マグコロールP

大腸検査・腹部外科手術前処置用下剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 クエン酸マグネシウム
製造/販売 堀井薬品工業
剤形/規格
  • マグコロールP

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禁忌

  • 消化管に閉塞のある患者又はその疑いのある患者及び重症の硬結便のある患者〔腸管内容物の増大や蠕動運動亢進により腸管内圧の上昇をきたし、腸管粘膜の虚血性変化や腸閉塞、腸管穿孔を生じるおそれがある。〕

  • 急性腹症が疑われる患者〔腸管内容物の増大や蠕動運動亢進により、症状を増悪するおそれがある。〕

  • 腎障害のある患者〔吸収されたマグネシウムの排泄が遅延し、血中マグネシウム濃度が上昇するおそれがある。また、多量の水分摂取は腎機能に負荷となり、症状を増悪するおそれがある。〕

  • 中毒性巨大結腸症の患者〔穿孔を引き起こし腹膜炎、腸管出血を起こすおそれがある。〕

効能・効果

  • 大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除

  • 腹部外科手術時における前処置用下剤

用法・容量

  • 大腸X線検査前処置、腹部外科手術時における前処置の場合

    • <高張液投与>

      • クエン酸マグネシウムとして、34g(本剤50g)を水に溶解し、全量約180mLとする。通常成人1回144〜180mLを検査予定時間の10〜15時間前に経口投与する。
        なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 大腸内視鏡検査前処置の場合

    • <高張液投与>

      • クエン酸マグネシウムとして、34g(本剤50g)を水に溶解し、全量約180mLとする。通常成人1回144〜180mLを検査予定時間の10〜15時間前に経口投与する。
        なお、年齢、症状により適宜増減する。

    • <等張液投与>

      • クエン酸マグネシウムとして、68g(本剤100g)を水に溶解し、全量約1,800mLとする。通常成人1回1,800mLを検査予定時間の4時間以上前に200mLずつ約1時間かけて経口投与する。
        なお、年齢、症状により適宜増減するが、2,400mLを越えての投与は行わない。

注意事項

重要な基本的注意

  • まれに腸管穿孔、腸閉塞、虚血性大腸炎及び高マグネシウム血症を起こすことがある。腸管穿孔、腸閉塞及び虚血性大腸炎は腸管内容物の増大、蠕動運動の亢進による腸管内圧の上昇により発症し、高マグネシウム血症は、腸閉塞により本剤が腸管内に貯留しマグネシウムの吸収が亢進することにより発症するので、投与に際しては次の点に留意すること。

    • 患者の日常の排便の状況を確認し、本剤投与前日あるいは投与前にも通常程度の排便があったことを確認した後投与すること。

    • 等張液を投与する場合には、短時間での投与は避けるとともに、腸管の狭窄あるいは便秘等で腸管内に内容物が貯留している場合には注意して投与すること。〔<用法・用量に関連する使用上の注意>参照〕

    • 本剤の投与により排便があった後も腹痛、嘔吐が継続する場合には、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、腸管穿孔等がないか確認すること。

  • 自宅で服用させる場合には、次の点に留意すること。

    • 患者の日常の排便の状況を確認させるとともに、前日あるいは服用前に通常程度の排便があったことを確認させ、排便がない場合は相談するよう指導すること。

    • 副作用があらわれた場合、対応が困難な場合があるので、一人での服用は避けるよう指導すること。

    • 嘔気、嘔吐、腹痛等の消化器症状やめまい、ふらつき、筋力低下、傾眠、血圧低下、皮膚潮紅等の本剤の副作用について事前に患者等に説明し、このような症状があらわれた場合は、直ちに受診する旨伝えること。また、服用後についても同様の症状があらわれた場合には、直ちに受診する旨伝えること。

  • 誤嚥により、呼吸困難、肺炎を起こすことがあるので、誤嚥を起こすおそれのある患者(高齢者、嚥下が困難な患者等)に投与する際には注意すること。

  • 糖尿病用薬を投与中の患者への投与

    糖尿病用薬の投与は検査当日の食事摂取後より行うこと〔食事制限により低血糖を起こすおそれがある。〕。

  • 薬剤の吸収に及ぼす影響

    本剤による腸管洗浄が経口投与された薬剤の吸収を妨げる可能性があるので、投与時間等に注意すること。また、薬剤の吸収阻害が臨床上重大な問題となる薬剤を投与中の患者については、院内で十分観察しながら投与すること。

