高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症を悪化させるおそれがある。][8.1、9.1.1参照]
腎結石のある患者[腎結石を助長するおそれがある。]
重篤な腎不全のある患者[9.2.1参照]
低カルシウム血症に起因する下記症候の改善
テタニー、テタニー関連症状
塩化カルシウム水和物として、通常成人1回1〜2gを約5%水溶液にして1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
長期投与により血中及び尿中カルシウムが高値になることがあるので、長期投与する場合には定期的に血中又は尿中カルシウムを検査することが望ましい。[2.1、9.1.1、10.2参照]
本品は局所刺激作用を有し、胃腸粘膜を刺激するので、牛乳などの保護剤と共に投与すること。また、経管投与は行わないこと。[10.2参照]
9.1 合併症・既往歴
[2.1、8.1、10.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎不全のある患者
投与しないこと。組織への石灰沈着を助長するおそれがある。[2.3参照]
9.2.2 腎不全を有する低カルシウム血症の患者
アシドーシスを促進する。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験を実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 配合変化
本剤の水溶液は、炭酸、クエン酸、シュウ酸、リン酸、酒石酸などの塩類と反応して沈殿を生じることがあるので、混合を避ける。
本剤は潮解性であるので、吸湿に注意して取扱い、使用後は速やかに容器の閉栓をすること。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
活性型ビタミンD製剤[8.1、9.1.1参照]アルファカルシドールカルシトリオールファレカルシトリオール等 | 高カルシウム血症があらわれやすい。 | 相加作用 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
テトラサイクリン系抗生物質ミノサイクリンドキシサイクリンテトラサイクリン等ニューキノロン系抗菌剤シプロフロキサシンノルフロキサシントスフロキサシン等リン酸エストラムスチンナトリウムエストラサイトビアセチルプロエスタ骨代謝改善剤エチドロン酸二ナトリウムアレンドロン酸ナトリウム水和物リセドロン酸ナトリウム水和物 | これらの薬剤の効果が減弱するおそれがあるので、投与間隔をできるだけあけるなど注意すること。 | カルシウムがこれらの薬剤と難溶性のキレートを形成し、これらの薬剤の吸収を阻害すると考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
多量の牛乳[8.2参照] | 牛乳アルカリ症があらわれることがあるので多量の牛乳との併用は避けること。 | 腸管からのカルシウム吸収が増大する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
強心配糖体メチルジゴキシンジゴキシンジギトキシン等 | 強心配糖体の作用を増強し、徐脈、心室性期外収縮、房室ブロックなどの中毒症状を誘発するおそれがある | カルシウムは強心配糖体の心筋収縮力増強作用を強める。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ポリカルボフィルカルシウム | (1)高カルシウム血症があらわれるおそれがある。(2)この薬剤の作用が減弱するおそれがある。 | (1)この薬剤はカルシウムを含有(ポリカルボフィルカルシウム1.0g中にカルシウムとして約200mg含有)するため、併用するとカルシウムの過剰摂取となる。(2)この薬剤はカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、カルシウムとの共存下では再結合により薬効が減弱する。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
頻度不明 | |
長期投与 | 高カルシウム血症、結石症 |
代謝異常 | アシドーシス |
消化器 | 食欲不振、便秘等 |
塩化カルシウム「ヤマゼン」 1.71円/g
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