シート状生物学的組織接着・閉鎖剤
一般名 |
トロンビン画分 ヒトフィブリノゲン
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製造/販売 | CSLベーリング |
剤形/規格 |
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本剤の成分又はウマ血液を原料とする製剤(乾燥まむしウマ抗毒素等)に対し過敏症の既往歴のある患者
下記の製剤による治療を受けている患者
凝固促進剤(臓器抽出製剤、蛇毒製剤)、抗線溶剤〔「相互作用」の項参照〕
肝臓外科、肺外科、心臓血管外科、産婦人科及び泌尿器外科領域における手術時の組織の接着・閉鎖(ただし、縫合あるいは接合した組織から血液、体液又は体内ガスの漏出をきたし、他に適切な処置法のない場合に限る。)
接着・閉鎖部位の血液、体液をできるだけ取り除き、本剤を適切な大きさにし、乾燥状態のままあるいは生理食塩液でわずかに濡らし、その活性成分固着面を接着・閉鎖部位に貼付し、通常3〜5分間圧迫する。
[患者への説明]
本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際して感染症伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
本剤の原材料となる血漿については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体及び抗HIV-2抗体が陰性であることを確認している。さらに、プールした試験血漿については、HIV、HBV、HCV及びHAVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。また、ヒトパルボウイルスB19についてもNATによるスクリーニングを実施し、適合した血漿を用いている。
その後の製造工程であるパスツリゼーション処理(液状加熱処理)は、HIVをはじめとする各種ウイルスに対し、不活化・除去作用を有することが確認されているが、使用に際しては、次の点に十分に注意すること。
ウイルス不活化処理を行っているが、肝炎ウイルス等の感染の可能性を完全に否定することはできないので、観察を十分に行うこと。
血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の使用によりその感染の可能性を否定できないので、使用後の経過を十分に観察すること。
現在までに本剤の使用により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、使用の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上使用すること。
本剤はヒト以外のウマ由来の蛋白質(ウマコラーゲン)を含有するため、本剤使用後にショック、アナフィラキシー等が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに適切な処置を行うこと。特に、以下の場合には十分に注意すること。
本剤を使用したことのある患者に、本剤を再使用する場合
本剤に含まれるヒト以外のウマ由来の蛋白質と同じ成分(ウマコラーゲン)を含む他の製剤(タココンブ等)を使用したことのある患者に、本剤を使用する場合
感染の可能性が高い部位に使用する際、本剤使用部位で膿瘍形成が助長される場合があるので、膿瘍が形成された場合には適切な処置を行うこと。〔「重大な副作用」の項参照〕
使用された本剤に対し周辺臓器の癒着が起こる場合があるので、症状が認められた場合には適切な処置を行うこと。
なお、腸管との癒着が起こった場合、イレウスを引き起こすことがある。
重篤な肝障害、汎発性血管内凝固症候群(DIC)が考えられる病態を有する患者〔本剤の成分が、血管内に流入した場合、血栓の形成あるいはDIC状態を悪化させるおそれがある。〕
溶血性・失血性貧血の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。〕
免疫不全症患者・免疫抑制状態の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。〕
投与時
本剤は、無菌、乾燥状態であるのでアルミ包装が破損している場合は使用しないこと。
使用直前に、開封して使用すること。
本剤の裁断に際しては、はさみを使用すること。
本剤は血液のついた手術器具や手袋に付着する場合があるので、手術器具や手袋の血液を取り除くこと。
活性成分固着面(黄色面)を創面に貼付すること。
を生理食塩液で濡らしてから使用する場合は、濡らし過ぎると効果が低下するので、活性成分固着面(黄色面)をわずかに濡らし、直ちに使用すること。
本剤をタンポン(ガーゼ)等で圧迫後は、慎重にタンポン(ガーゼ)等を取り除くこと。
本剤を体外循環終了時等の噴出性あるいは流出性出血の激しい部位の接着・閉鎖に使用する場合は、適切な方法で血流を遮断した上で使用すること。
創傷部位に対して適正面積を使用すること。
創傷部位においてタンポンや栓の代わりとして使用しないこと。
本剤はウマコラーゲンを含有するため、本剤を使用した患者に、これらを含む他の製剤を使用した場合、過敏症を発現する可能性があるので、本剤を使用した旨、患者に情報提供することが望ましい。
本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を使用した場合は、医薬品名(タコシール組織接着用シート)、製造番号(ロット番号)、使用年月日、患者の氏名・住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
凝固促進剤(臓器抽出製剤、蛇毒製剤)トロンビンフィブリノゲンフィブリノゲンHT静注用1g「ベネシス」ヘモコアグラーゼレプチラーゼ注1単位、2単位等 | 血栓形成傾向があらわれるおそれがあるので、併用は避けること。 | フィブリノゲンからフィブリンを生成することにより血栓形成傾向があらわれることが考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗線溶剤トラネキサム酸トランサミン注5%、10% 等アプロチニン製剤 | 血栓形成傾向があらわれるおそれがあるので、併用は避けること。 | フィブリノゲンから生成したフィブリンの溶解を妨げることにより血栓形成傾向があらわれることが考えられる。 |
総症例数576例中(国内臨床試験55例、海外臨床試験521例)において、46例(7.99%)に副作用が認められた。主な副作用は、発熱19例(3.30%)、処置後局所反応4例(0.69%)、発疹3例(0.52%)、気胸3例(0.52%)、胸水3例(0.52%)であった。(承認時)
ショック
ショックを起こすおそれがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の症状が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
膿瘍
膿瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
1%以上又は頻度不明 | 0.5〜1%未満 | 0.5%未満 | |
消化器 | 処置後胆汁漏出 | ||
呼吸器 | 気胸、胸水 | 肺障害 | |
過敏症 | 発疹 | ||
その他 | 発熱、術後出血 | 疼痛、CRP上昇 |
タコシール組織接着用シート 11138.9円/枚
タコシール組織接着用シート 31267.7円/枚
タコシール組織接着用シート 57675.7円/枚
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