  • 高張液を投与した場合、体内水分を吸収し脱水状態があらわれることがあるので、水を十分に摂取させること。

  • 小腸の消化吸収を妨げ全身の栄養状態に影響を及ぼすことがあるので、連用を避けること。

  • 排便に伴う腸管内圧の変動により、めまい、ふらつき、一過性の血圧低下等が発現することがあるので、十分に観察しながら投与すること。

慎重投与

  • 心機能障害のある患者〔血中マグネシウム濃度が上昇し、心機能を抑制するおそれがある。〕

  • 高マグネシウム血症の患者〔血中マグネシウム濃度の上昇により症状を増悪するおそれがある。〕

  • 胃切除の既往歴のある患者〔「8.胃切除の既往歴のある患者への投与」の項参照〕

  • 腹部外科手術の既往歴のある患者〔術後の癒着がある場合、腸管内容物の増大や蠕動運動の亢進により、腸閉塞や腸管穿孔を起こすおそれがある。〕

  • 腸管狭窄及び高度な便秘の患者〔腸管内容物の増大や蠕動運動の亢進により、腸閉塞や腸管穿孔を起こすおそれがある。〕

  • 腸管憩室のある患者〔腸管穿孔を起こしたとの報告がある。〕

  • 高齢者〔腸管穿孔、腸閉塞を起こした場合は、より重篤な転帰をたどることがある。「5.高齢者への投与」の項参照〕

  • 誤嚥を起こすおそれのある患者〔「2.重要な基本的注意(3)」の項参照〕

適用上の注意

  • 調製方法

    用時溶解して使用すること。

  • 調製時

    本剤の溶解液に他成分を添加しないこと。

  • 使用目的

    等張液投与は腸内残存水分が多いため注腸X線検査には適していない。

その他の注意

  • 本剤を投与することに起因する自覚症状として腹部膨満感、腹痛、悪心、嘔気、腹鳴が増悪したり、新たに発現してくることがあるので、事前に患者への説明を十分に行うこと。

取扱上の注意

  • 溶解液の電解質濃度は下記のとおりである。

    • 本剤50gを水に溶解し全量180mLとした場合

      イオン Mg2+ K Na Cl
      濃度 1507.7mg/dL 49.5mEq/L 640.8mEq/L 28.5mEq/L

    • 本剤100gを水に溶解し全量1,800mLとした場合

      イオン Mg2+ K Na Cl
      濃度 301.5mg/dL 9.9mEq/L 128.2mEq/L 5.7mEq/L

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
テトラサイクリン系抗生物質 テトラサイクリン系抗生物質の効果が減弱するおそれがある。同時に服用させないこと。 テトラサイクリン系抗生物質とマグネシウムイオンが、消化管内で難溶性のキレートを形成して、テトラサイクリン系抗生物質の吸収を阻害する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ニューキノロン系抗菌剤 ニューキノロン系抗菌剤の効果が減弱するおそれがある。同時に服用させないこと。 ニューキノロン系抗菌剤とマグネシウムイオンが、消化管内で難溶性のキレートを形成して、ニューキノロン系抗菌剤の吸収を阻害する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
酸性薬物(サリチル酸等) 酸性薬物の効果が減弱するおそれがある。 本剤が尿pHを上昇させることにより、排泄を促進する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
塩基性薬物(メタンフェタミン等) 塩基性薬物の効果が増強するおそれがある。 本剤が尿pHを上昇させることにより、排泄を阻害する。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 用法・用量追加の第III相比較臨床試験において、等張液投与の安全性評価対象症例57例中5例(8.8%)に7件の随伴症状が認められた。主な症状としては腹部膨満感5例(8.8%)、腹痛、悪心が各1例(1.8%)認められた。
    臨床検査値異常変動は、57例中29例(50.9%)に36件認められ、尿pH上昇39.2%(20/51例)、マグネシウム上昇13.0%(6/46例)等が認められた。
    高張液投与では、安全性評価対象症例56例中5例(8.9%)に9件の随伴症状が認められた。主な症状としては腹部膨満感2例(3.6%)、腹痛、悪心が各3例(5.4%)、嘔気が1例(1.8%)認められた。
    臨床検査値異常変動は、56例中43例(76.8%)に66件認められ、尿pH上昇43.8%(21/48例)、総ビリルビン上昇20.8%(11/53例)、マグネシウム上昇17.8%(8/45例)等が認められた。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 腸管穿孔、腸閉塞(頻度不明)

    腸管穿孔、腸閉塞を起こすことがあるので、観察を十分に行い、腹痛等の異常が認められた場合には、投与を中止し、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、腸管穿孔、腸閉塞が疑われた場合には、適切な処置を行うこと。〔「2.重要な基本的注意(1)」の項参照〕

  • 虚血性大腸炎(頻度不明)

    虚血性大腸炎を起こすことがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血便等の異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。〔「2.重要な基本的注意(1)」の項参照〕

  • 高マグネシウム血症(頻度不明)

    高マグネシウム血症を起こすことがあり、呼吸抑制、意識障害、不整脈があらわれ、心停止に至ったとの報告もあるので、観察を十分に行い、嘔気、嘔吐、筋力低下、傾眠、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅等の症状が認められた場合には、電解質の測定を行うとともに、適切な処置を行うこと。〔「2.重要な基本的注意(1)」の項参照〕

その他の副作用

5%以上又は頻度不明 0.1%〜5%未満 0.1%未満
過敏症注) 発疹、蕁麻疹、そう痒感等
消化器 腹部膨満感 腹痛、悪心、嘔吐、腹鳴等
循環器 熱感、潮紅、しびれ、顔面蒼白、血圧低下等
精神神経系 めまい、ふらつき、脱力感、不快感等
内分泌 尿ケトン体の陽性化 尿酸値の上昇
肝臓 総ビリルビンの上昇 AST(GOT)、ALT(GPT)、総コレステロールの上昇
腎・尿路系 尿pHの上昇 BUNの低下、尿蛋白の陽性化
血液 白血球数の増加、単球数の増加・減少
代謝・電解質 血清マグネシウム上昇、血清ナトリウム低下 血清カルシウム上昇・低下、血清ナトリウム上昇、血清カリウム上昇・低下、血清クロール低下
  • 注)このような症状があらわれた場合には、適切な処置をとること。

薬価

マグコロールP 7.7円/g

評価サマリー

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