ケナコルト−A筋注用関節腔内用水懸注40mg/1mL

合成副腎皮質ホルモン剤

3.0(1件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 トリアムシノロンアセトニド
製造/販売 ブリストル・マイヤーズスクイブ
剤形/規格
  • ケナコルト−A筋注...

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禁忌

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 2.2 感染症のある関節腔内、滑液のう内、腱鞘内又は腱周囲[免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。]

  • 2.3 動揺関節の関節腔内[関節症状が増悪するおそれがある。]

  • 2.4 デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者[10.1参照]

効能・効果

  • <筋肉内注射>

    • ○慢性副腎皮質機能不全(原発性、続発性、下垂体性、医原性)、副腎性器症候群、亜急性甲状腺炎、甲状腺中毒症〔甲状腺(中毒性)クリーゼ〕

    • ○関節リウマチ、若年性関節リウマチ(スチル病を含む)、リウマチ熱(リウマチ性心炎を含む)、リウマチ性多発筋痛

    • ○エリテマトーデス(全身性及び慢性円板状)、全身性血管炎(高安動脈炎、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症を含む)、多発性筋炎(皮膚筋炎)、強皮症

    • ネフローゼ及びネフローゼ症候群

    • うっ血性心不全

    • ○気管支喘息(但し、筋肉内注射以外の投与法では不適当な場合に限る)、薬剤その他の化学物質によるアレルギー・中毒(薬疹、中毒疹を含む)、血清病

    • 重症感染症(化学療法と併用する)

    • 溶血性貧血(免疫性又は免疫性機序の疑われるもの)、白血病(急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、慢性リンパ性白血病)(皮膚白血病を含む)、顆粒球減少症(本態性、続発性)、紫斑病(血小板減少性及び血小板非減少性)、再生不良性貧血、凝固因子の障害による出血性素因

    • 限局性腸炎、潰瘍性大腸炎

    • 重症消耗性疾患の全身状態の改善(癌末期、スプルーを含む)

    • 肝硬変(活動型、難治性腹水を伴うもの、胆汁うっ滞を伴うもの)

    • 脳脊髄炎(脳炎、脊髄炎を含む)(但し、一次性脳炎の場合は頭蓋内圧亢進症状がみられ、かつ他剤で効果が不十分なときに短期間用いること)、末梢神経炎(ギランバレー症候群を含む)、重症筋無力症、多発性硬化症(視束脊髄炎を含む)、小舞踏病、顔面神経麻痺、脊髄蜘網膜炎

    • 悪性リンパ腫(リンパ肉腫症、細網肉腫症、ホジキン病、皮膚細網症、菌状息肉症)及び類似疾患(近縁疾患)、好酸性肉芽腫、乳癌の再発転移

    • 特発性低血糖症

    • ○副腎摘除、臓器・組織移植、副腎皮質機能不全患者に対する外科的侵襲

    • 蛇毒・昆虫毒(重症の虫さされを含む)

    • ○強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)

    • 卵管整形術後の癒着防止

    • 前立腺癌(他の療法が無効な場合)

    • ★*湿疹・皮膚炎群(急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹、接触皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、アトピー皮膚炎、乳・幼・小児湿疹、ビダール苔癬、その他の神経皮膚炎、脂漏性皮膚炎、進行性指掌角皮症、その他の手指の皮膚炎、陰部あるいは肛門湿疹、耳介及び外耳道の湿疹・皮膚炎、鼻前庭及び鼻翼周辺の湿疹・皮膚炎など)(但し、重症例以外は極力投与しないこと)、★*痒疹群(小児ストロフルス、蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を含む)(但し、重症例に限る。また、固定蕁麻疹は局注が望ましい)、蕁麻疹(慢性例を除く)(重症例に限る)、★*乾癬及び類症〔尋常性乾癬(重症例)、乾癬性関節炎、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、稽留性肢端皮膚炎、疱疹状膿痂疹、ライター症候群〕、★*掌蹠膿疱症(重症例に限る)、★*扁平苔癬(重症例に限る)、成年性浮腫性硬化症、紅斑症(多形滲出性紅斑、結節性紅斑)(但し、多形滲出性紅斑の場合は重症例に限る)、粘膜皮膚眼症候群〔開口部びらん性外皮症、スチブンス・ジョンソン病、皮膚口内炎、フックス症候群、ベーチェット病(眼症状のない場合)、リップシュッツ急性陰門潰瘍〕、天疱瘡群(尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、Senear-Usher症候群、増殖性天疱瘡)、デューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡、妊娠性疱疹を含む)、帯状疱疹(重症例に限る)、★*紅皮症(ヘブラ紅色粃糠疹を含む)

