テリボン皮下注用56.5μg

骨粗鬆症治療剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 テリパラチド酢酸塩
製造/販売 旭化成ファーマ
剤形/規格
  • テリボン皮下注用5...

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禁忌

  • 次に掲げる骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる患者[「10.その他の注意」の項参照]

    • 骨ページェット病

    • 原因不明のアルカリフォスファターゼ高値を示す患者

    • 小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者[「7.小児等への投与」の項参照]

    • 過去に骨への影響が考えられる放射線治療を受けた患者

  • 高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症を悪化させるおそれがある。「2.重要な基本的注意」の項参照]

  • 原発性の悪性骨腫瘍もしくは転移性骨腫瘍のある患者[症状を悪化させるおそれがある]

  • 骨粗鬆症以外の代謝性骨疾患の患者(副甲状腺機能亢進症等)[症状を悪化させるおそれがある]

  • 本剤の成分又は他のテリパラチド製剤に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

効能・効果

  • 骨折の危険性の高い骨粗鬆症

用法・容量

  • 通常、成人には、テリパラチドとして56.5μgを1週間に1回皮下注射する。
    なお、本剤の投与は24ヵ月間までとすること。

注意事項

重要な基本的注意

  • 本剤投与直後から数時間後にかけて、ショック、一過性の急激な血圧低下に伴う意識消失、痙攣、転倒があらわれることがある。投与開始後数ヵ月以上を経て初めて発現することもあるので、本剤投与時には以下の点に留意すること。

    • 投与後30分程度はできる限り患者の状態を観察すること。特に、外来患者に投与した場合には、安全を確認して帰宅させることが望ましい。

    • 投与後に血圧低下、めまい、立ちくらみ、動悸、気分不良、悪心、顔面蒼白、冷汗等が生じた場合には、症状がおさまるまで座るか横になるように患者に指導すること。

  • 一過性の血圧低下に基づくめまいや立ちくらみ、意識消失等があらわれることがあるので、高所での作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。

  • 本剤の薬理作用により、投与約4から6時間後を最大として一過性の血清カルシウム値上昇がみられる。本剤投与中に血清カルシウム値上昇が疑われる症状(便秘、悪心、嘔吐、腹痛、食欲減退等)が本剤投与翌日以降も継続して認められた場合には、血清カルシウム値の測定を行い、持続性高カルシウム血症と判断された場合には、本剤の投与を中止すること。なお、血清カルシウム値上昇によりジギタリス剤の作用が増強することがあるため、ジギタリス製剤と併用する時は注意をすること。[「3.相互作用」の項参照]

  • 副甲状腺ホルモンは血管平滑筋の弛緩作用や心筋への陽性変時・陽性変力作用を示すことが報告されている。
    心疾患のある患者には、患者の状態を観察し、病態の悪化がないか注意しながら本剤を投与すること。

  • 腎障害のある患者においては、定期的に腎機能検査を行うこと。

  • 閉経前の骨粗鬆症患者での安全性及び有効性は確立していない。

慎重投与

  • 低血圧の患者[一過性の血圧低下があらわれることがある。]

  • 腎障害のある患者[臨床薬理試験において、重度の腎障害患者では血中からのテリパラチドの消失に遅延が認められている。「薬物動態」の項参照]

  • 重篤な心疾患のある患者[使用経験がない。]

  • 重篤な肝機能障害を有する患者[使用経験がない。]

  • 尿路結石のある患者及びその既往歴のある患者[本剤の投与により、症状を悪化させるおそれがある。]

過量投与

  • 徴候・症状

    血圧低下、脈拍数増加、血清カルシウム値上昇が発現する可能性がある。

  • 処置

    本剤の投与を中止し、血圧、脈拍、血清カルシウム値の測定を行い、適切な措置を行うこと。

適用上の注意

  • 溶解後は速やかに使用すること。

その他の注意

  • 雌雄ラットに本薬を皮下投与したがん原性試験において、投与量及び投与期間に依存して骨肉腫を含む骨腫瘍性病変の発生頻度が増加した。なお、ラットに無発がん量(4.5μg/kg/日)を投与した際の1週間当たりの曝露量(AUC)は、ヒトに臨床推奨用量(56.5μg/週)を投与した際の曝露量(AUC)の3.9〜11.6倍に相当する

