ユリーフ

選択的α1A遮断薬

4.12281(1件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 シロドシン
製造/販売 キッセイ薬品工業 / 第一三共
剤形/規格
  • ユリーフ錠2mg
  • ユリーフ錠4mg

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禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 前立腺肥大症に伴う排尿障害

用法・容量

  • 通常,成人にはシロドシンとして1回4mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。なお,症状に応じて適宜減量する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 射精障害(逆行性射精等)が認められているので,本剤の投与にあたっては射精障害に関する説明を十分に行い,患者の理解を得た上で使用すること。(「副作用」の項参照)

  • 起立性低血圧があらわれることがあるので,体位変換による血圧変化に注意すること。

  • めまいなどがあらわれることがあるので,高所作業,自動車の運転など危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。

  • 本剤投与開始時に降圧剤投与の有無について問診を行い,降圧剤が投与されている場合には血圧変化に注意し,血圧低下がみられたときには,減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 本剤による治療は原因療法ではなく,対症療法であることに留意し,本剤投与により期待する効果が得られない場合は,手術療法など,他の適切な処置を考慮すること。

慎重投与

  • 起立性低血圧のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

  • 肝機能障害のある患者[血漿中濃度が上昇するおそれがある。(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)]

  • 腎機能障害のある患者[血漿中濃度が上昇することが報告されている。(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)]

  • ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤を服用している患者(「相互作用」の項参照)

適用上の注意

  • 薬剤交付時

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

  • α

    1

    遮断薬を服用中又は過去に服用経験のある患者において,α

    1

    遮断作用によると考えられる術中虹彩緊張低下症候群(Intraoperative Floppy Iris Syndrome)があらわれるとの報告がある。

  • マウスでの104週間投与試験において,20mg/kg/日以上の投与群で精嚢腺拡張の頻度の上昇が認められたとの報告がある。

  • ラットでの受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験において,200mg/kg/日以上の投与群で精細管に精子細胞の脱落が,600mg/kg/日投与群で精細管の萎縮・変性,精子生存率及び精子数の減少が認められたとの報告がある。

相互作用

相互作用序文

  • シロドシンは主としてチトクロームP450 3A4(CYP3A4),UDP-グルクロン酸転移酵素,アルコール脱水素酵素及びアルデヒド脱水素酵素により代謝される。(「薬物動態」の項参照)

  • CYP3A4活性を強力に阻害する薬剤との併用により,シロドシンの代謝が阻害され,血漿中濃度が上昇する可能性がある。

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

薬物代謝酵素用語

UDP-グルクロン酸転移酵素

薬物代謝酵素用語

アルコール脱水素酵素

薬物代謝酵素用語

アルデヒド脱水素酵素

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
降圧剤 起立性低血圧があらわれることがあるので,減量するなど注意すること。 降圧剤服用中の患者は起立時の血圧調節力が低下している場合がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アゾール系抗真菌剤イトラコナゾール等 強力にCYP3A4を阻害するケトコナゾール(経口剤:国内未発売)との併用によりシロドシンの血漿中濃度の上昇が認められている。(「薬物動態」の項参照)アゾール系抗真菌剤との併用により,シロドシンの血漿中濃度が上昇するおそれがあるので,減量するなど注意すること。 アゾール系抗真菌剤はCYP3A4を阻害することから,これらの薬剤との併用時には,シロドシンの血漿中濃度が上昇するおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤シルデナフィルクエン酸塩,バルデナフィル塩酸塩水和物等 併用により症候性低血圧があらわれるとの報告がある。 本剤はα遮断作用を有するため,併用によりこれらの血管拡張作用による降圧作用を増強するおそれがある。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 排尿障害患者対象臨床試験の総症例873例中,副作用は391例(44.8%)で認められた。その主なものは,射精障害(逆行性射精等)150例(17.2%),口渇50例(5.7%),下痢35例(4.0%),軟便34例(3.9%),立ちくらみ31例(3.6%),鼻閉29例(3.3%),めまい23例(2.6%),ふらつき22例(2.5%),頭痛19例(2.2%)などであった。また,臨床検査値の異常変動は,総症例853例中185例(21.7%)で認められた。その主なものは,トリグリセリド上昇62例(7.4%),CRP上昇21例(3.9%),ALT(GPT)上昇20例(2.3%),AST(GOT)上昇19例(2.2%),γ-GTP上昇19例(2.2%)などであった。