    • 内眼・視神経・眼窩・眼筋の炎症性疾患の対症療法(ブドウ膜炎、網脈絡膜炎、網膜血管炎、視神経炎、眼窩炎性偽腫瘍、眼窩漏斗尖端部症候群、眼筋麻痺)、外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法で点眼が不適当又は不十分な場合(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、虹彩毛様体炎)

    • 急性・慢性中耳炎、滲出性中耳炎・耳管狭窄症、アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、副鼻腔炎・鼻茸、喉頭炎・喉頭浮腫、喉頭ポリープ・結節、食道の炎症(腐蝕性食道炎、直達鏡使用後)及び食道拡張術後、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法

    • ○口腔外科領域手術後の後療法

  • <関節腔内注射>

    • ○関節リウマチ、若年性関節リウマチ(スチル病を含む)

    • ○強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)に伴う四肢関節炎、変形性関節症(炎症症状がはっきり認められる場合)、外傷後関節炎、非感染性慢性関節炎

  • <軟組織内注射>

    • ○関節周囲炎(非感染性のものに限る)、腱炎(非感染性のものに限る)、腱周囲炎(非感染性のものに限る)

    • ○耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法

    • ○難治性口内炎及び舌炎(局所療法で治癒しないもの)

  • <腱鞘内注射>

    • ○関節周囲炎(非感染性のものに限る)、腱炎(非感染性のものに限る)、腱鞘炎(非感染性のものに限る)、腱周囲炎(非感染性のものに限る)

  • <滑液のう内注入>

    • ○関節周囲炎(非感染性のものに限る)、腱周囲炎(非感染性のものに限る)、滑液包炎(非感染性のものに限る)

  • <ネブライザー>

    • ○気管支喘息

    • ○びまん性間質性肺炎(肺線維症)(放射線肺臓炎を含む)

    • ○アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、副鼻腔炎・鼻茸、喉頭炎・喉頭浮腫、喉頭ポリープ・結節、食道の炎症(腐蝕性食道炎、直達鏡使用後)及び食道拡張術後、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法

  • <鼻腔内注入>

    • ○アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、副鼻腔炎・鼻茸、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法

  • <副鼻腔内注入>

    • ○副鼻腔炎・鼻茸、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法

  • <鼻甲介内注射>

    • ○アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法

  • <鼻茸内注射>

    • ○副鼻腔炎・鼻茸

  • <喉頭・気管注入>

    • ○喉頭炎・喉頭浮腫、喉頭ポリープ・結節、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法

  • <中耳腔内注入>

    • ○急性・慢性中耳炎、滲出性中耳炎・耳管狭窄症、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法

  • <耳管内注入>

    • ○滲出性中耳炎・耳管狭窄症

  • <食道注入>

    • ○食道の炎症(腐蝕性食道炎、直達鏡使用後)及び食道拡張術後、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法

  • *印 経口投与不能時にのみ用いること

  • ★印 外用剤を用いても効果が不十分な場合あるいは十分な効果を期待し得ないと推定される場合にのみ用いること

用法・容量

  • <筋肉内注射>

    • 通常、成人にはトリアムシノロンアセトニドとして1回20〜80mgを1〜2週おきに筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • <関節腔内注射、軟組織内注射、腱鞘内注射、滑液のう内注入>

    • 通常、成人にはトリアムシノロンアセトニドとして1回2〜40mgを関節腔内注射、軟組織内注射、腱鞘内注射又は滑液のう内注入する。原則として投与間隔を2週間以上とすること。なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • <ネブライザー>

    • 通常、成人にはトリアムシノロンアセトニドとして1回2〜10mgを1日1〜3回ネブライザーで投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • <鼻腔内注入、副鼻腔内注入、喉頭・気管注入、中耳腔内注入、耳管内注入>

    • 通常、成人にはトリアムシノロンアセトニドとして1回2〜10mgを1日1〜3回鼻腔内注入、副鼻腔内注入、喉頭あるいは気管注入、中耳腔内注入又は耳管内注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • <鼻甲介内注射、鼻茸内注射>

