ショック等の重篤な副作用があらわれることがある。[8.1-8.3、9.1.8、9.1.9、11.1.1、11.1.2参照]
<効能共通>
ヨード又はヨード造影剤に過敏症の既往歴のある患者[8.1参照]
重篤な甲状腺疾患のある患者[ヨード過剰に対する自己調節メカニズムが機能できず、症状が悪化するおそれがある。][9.1.14参照]
<脊髄撮影、コンピューター断層撮影における脳室、脳槽、脊髄造影>
既往歴を含め、痙攣、てんかん及びその素質のある患者[痙攣発作があらわれるおそれがある。][9.1.18参照]
○脊髄撮影
○コンピューター断層撮影における脳室、脳槽、脊髄造影
○関節撮影
<脊髄撮影、コンピューター断層撮影における脳室、脳槽、脊髄造影>
本剤の使用濃度と用量は、撮影部位での必要なコントラストの程度と範囲及び使用X線装置と技術により左右される。通常、撮影部位、穿刺部位に応じて下表の濃度、用量を使用する。なお、年齢、体重、撮影部位の大きさにより適宜増減する。
効能・効果 | 脊髄撮影 | コンピューター断層撮影における脳室、脳槽、脊髄造影 | ||||
撮影部位 | 腰部 | 胸部 | 頸部 | 脳室 | 脳槽 | 脊髄 |
穿刺部位 | 腰椎 | 腰椎 | 腰椎又は頸椎 | 腰椎 | ||
使用濃度 | 190〜240mgI/mL | 240mgI/mL | 240mgI/mL | |||
用量 | 6〜10mL | 6〜10mL |
<関節撮影>
通常、成人1回1〜10mLを関節腔内に注入する。
なお、年齢、体重、撮影部位の大きさにより適宜増減する。
<効能共通>
ショック等の発現に備え、十分な問診を行うこと。[1.、2.1、9.1.8、9.1.9、11.1.1、11.1.2参照]
投与量と投与方法の如何にかかわらず過敏反応を示すことがある。本剤によるショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるものとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと。[1.、11.1.1、11.1.2参照]
ショック等の重篤な副作用があらわれることがあるので、投与にあたっては、開始時より患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。過敏反応の発現等異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、投与後も患者の状態を十分に観察すること。[1.、11.1.1、11.1.2参照]
遅発性副作用に備えて、検査終了数時間後にも副作用発現の可能性があることを患者に説明した上で、頭痛、頭重感、悪心、嘔吐、発疹、発赤、そう痒感、腰・背痛、下肢痛、めまい、発熱等が発現した場合には速やかに主治医等に連絡するよう注意を与えること。
ヨード造影剤の投与により腎機能の低下があらわれるおそれがあるので、適切な水分補給を行うこと。[9.1.5、9.1.10、9.1.13、9.1.16、9.2.1、14.1.2、14.1.3、14.3.1参照]
<脊髄撮影、コンピューター断層撮影における脳室、脳槽、脊髄造影>
大量の本剤が頭蓋内に流入した場合には、痙攣発作の発現のおそれがあるので、フェノバルビタール等バルビツール酸誘導体又はジアゼパム等を24〜48時間経口投与すること。[11.1.3参照]
検査終了後は、副作用を防止するために患者を数分間座位(垂直位)にさせることにより、造影剤をできるだけ腰部に移動させること。また、検査終了後8時間は患者の頭部を10〜15度挙上し、以後も16時間は安静にしておくこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
<効能共通>
9.1.1 一般状態の極度に悪い患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
9.1.2 気管支喘息の患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。類薬で副作用の発生頻度が高いとの報告がある。
9.1.3 重篤な心障害のある患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。本剤投与により、血圧低下、不整脈等の報告があり、重篤な心障害患者においては症状が悪化するおそれがある。
9.1.4 マクログロブリン血症の患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。静脈性胆のう造影剤で血液のゼラチン様変化をきたし死亡した報告がある。
9.1.5 多発性骨髄腫の患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。特に脱水症状のある場合、腎不全(無尿等)を起こすおそれがある。[8.5参照]
9.1.6 テタニーのある患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。血中カルシウム低下により、症状が悪化するおそれがある。
9.1.7 褐色細胞腫
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。類薬による副腎静脈造影で、血圧上昇発作が起こったとの報告がある。
[1.、8.1、11.1.1、11.1.2参照]
[1.、8.1、11.1.1、11.1.2参照]
9.1.10 脱水症状のある患者
急性腎障害を起こすおそれがある。[8.5参照]
9.1.11 高血圧症の患者
血圧の上昇等、症状が悪化するおそれがある。
9.1.12 動脈硬化のある患者
心・循環器系に影響を及ぼすことがある。
9.1.13 糖尿病の患者
急性腎障害を起こすおそれがある。[8.5参照]
9.1.14 甲状腺疾患のある患者(重篤な甲状腺疾患のある患者を除く)
ヨード過剰に対する自己調節メカニズムが機能できず、症状が悪化するおそれがある。[2.2参照]
9.1.15 慢性呼吸器疾患のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.16 急性膵炎の患者
本剤投与前後にはガイドライン等を参考にして十分な輸液を行うこと。症状が悪化するおそれがある。[8.5、14.1.2、14.1.3、14.3.1参照]
