チアミン塩化物塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者
高カリウム血症、アジソン病の患者[高カリウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]
高リン血症、副甲状腺機能低下症の患者[高リン血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]
高マグネシウム血症、甲状腺機能低下症の患者[高マグネシウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]
高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症が悪化するおそれがある。]
アミノ酸代謝異常のある患者[投与されたアミノ酸が代謝されず、アミノ酸インバランスが助長されるおそれがある。]
高度のアシドーシス(高乳酸血症)のある患者[アシドーシスが悪化するおそれがある。]
うっ血性心不全の患者[循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。]
閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者[水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。]
重篤な腎障害のある患者又は高窒素血症の患者(いずれも透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)[水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。また、アミノ酸の代謝産物である尿素等が滞留し、症状が悪化するおそれがある。][8.2、9.2.1、9.2.2参照]
乏尿のある患者(透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)[高カリウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。][8.2、9.2.1、9.2.2参照]
肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者[9.3.1参照]
下記状態時のアミノ酸、電解質、ビタミンB
1及び水分の補給
○経口摂取不十分で、軽度の低蛋白血症又は軽度の低栄養状態にある場合
○手術前後
用時に隔壁を開通して大室液と小室液をよく混合する。
通常、成人には1回500mLを末梢静脈内に点滴静注する。
投与速度は通常、成人500mL当たり120分を基準とし、高齢者、重篤な患者には更に緩徐に注入する。
なお、年齢、症状、体重により適宜増減するが、最大投与量は1日2500mLまでとする。
本剤は500mL当たりビタミンB
1のみをチアミン塩化物塩酸塩として1mg配合しているが、患者の状態に応じて、他のビタミンを投与(ビタミンB
1の追加投与を含め)すること。
透析又は血液ろ過を実施している重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者における、水分、電解質、尿素等の除去量、蓄積量は透析の方法及び病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始及び継続の可否を判断すること。[2.10、2.11、9.2.2参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 アシドーシスのある患者
アシドーシスが悪化するおそれがある。
9.1.2 糖尿病の患者
血糖値が上昇することにより、症状が悪化するおそれがある。
9.1.3 心臓、循環器系に機能障害のある患者
循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者(いずれも透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)
投与しないこと。[2.10、2.11参照]
9.2.2 透析又は血液ろ過を実施している重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者
水分、電解質の過剰投与や、アミノ酸の代謝産物である尿素等の滞留がおこるおそれがある。[2.10、2.11、8.2参照]
9.2.3 腎障害のある患者(重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者を除く)
水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者
投与しないこと。アミノ酸の代謝が十分に行われないため、症状が悪化する又は誘発されるおそれがある。[2.12参照]
9.3.2 肝障害のある患者(肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者を除く)
水分、電解質代謝異常が悪化する又は誘発されるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 全般的な注意
使用時には、感染に対する配慮をすること。
注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(凹部)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある。また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。
14.2 薬剤調製時の注意
14.2.1 調製手順
(1)用時に外袋を開封し、容器を取り出す。
(2)大室を両手で強く押し、大室と小室の間の隔壁を開通させる。
(3)開通操作後は隔壁が開通していることを確認する。
(4)両手で容器を持ち、転倒操作により十分に混合する。
薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。
14.3 薬剤投与時の注意
血管痛があらわれた場合には、注射部位を変更すること。また、場合によっては投与を中止すること。
血管外漏出が原因と考えられる皮膚壊死、潰瘍形成が報告されているので、点滴部位の観察を十分に行い、発赤、浸潤、腫脹などの血管外漏出の徴候があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ビタミンの光分解を防ぐため、遮光カバーを用いるなど十分に注意すること。
原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと。輸液セット内に空気が流入するおそれがある。
容器の目盛りは目安として使用すること。
残液は使用しないこと。
液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
品質保持のために遮光性及びガスバリア性の外袋で包装し、脱酸素剤を封入しているので、外袋は使用時まで開封しないこと。
以下の場合には使用しないこと。
・外袋が破損している場合
・外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合
・容器から薬液が漏れている場合
・容器を振とうしても溶解しない結晶が認められる場合
・性状その他薬液に異状が認められる場合
・ゴム栓部のシールがはがれている場合
・隔壁を開通する前に、既に隔壁が開通している場合
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)
血圧低下、胸内苦悶、呼吸困難等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上 | 0.1〜5%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 | 発疹等 | ||
肝臓 | γ-GTP増加 | 肝機能異常、AST増加、ALT増加、Al-P増加 | |
代謝異常 | 血中トリグリセリド増加 | ||
循環器 | 胸部不快感、動悸 | ||
電解質異常 | 血中カリウム増加 | ||
大量・急速投与 | アシドーシス、脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫、高カリウム血症、水中毒 | ||
その他 | 血管痛、静脈炎、注入部位紅斑、注入部位疼痛、注入部位腫脹 | 注入部位硬結、血管炎 | 悪寒、発熱、熱感、頭痛 |
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