    • 通常、成人にはトリアムシノロンアセトニドとして1回2〜40mgを鼻甲介内注射又は鼻茸内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • <食道注入>

    • 通常、成人にはトリアムシノロンアセトニドとして1回2mgを食道注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

注意事項

重要な基本的注意

  • <効能共通>

    • 8.1 本剤の投与により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、次の注意が必要である。

      • 8.1.1 投与に際しては特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できる場合には、本剤を投与しないこと。また、局所的投与で十分な場合には、局所療法を行うこと。

      • 8.1.2 投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には増量するなど適切な処置を行うこと。

      • 8.1.3 連用後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量すること。

    • 8.2 特に、本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である。

      • 8.2.1 本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。

      • 8.2.2 水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。

      • 8.2.3 水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。

    • 8.3 筋肉内注射時には、注射液が脂肪層に逆流し、萎縮による皮膚陥没を起こすことがある。患者に対して、このことをあらかじめ説明するとともに、注射部位をもまないように患者に指導すること。[9.7.3、11.2、14.1.3参照]

    • 8.4 連用により眼内圧亢進、緑内障、後のう白内障を来すことがあるので、定期的に検査することが望ましい。[9.1.1、11.1.6参照]

  • <強皮症>

    • 8.5 強皮症患者における強皮症腎クリーゼの発現率は、副腎皮質ホルモン剤投与患者で高いとの報告がある。本剤を強皮症患者に投与する場合は、血圧及び腎機能を慎重にモニターし、強皮症腎クリーゼの徴候や症状の出現に注意すること。また、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 以下の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないこと。

      • (1)有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者

        • 免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。[11.1.1参照]

      • (2)消化性潰瘍の患者

        • 粘膜防御能の低下等により、消化性潰瘍が増悪するおそれがある。[11.1.3参照]

      • (3)精神病の患者

        • 中枢神経系に影響し、精神病が増悪するおそれがある。[11.1.4参照]

      • (4)結核性疾患の患者

        • 免疫機能抑制作用により、結核性疾患が増悪するおそれがある。[11.1.1参照]

      • (5)単純疱疹性角膜炎の患者

        • 免疫機能抑制作用により、単純疱疹性角膜炎が増悪するおそれがある。[11.1.1参照]

      • (6)のう白内障の患者

        • 水晶体線維に影響し、後のう白内障が増悪するおそれがある。[8.4、11.1.6参照]

      • (7)緑内障の患者

        • 眼内圧が上昇し、緑内障が増悪するおそれがある。[8.4、11.1.6参照]

      • (8)高血圧症の患者

        • ナトリウム・水貯留作用等により、高血圧症が増悪するおそれがある。

      • (9)電解質異常のある患者

        • ナトリウム・水貯留作用等により、電解質異常が増悪するおそれがある。

      • (10)血栓症の患者

        • 血液凝固促進作用により、血栓症が増悪するおそれがある。[11.1.7参照]

      • (11)最近行った内臓の手術創のある患者

        • 創傷治癒を遅延するおそれがある。

      • (12)急性心筋梗塞を起こした患者

        • 心破裂を起こしたとの報告がある。

    • 9.1.2 感染症の患者(有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の抗菌症の患者は除く)

      • 免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。[11.1.1参照]

    • 9.1.3 糖尿病の患者

      • 糖新生促進作用等により血糖が上昇し、糖尿病が増悪するおそれがある。[11.1.2参照]

    • 9.1.4 骨粗鬆症の患者

      • 骨形成抑制作用等により、骨粗鬆症が増悪するおそれがある。[11.1.5参照]

    • 9.1.5 甲状腺機能低下のある患者

      • 症状が増悪するおそれがある。

    • 9.1.6 脂肪肝の患者

      • 脂質代謝に影響し、脂肪肝が増悪するおそれがある。

    • 9.1.7 脂肪塞栓症の患者

      • 脂質代謝に影響し、脂肪塞栓症が増悪するおそれがある。

    • 9.1.8 重症筋無力症の患者

      • 使用当初、一時症状が増悪することがある。

    • 9.1.9 B型肝炎ウイルスキャリアの患者

      • 本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。副腎皮質ホルモン剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。[11.1.1参照]