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジギタリス製剤 ジゴキシン等 高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれることがある。 血清カルシウム値が上昇すると、ジギタリス剤の作用が増強される。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
活性型ビタミンD製剤 アルファカルシドールカルシトリオールエルデカルシトールマキサカルシトールファレカルシトリオール等 血清カルシウム値が上昇するおそれがあるため、併用は避けることが望ましい。 相加作用

副作用

副作用発現状況の概要

  • 骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症患者を対象とした第III相試験における安全性評価対象479例中237例(49.5%)に副作用が認められた。その主なものは、悪心117例(24.4%)、嘔吐64例(13.4%)、頭痛53例(11.1%)、倦怠感49例(10.2%)、腹部不快感31例(6.5%)、めまい30例(6.3%)等であった。(用法・用量の一部変更承認時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • アナフィラキシー(0.4%)

    アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • ショック(頻度不明)、意識消失(0.4%)

    ショック、一過性の急激な血圧低下に伴う意識消失があらわれることがあり、心停止、呼吸停止を来した症例も報告されている。異常が認められた場合には、適切な処置を行い、次回以降の投与中止を考慮すること。

その他の副作用

5%以上 0.1〜5%未満 頻度不明注1)
消化器注2) 悪心、嘔吐、腹部不快感 食欲減退、胃炎、消化不良、腹痛、下痢、逆流性食道炎、口渇、便秘、胃潰瘍、腹部膨満、流涎過多、裂孔ヘルニア、おくび、味覚異常、口内乾燥、心窩部不快感 口腔内不快感、口内炎
精神神経系 頭痛、めまい 不眠症、傾眠、感覚鈍麻(四肢、顔、口のしびれ感等)、振戦、頭部不快感、鎮静、感情不安定、注意力低下 記憶障害、耳鳴、灼熱感、痙攣
眼瞼下垂、視力障害 結膜充血、霧視
腎臓 BUN上昇、腎機能障害、尿中血陽性、尿中蛋白陽性、血中クレアチニン増加、頻尿 慢性腎炎
循環器 血圧上昇、動悸、血圧低下、上室性頻脈、心室性期外収縮、潮紅、起立性低血圧 狭心痛、徐脈、心電図異常、蒼白、心房細動
過敏症注3) 発疹、蕁麻疹、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎 そう痒症
肝臓 ALP上昇、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇 肝機能障害
代謝異常 CK(CPK)上昇、血中リン減少、ALP低下 アルブミン・グロブリン比減少、血中カリウム減少、血中カリウム増加、血中カルシウム増加、血中クロール減少、血中クロール増加、血中コレステロール増加、血中ナトリウム減少、血中ブドウ糖増加、高尿酸血症
血液 好酸球増加、好中球減少、貧血、リンパ球増加 血小板減少、好塩基球増加、好酸球減少、好中球増加、赤血球減少、単球減少、白血球減少、白血球増加、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、リンパ球減少
呼吸器 息詰まり感、咳嗽、喘息、鼻漏、副鼻腔炎、咽頭不快感
筋骨格 関節痛、筋緊張、筋力低下、頚部痛、筋肉痛、骨痛、筋痙縮
投与部位 注射部位出血、注射部位紅斑、注射部位腫脹 注射部位疼痛
その他 倦怠感 異常感(全身違和感、気分不良等)、発熱、胸部不快感、悪寒、胸痛、多汗症、浮腫、熱感、甲状腺腫、自己免疫性甲状腺炎、脱力感、リンパ節炎、あくび、末梢冷感、インフルエンザ様疾患 胆石症、皮下結節、皮下出血、尿中ウロビリン陽性、尿中ビリルビン増加、脱毛、疼痛、体重減少
  • 注1)自発報告又は骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症患者を対象とした第III相試験以外の試験でのみ発現した副作用は、頻度不明とした。

  • 注2)このような副作用が認められた場合には、必要に応じ、休薬又は中止等の適切な処置を行うこと。

  • 注3)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。

薬価

テリボン皮下注用56.5μg 10823円/瓶

評価サマリー

もっとも参考になった評価コメント

エビデンスの確かさ・信頼性

投稿日: 2015/03/15 参考率: 100%(2人/2人)

整形外科/50代/処方経験あり

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