本剤と硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を下降させることがあるので、本剤投与の前に、硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤が投与されていないことを十分確認し、本剤投与中及び投与後においても硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤が投与されないよう十分注意すること。[2.2、10.1参照]
心筋梗塞等の重篤な心血管系等の有害事象が報告されているので、本剤投与の前に、心血管系障害の有無等を十分確認すること。[2.3、2.5、2.8、2.9、8.1、11.2参照]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)を投与中の患者[1.1、10.1参照]
心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者[1.2、8.1参照]
先天性のQT延長患者(QT延長症候群)、クラスIA(キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド(経口剤)、シベンゾリン、ピルメノール)又はクラスIII(アミオダロン(経口剤)、ソタロール)の抗不整脈薬を投与中の患者[8.2、10.1参照]
脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ヵ月以内にある患者[1.2、8.1参照]
重度の肝障害のある患者[9.3.1参照]
血液透析が必要な腎障害のある患者[9.2.1参照]
低血圧(安静時収縮期血圧<90mmHg)又は治療による管理がなされていない高血圧(安静時収縮期血圧>170mmHg又は安静時拡張期血圧>100mmHg)患者[1.2、8.1参照]
不安定狭心症のある患者[1.2、8.1参照]
網膜色素変性症患者[網膜色素変性症の患者にはホスホジエステラーゼ(PDE)の遺伝的障害を持つ症例が少数認められる。]
勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持が出来ない患者)
通常、成人には1日1回バルデナフィルとして10mgを性行為の約1時間前に経口投与する。10mgの投与で十分な効果が得られず、忍容性が良好と判断された器質性又は混合型勃起不全患者に対しては、20mgに増量することができる。
高齢者(65歳以上)、中等度の肝障害のある患者については、本剤の血漿中濃度が上昇することが認められているので、5mgを開始用量とし、最高用量は10mgとする。
1日の投与は1回とし、投与間隔は24時間以上とすること。
性行為は心臓へのリスクを伴うため、勃起不全の治療を開始する前に心血管系の状態に注意を払うこと。本剤は血管拡張作用を有するため一過性の軽度な血圧低下があらわれる場合がある。[1.2、2.3、2.5、2.8、2.9参照]
臨床薬理試験において本剤投与によるQTc延長がみられていることから、心血管系障害又は肝障害のある患者に対しては、本剤投与中に必要に応じて心電図検査を実施することが望ましい。[2.4、17.3.1参照]
4時間以上の勃起の延長又は持続勃起(6時間以上持続する痛みを伴う勃起)が外国臨床試験で少数例報告されている。持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合には直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。
臨床試験において、めまいや視覚障害が認められているので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
本剤投与後に急激な視力低下又は急激な視力喪失があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、速やかに眼科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること。[15.1.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 陰茎の構造上欠陥(屈曲、陰茎の線維化、Peyronie病等)のある患者
性行為が困難であり痛みを伴う可能性がある。
9.1.3 PDE5阻害薬又は他の勃起不全治療薬を投与中の患者
これらの薬剤との併用使用の経験がない。
9.1.4 出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者
ニトロプルシドナトリウム(NO供与剤)の血小板凝集抑制作用を増強することが認められている。出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者に対する安全性は確立していない。
9.1.5 大動脈弁狭窄症、特発性肥大性大動脈弁下狭窄症等、左室流出路の閉塞のある患者
本剤の血管拡張作用による影響を受ける場合がある。心血管系の状態によって性行為が望ましくない患者には勃起不全治療薬の使用は行うべきではない。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 血液透析が必要な腎障害のある患者
投与しないこと。安全性が検討されていない。[2.7参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝障害のある患者
投与しないこと。本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。[2.6、16.6.2参照]
9.3.2 中等度の肝障害のある患者
低用量(5mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること。Child-Pugh分類Bの患者で本剤の血漿中濃度が上昇することが認められている。[16.6.2参照]
9.8 高齢者
低用量(5mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること。本剤の血漿中濃度が上昇することがある。[16.6.3参照]
13.1 処置
特異的な解毒薬はない。また、本剤は血漿タンパク結合率が高く、尿中排泄率が低いため腎透析によるクリアランスの促進は期待できない。
14.1 薬剤交付時の注意
本剤には性行為感染症を防ぐ効果はない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害薬投与中に、まれに、視力低下や視力喪失の原因となりうる非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の発現が報告されている。これらの患者の多くは、NAIONの危険因子[年齢(50歳以上)、糖尿病、高血圧、冠動脈障害、高脂血症、喫煙等]を有していた。
外国において、NAIONを発現した45歳以上の男性を対象として実施された自己対照研究では、PDE5阻害薬の投与から消失半減期(t
1/2)の5倍の期間内(バルデナフィルの場合約1日以内に相当)は、NAION発現リスクが約2倍になることが報告されている
。[8.5参照]
薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害薬投与後に、まれに、痙攣発作の発現が報告されている
。
薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害薬投与後に、まれに、急激な聴力低下又は突発性難聴が報告されている。これらの患者では、耳鳴りやめまいを伴うことがある。
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
本剤は、主にチトクロームP450 3A4(CYP3A4)により代謝される。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
硝酸剤及びNO供与剤ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等[1.1、2.2参照] | 併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を下降させることがある。 | NOはcGMPの産生を刺激し、一方、本剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介するNOの降圧作用が増強する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
リオシグアト(アデムパス)[2.10参照] | 症候性低血圧を起こすことがある。 | 細胞内cGMP濃度が増加し、全身血圧に相加的な影響を及ぼすおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A4を阻害する薬剤リトナビル(ノービア)[2.10、16.7.1参照] | 本剤のAUC0-24が49倍に増加し、Cmaxが13倍に上昇し、半減期が10倍に延長するとの報告がある。 | CYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A4を阻害する薬剤 アタザナビル(レイアタッツ) ホスアンプレナビル(レクシヴァ) ロピナビル・リトナビル(カレトラ) ダルナビルを含有する製剤(プリジスタ、プレジコビックス、シムツーザ) [2.10参照] | 本剤の血漿中濃度が上昇し、半減期が延長するおそれがある。 | CYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A4を阻害する薬剤ケトコナゾール(外用剤を除く)(経口剤は国内未発売)イトラコナゾール(イトリゾール)[2.10、16.7.2参照] | 本剤のAUCが10倍に増加し、Cmaxが4倍に上昇するとの報告がある。 | CYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A4を阻害する薬剤 コビシスタットを含有する製剤(スタリビルド、ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ) [2.10参照] | 本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。 | コビシスタットのCYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
クラスIA抗不整脈薬キニジン、プロカインアミド(アミサリン)、ジソピラミド(リスモダン(経口剤))、シベンゾリン(シベノール)、ピルメノール(ピメノール)クラスIII抗不整脈薬アミオダロン(アンカロン(経口剤))、ソタロール(ソタコール)[2.4、17.3.1参照] | 本剤の心臓伝導系への影響を検討する臨床薬理試験において本剤投与によるQTc延長がみられている。 | これらの薬剤はいずれもQTc延長作用がみられている。本剤を併用した場合、相加的なQTc延長がみられるおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A4を阻害する薬剤マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン等)[7.1、16.7.3参照] | エリスロマイシンで、本剤のAUCが4倍に増加し、Cmaxが3倍に上昇するとの報告がある。 | CYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A4を阻害する薬剤ビカルタミド | 本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。 | CYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A4を誘導する薬剤リファンピシン等 | 本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。 | CYP3A4誘導によりクリアランスが増加する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
カルペリチド | 併用により、降圧作用が増強するおそれがある。 | 本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用が増強するおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
α遮断薬テラゾシン、タムスロシン等[7.2、16.7.4、16.7.5参照] | 併用により、症候性低血圧があらわれるおそれがあるので、α遮断薬と併用する場合には、α遮断薬との投与間隔を考慮すること 。 | 本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用が増強する。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1%以上 | 0.1〜1%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
循環器 | ほてり(10.6%)、心悸亢進 | 頻脈、高血圧 | 失神、低血圧、顔面浮腫、心筋虚血、心筋梗塞注) | 起立性低血圧、狭心症 |
精神神経系 | 頭痛(11.7%)、めまい | 不眠症、異常感覚、傾眠、眩暈、感覚鈍麻 | 不安、緊張亢進、一過性全健忘 | |
肝臓 | 肝機能検査異常、γ-GTP上昇 | |||
呼吸器 | 鼻閉 | 副鼻腔うっ血、呼吸困難、鼻出血 | ||
筋・骨格系 | 背部痛、筋肉痛 | 関節痛、頸部痛 | ||
皮膚 | 紅斑、発汗、そう痒、光線過敏性反応、発疹 | |||
消化器 | 消化不良、嘔気 | 腹痛、口内乾燥、下痢、胃炎、嘔吐、胃食道逆流 | 嚥下障害、食道炎 | |
感覚器 | 視覚異常、結膜炎、霧視、羞明、彩視症、眼痛、耳鳴、流涙 | 緑内障 | ||
その他 | CK上昇、灼熱感、無力症、胸痛、異常感、勃起増強(勃起時疼痛等) | インフルエンザ症候群、射精障害、アナフィラキシー反応、持続勃起 |
注)因果関係は明らかではないが、本剤投与後に心筋梗塞が発症したことが報告されている。[1.2参照]
レビトラ錠5mg
レビトラ錠10mg
レビトラ錠20mg
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