    • 9.1.10 薬物、食物、添加物等に過敏な喘息患者

      • 気管支喘息患者の喘息発作を増悪させることがある。[11.1.9参照]

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 9.2.1 腎不全の患者

      • 症状が増悪するおそれがある。

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 肝硬変の患者

      • 脂質代謝に影響し、肝硬変が増悪するおそれがある。また慢性肝疾患患者では、血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス)で催奇形作用が報告されており、また、新生児に副腎不全を起こすことがある。

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

  • 9.7 小児等

    • 9.7.1 観察を十分に行うこと。小児等の発育抑制があらわれることがある。

    • 9.7.2 長期投与した場合、頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある。

    • 9.7.3 筋肉内投与はなるべく避けること。小児等では、特に投与部位の組織の萎縮(陥没)を起こしやすい。[8.3、11.2、14.1.3参照]

    • 9.7.4 低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99〜234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。

  • 9.8 高齢者

    • 長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後のう白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤投与時の注意

    • 14.1.1 本剤は用法・用量にしたがって使用し、静脈内注射、脊髄腔内注射、硬膜外注射、眼科用に使用しないこと。

    • 14.1.2 使用時にはよく振り混ぜ、均一な懸濁液として用いること。

    • 14.1.3 筋肉内注射にあたっては、組織神経などへの影響を避けるため下記の点に配慮すること。

      • (1)注射部位をもまないように患者に指導すること。[8.3、9.7.3、11.2参照]

      • (2)神経走行部位を避けるよう注意して注射すること。

      • (3)繰り返し注射する場合には同一注射部位を避けること。なお、乳幼児にはなるべく投与を避けることが望ましいが、やむを得ず投与する必要がある場合には慎重に投与すること。

    • 14.1.4 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合には直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

      • (1)全身療法

        • 筋注の部位は臀筋が適する。投与間隔は症例により異なるので、症例毎に症状の再発する最少期間を選んで投与する。維持量についても症状の軽重により適宜増減する。

        • 小児に対しては年齢、体重、症状によりなるべく必要最少量で治療すること。

      • (2)局所療法

        • 局所(関節腔内、軟組織内、腱鞘内、滑液のう内、鼻腔内、副鼻腔内、鼻甲介内、鼻茸内、喉頭・気管、中耳腔内、耳管内又は食道)に注射又は注入する。

        • 小児に対しては病巣の大きさにより適宜減量して投与する。

        • 本剤は1回の局所注射又は注入で効果がみられる場合もあるが、数回の注射又は注入を要することもある。なお、効果持続は症状により異なり、また、投与回数を重ねるにつれて延長する傾向があるので症状が再発したときに投与を繰り返すこと。

        • 関節腔内注射の場合、関節に多量の関節貯留液があると薬剤がうすめられて効果が減弱するので、穿刺により十分排除すること。

        • 本剤は関節腔外へ誤って注射又は注入すると、全身作用を及ぼすと同時に局所への効果が減弱するので、留意すること。

        • 腱炎、腱鞘炎、腱周囲炎などで腱鞘内に注射するときは、腱組織へ入らぬように投与する。

    • 14.1.5 本剤は水性懸濁注射液のため比較的太目の注射針25G(1/3)、23G(1/2)を使用すること。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチン(種痘等)を接種して神経障害、抗体反応の欠如が起きたとの報告がある。

取扱上の注意

  • 寒冷時には凍結を避けること。冷所での保存は推奨されない。製品を10℃以下で保存すると注射液中に凝集が発生することが報告されている。凍結した製品や冷所で保存された製品は使用しないこと。[11.2参照]

