2.1 本剤の成分又はヨウ素に対し、過敏症の既往歴のある者
放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減
ヨウ化カリウムとして通常13歳以上には1回100mg、3歳以上13歳未満には1回50mg、生後1ヵ月以上3歳未満には1回32.5mg、新生児には1回16.3mgを経口投与する。
本剤を長期連用する場合には定期的に血清カリウム濃度を測定することが望ましい。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 甲状腺機能亢進症の患者
ヨウ素誘発甲状腺腫が生じるおそれがある。
9.1.2 甲状腺機能低下症の患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.3 先天性筋強直症の患者
カリウムにより、症状が悪化するおそれがある。
9.1.4 高カリウム血症のある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.5 低補体血症性蕁麻疹様血管炎の患者又は既往歴のある者
過敏症状が生じるおそれがある
9.1.6 肺結核の患者
結核病巣組織に集まりやすく再燃させるおそれがある。
9.1.7 ヨード造影剤過敏症の既往歴のある者
9.1.8 ジューリング疱疹状皮膚炎の患者又は既往歴のある者
過敏症状が生じるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
血清カリウム濃度が過剰になり、症状が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。原則として反復投与を避けること。本剤は胎盤関門を通過し、胎児の甲状腺腫及び甲状腺機能異常を起こすことがある。
9.5.2 妊娠後期に本剤を投与した妊婦より産まれた新生児には、甲状腺機能検査を実施し、甲状腺機能の低下を認めた場合には、甲状腺ホルモン補充療法等の適切な処置を行うこと。妊娠後期に投与した場合、新生児において、甲状腺機能の低下により知的発達に影響を及ぼすおそれがある。
9.6 授乳婦
本剤投与中及び投与終了後一定期間は授乳を避けさせること。母乳中への移行が認められ、乳児に皮疹や甲状腺機能抑制を起こすことがある。
9.7 小児等
9.7.1 皮疹や甲状腺機能抑制を起こすことがある。
9.7.2 新生児には原則として反復投与を避けること。また、新生児への投与後には、甲状腺機能を検査し、甲状腺機能の低下を認めた場合には、甲状腺ホルモン補充療法等の適切な処置を行うこと。新生児において、甲状腺機能の低下により知的発達に影響を及ぼすおそれがある。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 アルミ袋のまま保存するよう指導すること。
14.1.2 包装のまま服用しないよう指導すること。
14.1.3 誤用を避けるため、他の容器に移しかえて保存しないよう指導すること。
14.1.4 小児の手の届かないところに保存するよう指導すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 内服用にのみ使用させること。
14.2.2 本剤は非常に柔らかいため、開封時にゼリー充填部を持つと内容物が飛び出るおそれがある。必ず切り口の下を持って開封すること。
14.2.3 開封後は速やかに服用し、残分は廃棄させること。
14.2.4 新生児などゼリーを咀嚼・嚥下しにくい場合は、本剤をお湯又はミルクに溶かして服用することもできる(お湯に入れてかき混ぜると数分で溶解する)。
なお、調製後は速やかに服用することとし、2時間以上保存しないこと。
20.1 高温になるところには保存しないこと。
20.2 アルミ袋のまま保存すること。
20.3 上に重いものをのせないこと。
20.4 携帯するときは、折り曲げないように注意すること。
20.5 ゼリー表面に水分がみられることがあるが、これは製剤由来のものである。
本剤は効能・効果が「放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減」のみのため、保険給付されません。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エプレレノンエサキセレノンフィネレノン | 血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること。 | カリウム貯留作用が増強するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カリウム含有製剤塩化カリウムグルコン酸カリウムアスパラギン酸カリウムカリウム保持性利尿剤スピロノラクトントリアムテレン | 高カリウム血症を起こすことがあるので、血清カリウム濃度を測定するなど慎重に投与すること。 | 相加的に作用し、高カリウム血症をきたす可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リチウム製剤炭酸リチウム | 甲状腺機能低下作用、甲状腺腫発症作用を増大させることがあるので、脳下垂体−甲状腺反応の変化、甲状腺機能を測定するなど慎重に投与すること。 | 両剤とも甲状腺機能低下作用があるため併用により相加的な甲状腺機能低下作用があらわれることがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗甲状腺薬チアマゾールプロピルチオウラシル | 甲状腺機能低下と甲状腺腫生成作用を増強させることがある。このため定期的に甲状腺−脳下垂体反応の変化を調べ基準になる甲状腺機能を測定すること。 | 両剤とも甲状腺機能低下作用があるため併用により相加的な甲状腺機能低下作用があらわれることがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ACE阻害剤カプトプリルエナラプリルマレイン酸塩リシノプリル水和物アンジオテンシンII受容体拮抗剤ロサルタンカリウムカンデサルタン シレキセチルバルサルタンアリスキレンフマル酸塩 | 結果的に高カリウム血症を生じることがある。このため血清カリウム濃度をモニタリングすること。 | これらの薬剤はレニン・アンジオテンシン系に作用し、アルドステロンの分泌を低下させるため、カリウム排泄を減少させる。このため併用により高カリウム血症を生じることがある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ヨウ素中毒(頻度不明)
長期連用により、結膜炎、眼瞼浮腫、鼻炎、喉頭炎、気管支炎、声門浮腫、喘息発作、前額痛、流涎、唾液腺腫脹、耳下腺炎、胃炎等の症状があらわれることがある。さらに中毒症状が進行すると発疹、面疱、せつ、蕁麻疹、水疱、微熱、甲状腺腫、粘液水腫等の症状があらわれることがある。
11.1.2 ヨウ素悪液質(頻度不明)
長期連用により、皮膚の粗荒、体重減少、全身衰弱、心悸亢進、抑うつ、不眠、神経過敏、性欲減退、乳房の腫大と疼痛、骨盤痛があらわれることがある。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | |
| 過敏症 | 発疹等 |
| 消化器 | 悪心・嘔吐、胃痛、下痢、口腔・咽喉の灼熱感、金属味覚、歯痛、歯肉痛、血便(消化管出血)等 |
| その他 | 甲状腺機能低下症、頭痛、息切れ、かぜ症状、不規則性心拍、皮疹、原因不明の発熱、首・咽喉の腫脹等 |
ヨウ化カリウム内服ゼリー16.3mg「日医工」
ヨウ化カリウム内服ゼリー32.5mg「日医工」
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