<脊髄撮影、コンピューター断層撮影における脳室、脳槽、脊髄造影>
9.1.17 アルコール中毒患者
痙攣発作が起こるおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.18 抗痙攣剤投与中の患者(既往歴を含め、痙攣、てんかん及びその素質のある患者を除く)
投与を継続すること。もし痙攣発作が発現した場合には、フェノバルビタール等バルビツール酸誘導体又はジアゼパム等を投与すること。[2.3、11.1.3参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害(無尿等)のある患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。本剤の主たる排泄臓器は腎臓であり、腎機能低下患者では急性腎障害等、症状が悪化するおそれがある。[8.5参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。症状が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤投与の際にはX線照射を伴う。
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物(ラット静脈内投与)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
<脊髄撮影、コンピューター断層撮影における脳室、脳槽、脊髄造影>
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
<関節撮影>
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤投与前の注意
<効能共通>
投与前に体温まで温めること。
<脊髄撮影、コンピューター断層撮影における脳室、脳槽、脊髄造影>
嘔吐をできるだけ回避するため、患者を空腹状態としておくこと。
ただし、水分制限をしないこと。[8.5、9.1.16参照]
<関節撮影>
投与前に水分制限はしないこと。[8.5、9.1.16参照]
14.2 薬剤投与時の注意
<効能共通>
他の薬剤との混注はしないこと。
注入装置の洗浄が不十分な場合には、注入器内部に付着する残存液に由来する銅イオン溶出等によって、生成物(緑色等に着色)を生じるおそれがあるので、使い捨て以外の器具を用いる場合には内部の汚れに注意し、洗浄、滅菌を十分に行うこと。
<脊髄撮影、コンピューター断層撮影における脳室、脳槽、脊髄造影>
1回の検査(クモ膜下注入)には、15mLを超えないことが望ましい。
240mgI/mL以下の濃度を得る場合には、生理食塩液で希釈すること。
本剤の注入量より多量の脳脊髄液を除去しないこと。
14.3 薬剤投与後の注意
<効能共通>
投与後は水分補給を行い、造影剤の速やかな排泄を促すこと。[8.5、9.1.16参照]
1回の検査にのみ使用し、余剰の溶液は廃棄すること。
<脊髄撮影、コンピューター断層撮影における脳室、脳槽、脊髄造影>
再検査には5〜7日の期間をおくこと。
外箱開封後は遮光して保存すること。
<効能共通>
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ビグアナイド系糖尿病用剤メトホルミン塩酸塩、ブホルミン塩酸塩等 | 類薬で乳酸アシドーシスを起こしたとの報告があるので、異常が認められた場合には、ビグアナイド系糖尿病用剤の減量若しくは投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 | ビグアナイド系糖尿病用剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられている。 |
<脊髄撮影、コンピューター断層撮影における脳室、脳槽、脊髄造影>
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
フェノチアジン系化合物等の抗精神病薬クロルプロマジン塩酸塩等[11.1.3参照] | 併用により痙攣発作の発現の可能性が増大するとの報告があるので注意し、少なくとも検査48時間前から検査後12時間は抗精神病薬の投与を中止すること。 | 併用により痙攣閾値を低下させる。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<効能共通>
11.1.1 ショック(頻度不明)
ショックを起こすことがある。また、軽度の過敏症状も重篤な症状に進展する場合がある。[1.、8.1-8.3、9.1.8、9.1.9参照]
11.1.2 アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシー(顔面浮腫等)があらわれることがある。[1.、8.1-8.3、9.1.8、9.1.9参照]
<脊髄撮影、コンピューター断層撮影における脳室、脳槽、脊髄造影>
11.1.3 痙攣発作(頻度不明)
発現した場合にはフェノバルビタール等バルビツール酸誘導体又はジアゼパム等を投与すること。[8.6、9.1.17、9.1.18、10.2参照]
(0.2%)
、髄膜炎(頻度不明)
等次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<脊髄撮影、コンピューター断層撮影における脳室、脳槽、脊髄造影>
5%以上 | 0.1〜5%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 | 発疹、そう痒感、発赤 | じん麻疹、潮紅 | |
循環器 | 血圧低下 | ||
消化器 | 悪心 | 嘔吐 | |
精神神経系 | 頭痛 | 下肢脱力感・しびれ感、めまい、項部硬直、頭重感 | |
内分泌系 | 甲状腺機能低下症 | ||
その他 | 発熱(37〜38℃)、腰・背痛、下肢痛 | 胸内苦悶感、熱感 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<関節撮影>
頻度不明 | |
過敏症 | 発赤、発疹、そう痒感 |
消化器 | 悪心、嘔吐 |
内分泌系 | 甲状腺機能低下症 |
その他 | 疼痛 |
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