテーテルが二次感染巣となることがあり,敗血症さらには敗血症性ショックを起こすおそれがある.]
脱水症の患者[脱水症が悪化するおそれがある.]
腎疾患に基づく腎不全のある患者[腎不全病態が悪化するおそれがある.]
重症熱傷のある患者[高血糖が誘発され,脱水症状が悪化するおそれがある.]
高カリウム血症を伴わない腎不全のある患者[腎不全病態が悪化するおそれがある.]
心不全のある患者[心不全が悪化するおそれがある.]
閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者[水,電解質及び窒素代謝物が蓄積するおそれがある.]
糖尿病の患者[高血糖が悪化又は誘発されるおそれがある.]
尿崩症の患者[水,電解質異常が悪化又は誘発されるおそれがある.]
高度のアシドーシスのある患者[アシドーシスが悪化するおそれがある.]
膵炎,膵硬化症,膵腫瘍等の膵障害のある患者[高血糖が悪化又は誘発されるおそれがある.]
肝障害,腎障害のある患者(キシリトールを含有するアミノ酸注射液を混合した場合)[混注するキシリトールを含むアミノ酸液により肝障害,腎障害が悪化するおそれがある.]
調製時
本剤には必ず10〜12%アミノ酸注射液を混合して使用すること.
本剤にアミノ酸注射液を混合した後は,速やかに使用すること.
カルシウムを含有するため,クエン酸加血液を混合すると凝血を起こすおそれがあるので注意すること.
炭酸イオンと沈殿を生じるので,炭酸イオンを含む製剤と混合しないこと.
脂肪乳剤と混合しないこと.
抗生物質やその他の治療薬は原則として混合しないこと.
投与経路
末梢静脈内に点滴注入しないこと.
投与時
患者の尿量が1日500mL又は1時間当たり20mL以上あることが望ましい.
<使用前の注意>
内容液が漏れている場合や,内容液に混濁・浮遊物等の異常が認められるときは使用しないこと.
排出口をシールしているフィルムがはがれているときは使用しないこと.
<調製時の注意>
使用時には排出口をシールしているフィルムをはがすこと.
注射針は,無菌的操作により,ゴム栓の刻印部にまっすぐ刺通すること.斜めに刺すと,ゴム栓や排出口内壁の削り片が薬液中に混入したり,容器を刺通し液漏れの原因となったりすることがある.
薬剤を配合するときには,よく転倒混和し,配合変化に注意すること.
本品に通気針(エア針)は不要である.
輸液セット等のびん針を接続する際は,ゴム栓の刻印部にまっすぐ刺通すること.
連結管を用いた2バッグ以上の連続投与は原則として行わないこと.
個包装を開封したまま保管すると,内容液が変質する可能性があるので,速やかに使用すること.
<ソフトバッグの取扱い上の注意>
本品は軟らかいプラスチックのバッグなので,鋭利なもの等で傷つけないこと.液漏れの原因となる.
容器の目盛りは目安として使用すること.
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強心配糖体 | ジギタリス中毒を起こすおそれがある | 輸液成分中のカルシウムによる |
再審査終了時,総症例3171例中(臨床試験436例,使用成績調査2735例)182例(5.74%)に副作用が認められた.主な副作用は,高血糖69件(2.18%),高カリウム血症50件(1.58%),肝機能異常28件(0.88%)であった.
アシドーシス
重篤なアシドーシスがあらわれることがある(「警告」の項参照).
高血糖
本剤は高濃度のブドウ糖含有製剤なので,ときに過度の高血糖,高浸透圧利尿,口渇があらわれるので,このような症状があらわれた場合にはインスリン投与等の適切な処置を行うこと.
副作用が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
| 頻度不明 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
| 肝機能障害 | 肝機能異常 |
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| 代謝・栄養障害 | 高カリウム血症 |
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| 泌尿器系障害 | 腎機能障害 | ||
| その他 | 脳浮腫 |
ハイカリックNC−L輸液 338円/袋
ハイカリックNC−N輸液 388円/袋
ハイカリックNC−H輸液 408円/袋
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