相互作用

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)[2.4参照] 低ナトリウム血症が発現するおそれがある。 機序不明。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
バルビツール酸誘導体フェノバルビタールフェニトインリファンピシン 本剤の作用が減弱することが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。 バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシンはP-450を誘導し、本剤の代謝が促進される。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
サリチル酸誘導体アスピリンアスピリンダイアルミネートサザピリン等 併用時に本剤を減量すると、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加し、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。 本剤は、サリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗凝血剤ワルファリンカリウム等 抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。 本剤は血液凝固促進作用がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
糖尿病用薬ビグアナイド系薬剤スルホニルウレア剤速効型インスリン分泌促進剤α-グルコシダーゼ阻害剤チアゾリジン系薬剤DPP-4阻害剤GLP-1受容体作動薬SGLT2阻害剤インスリン製剤等 これらの薬剤の効果を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。 本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を抑制する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
利尿剤(カリウム保持性を除く)トリクロルメチアジド、アセタゾラミド、フロセミド等注射用アムホテリシンB 併用により、低カリウム血症があらわれることがあるので、併用する場合には用量に注意すること。 本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シクロスポリン 他の副腎皮質ホルモン剤の大量投与により、併用したシクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。 副腎皮質ホルモン剤はシクロスポリンの代謝を抑制する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エリスロマイシン 本剤の作用が増強されるとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。 本剤の代謝が抑制されるおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
非脱分極性筋弛緩剤パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物等 本剤の長期前投与により筋弛緩作用が減弱するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。 機序不明。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
強心配糖体ジゴキシン、ジギトキシン等 ジギタリス中毒があらわれるおそれがあるので、必要に応じて本剤又はこれらの薬剤を減量するなど用量に注意すること。 本剤のカリウム排泄による血中カリウム値低下により、強心配糖体の作用が増強する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エストロゲン(経口避妊剤を含む) 本剤の作用が増強されるおそれがあるので、必要に応じてこれらの薬剤を減量するなど用量に注意すること。 これらの薬剤が本剤の代謝を抑制すると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
成長ホルモンソマトロピン 成長ホルモンの成長促進作用が抑制されるおそれがあるので、併用する場合には用量に注意すること。 糖質コルチコイドが成長抑制効果を有する。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 誘発感染症、感染症の増悪(頻度不明)

    • 誘発感染症、感染症の増悪があらわれることがある。[9.1.1、9.1.2、9.1.9参照]

  • 11.1.2 続発性副腎皮質機能不全、糖尿病(頻度不明)[9.1.3参照]

  • 11.1.3 消化性潰瘍、膵炎(頻度不明)[9.1.1参照]

  • 11.1.4 精神変調、うつ状態、痙攣(頻度不明)[9.1.1参照]

  • 11.1.5 骨粗鬆症、大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死、ミオパシー(頻度不明)[9.1.4参照]

  • 11.1.6 緑内障、後のう白内障(頻度不明)[8.4、9.1.1参照]

  • 11.1.7 血栓症(頻度不明)[9.1.1参照]

  • 11.1.8 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)

    • 呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の症状があらわれることがある。

  • 11.1.9 喘息発作の増悪(頻度不明)

    • 気管支喘息患者の喘息発作を増悪させることがある。[9.1.10参照]

  • 11.1.10 失明、視力障害(頻度不明)

    • 頭頸部(頭皮、鼻内等)への注射により、網膜動脈閉塞が生じ、失明、視力障害があらわれたとの報告がある。

  • 11.1.11 腱断裂(頻度不明)

    • 腱鞘内への繰り返し注射により、腱断裂があらわれることがある。

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
内分泌 月経異常
消化器 下痢、悪心・嘔吐、胃痛、胸やけ、腹部膨満感、口渇、食欲不振、食欲亢進
精神神経系 多幸症、不眠、頭痛、めまい
筋・骨格 筋肉痛、関節痛
投与部位 関節腔内投与時
投与部位 筋肉内投与時
脂質・蛋白質代謝 満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝
体液・電解質 浮腫、血圧上昇、低カリウム性アルカローシス
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出
血液 白血球増多
皮膚 瘡、多毛、脱毛、色素沈着、皮下溢血、紫斑、線条、そう痒、発汗異常、顔面紅斑、創傷治癒障害、皮膚菲薄化・脆弱化、色素脱失、脂肪織炎
その他 発熱、疲労感、ステロイド腎症、体重増加、精子数及びその運動性の増減
  • 注1)これらの症状は投与直後に患部を強く動かすと起こりやすいとされているので、投与後は患者をしばらく安静にさせること。

  • 注2)関節腔内投与時の投与部位に疼痛・腫脹等があらわれることがある。注射液中の粒子の凝集が関節腔内投与時の疼痛・腫脹等を誘発するおそれがある。[20.参照]

  • 注3)[8.3、9.7.3、14.1.3参照]

薬価

ケナコルト−A筋注用関節腔内用水懸注40mg/1mL 785円/瓶

評価サマリー

もっとも参考になった評価コメント

使いやすさ

投稿日: 2015/03/25 参考率: 100%(2人/2人)

麻酔科/60代/処方経験あり

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