2.1 メトヘモグロビン血症のある患者[プロピトカインの代謝物である
2.2 本剤の成分又はアミド型局所麻酔剤に対して過敏症の既往歴のある患者
○皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和
○注射針・静脈留置針穿刺時の疼痛緩和
<成人>
通常、成人には、レーザー照射予定部位又は注射針・静脈留置針穿刺予定部位に10cm2あたり本剤1gを、密封法(ODT)により60分間塗布する。なお、1回あたりの塗布量は10gまでとし、塗布時間は120分を超えないこと。
<小児>
通常、小児等には、レーザー照射予定部位又は注射針・静脈留置針穿刺予定部位に10cm2あたり本剤1gを、密封法(ODT)により60分間塗布する。なお、1回あたりの塗布量及び塗布時間は下表を超えないこと。
| 年齢(月齢) | 体重 | 最大塗布量 | 最大塗布時間 |
| 0〜2ヶ月 | / | 1g | 60分 |
| 3〜11ヶ月 | 5kg以下 | 1g | 60分 |
| 5kg超 | 2g | 60分 | |
| 1〜14歳 | 5kg以下 | 1g | 60分 |
| 5kg超10kg以下 | 2g | 120分 | |
| 10kg超 | 10g | 120分 |
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PD)欠乏患者
メトヘモグロビン血症が発現しやすい。[9.7.2、11.1.3、13.参照]
9.1.2 心刺激伝導障害のある患者
症状を悪化させることがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
中毒症状が発現しやすくなる。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
中毒症状が発現しやすくなる。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。リドカインはヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.7.1 低出生体重児を対象とした臨床試験は実施していない。[7.2参照]
9.7.2 海外において、特に低出生体重児、新生児又は乳児(1歳未満)では重篤なメトヘモグロビン血症が多く報告されている。[7.2、9.1.1、11.1.3、13.参照]
局所麻酔剤の血中濃度の上昇に伴い、神経系興奮症状が発現し、重症例では中枢神経抑制及び循環抑制を呈する。また、高用量のプロピトカインは、メトヘモグロビン血症を引き起こすことがあり、本剤の大量投与によりメトヘモグロビン血症が報告されている。[9.1.1、9.7.2、11.1.3参照]
13.1 症状
<中枢神経系・心血管系>
13.1.1 中枢神経系
初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。
13.1.2 心血管系
血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。
<メトヘモグロビン血症>
13.1.3 メトヘモグロビン血症では酸素運搬能力が減少し、めまい、悪心、頭痛、呼吸困難、錯乱、痙攣及び昏睡を起こす。
13.2 処置
<中枢神経系・心血管系>
13.2.1 振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。
<メトヘモグロビン血症>
13.2.2 メトヘモグロビン血症の症状は通常、薬剤の中止により消失するが、重症の場合はメチレンブルーの投与等、適切な処置を行うこと。
14.1 薬剤使用時の注意
14.1.1 損傷皮膚には使用しないこと。
14.1.2 性器皮膚及び粘膜に使用しないこと。国内における使用経験がない。
14.1.3 眼に入らないように注意すること。ウサギ眼粘膜刺激試験において、結膜充血、眼瞼腫脹、角膜損傷等の重度かつ持続性のある刺激反応が認められている。
14.1.4 中耳に入らないように注意すること。ラット及びモルモットの中耳及び内耳に投与した場合、形態的及び機能的変化を示すことが報告されている。
14.1.5 注射針・静脈留置針穿刺時の疼痛緩和に使用する場合、本剤を皮膚から除去した後、穿刺部位を消毒すること。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発するおそれがある。
15.1.2 国内ではシミ、シワ、ニキビ跡、脱毛等(半導体レーザーや炭酸ガスレーザー等を用いた皮膚レーザー照射療法)に対する本剤の有効性及び安全性は検討されていない。[17.1.1参照]
15.2 非臨床試験に基づく情報
動物実験(マウス・ラット)において、プロピトカインの代謝産物である
リドカインは、主として肝代謝酵素CYP1A2及びCYP3A4で代謝される。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クラスIII抗不整脈剤アミオダロン等 | 心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと。 | 作用が増強することが考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| サルファ剤スルファメトキサゾールエステル型局所麻酔薬プロカイン、アミノ安息香酸エチル硝酸薬ニトログリセリン、亜硝酸アミル | メトヘモグロビン血症を起こすことがある。チアノーゼ等の症状が認められた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。 | いずれも単独投与によりメトヘモグロビン血症が報告されている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アミド型局所麻酔剤メピバカイン、ブピバカインクラスI抗不整脈薬リドカイン、キニジン | 中毒症状が相加的に起こるおそれがある。 | 併用により中毒症状が相加的に起こることが考えられる。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、全身潮紅、呼吸困難、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、血圧低下、顔面蒼白、脈拍の異常、意識障害等の症状が認められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 意識障害、振戦、痙攣(いずれも頻度不明)
意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがある。
11.1.3 メトヘモグロビン血症(頻度不明)
チアノーゼ等の症状が認められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、メチレンブルーを投与する等、適切な処置を行うこと。[9.1.1、9.7.2、13.参照]
注)副作用の頻度は、クリーム、パッチでの国内臨床試験の結果を合わせて算出した。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 10%以上注) | 0.1〜10%未満注) | 頻度不明 | |
| 精神神経系 | 錯感覚 | 浮動性めまい、感覚鈍麻、頭痛 | |
| 消化器系 | 悪心、嘔吐 | ||
| 皮膚 | 紅斑、蒼白 | 潮紅、硬結、そう痒症 | 小水疱、発疹、蕁麻疹、接触皮膚炎、湿疹、皮膚灼熱感、皮膚炎、皮膚色素過剰、皮膚びらん、色素沈着 |
| その他 | ALT(GPT)増加 | 血腫、疼痛、変色、浮腫、倦怠感 |
注)副作用の頻度は、クリーム、パッチでの国内臨床試験の結果を合わせて算出した。
エムラクリーム 185.2円/g
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投稿日: 2015/03/02 参考率: 100%(1人/1人)
麻酔科/60代/処方経験あり