  • なお,第III相二重盲検比較試験では射精障害(逆行性射精等)が175例中39例(22.3%)で認められた。〔カプセル承認時〕
  • 製造販売後に実施された使用成績調査及び特定使用成績調査(長期)の安全性解析対象症例7,851例中,副作用は887例(11.3%)で認められた。その主なものは,射精障害(逆行性射精等)255例(3.2%),下痢・軟便207例(2.6%),めまい・ふらつき85例(1.1%),鼻閉81例(1.0%),口渇64例(0.8%),立ちくらみ60例(0.8%)などであった。〔再審査終了時〕

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 失神・意識喪失(0.1%未満注)

    血圧低下に伴う一過性の意識喪失等があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し適切な処置を行うこと。

  • 肝機能障害,黄疸(いずれも0.1%未満注)

    AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。

  • 注)承認後の製造販売後調査の結果に基づく。

その他の副作用

  • 下記の副作用があらわれることがあるので,異常が認められた場合には必要に応じ減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明 注1) 5%以上 1〜5%未満 1%未満
泌尿・生殖器 射精障害(逆行性射精等) インポテンス,尿失禁
消化器 口渇 胃不快感,下痢,軟便,便秘 口内炎注2)嘔吐,嘔気,食欲不振,胃痛,腹痛,腹部膨満感,上腹部異和感,下腹部痛,胃潰瘍,胃炎,萎縮性胃炎,胸やけ,胃もたれ感,十二指腸潰瘍,放屁増加,排便回数増加,残便感,肛門不快感
精神神経系 めまい,立ちくらみ,ふらつき,頭痛 肩こり,頭がボーとする感じ,眠気,性欲減退,頭重感,しびれ注2)
呼吸器 鼻出血,鼻閉 鼻汁,咳
循環器 心房細動,動悸,頻脈,不整脈,上室性期外収縮,起立性低血圧,血圧低下,血圧上昇
過敏症 口唇腫脹,舌腫脹,咽頭浮腫 発疹,皮疹,湿疹,蕁麻疹,そう痒感,顔面腫脹注2),眼瞼浮腫注2)
術中虹彩緊張低下症候群(IFIS) 眼の充血,目のかゆみ,結膜出血,かすみ目注2)
肝臓 AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,γ-GTP上昇,総ビリルビン上昇,Al-P上昇,LDH上昇
腎臓 BUN上昇,クレアチニン上昇
血液 白血球数減少,赤血球数減少,血色素量減少,ヘマトクリット値減少 白血球数増多,血小板数減少
その他 トリグリセリド上昇 倦怠感,CRP上昇,総コレステロール上昇,尿糖上昇,尿沈渣上昇 顔のほてり,耳鳴,苦味,胸痛,腰痛,下肢脱力感,発汗,ほてり,気分不良,血清カリウム値上昇,総蛋白低下,前立腺特異抗原増加,尿酸上昇,尿蛋白上昇,浮腫注2),女性化乳房注2)
  • 注1)「頻度不明」は自発報告のため。
  • 注2)発現頻度は承認後の製造販売後調査の結果に基づく。

薬価

ユリーフ錠2mg 41.7円/錠
ユリーフ錠4mg 81.3円/錠

評価サマリー

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効果の強さ

投稿日: 2021/05/03 参考率: 96%(49人/51人)

泌尿器科/60代/処方経験あり

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