フェブリク錠10mg 他

非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害剤

4.3(149件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 フェブキソスタット水和物
製造/販売 帝人ファーマ
剤形/規格
  • フェブリク錠10mg
  • フェブリク錠20mg
  • フェブリク錠40mg

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禁忌

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 2.2 メルカプトプリン水和物又はアザチオプリンを投与中の患者[10.1参照]

効能・効果

  • ○痛風、高尿酸血症

  • ○がん化学療法に伴う高尿酸血症

用法・容量

  • <痛風、高尿酸血症>

    • 成人

      • 通常、成人にはフェブキソスタットとして1日10mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回40mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回60mgとする。

    • 小児

      • 通常、小児には体重に応じてフェブキソスタットとして下記の投与量を1日1回経口投与する。

        • 体重40kg未満

          • 通常、1日5mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回20mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回30mgとする。

        • 体重40kg以上

          • 通常、1日10mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回40mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回60mgとする。

  • <がん化学療法に伴う高尿酸血症>

    • 通常、成人にはフェブキソスタットとして60mgを1日1回経口投与する。

注意事項

重要な基本的注意

  • <効能共通>

    • 8.1 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.1参照]

    • 8.2 本剤投与中は甲状腺関連の所見の有無を確認し、異常が認められた場合には甲状腺機能関連の検査を実施すること。

    • 8.3 心血管疾患を有する成人の痛風患者を対象とした海外臨床試験において、アロプリノール群に比較してフェブキソスタット群で心血管死の発現割合が高かったとの報告がある。本剤を投与する場合には心血管疾患の増悪や新たな発現に注意すること。[15.1参照]

  • <痛風、高尿酸血症>

    • 8.4 本剤は尿酸降下薬であり、痛風関節炎(痛風発作)発現時に血中尿酸値を低下させると痛風関節炎(痛風発作)を増悪させるおそれがある。本剤投与前に痛風関節炎(痛風発作)が認められた場合は、症状がおさまるまで、本剤の投与を開始しないこと。
      また、本剤投与中に痛風関節炎(痛風発作)が発現した場合には、本剤の用量を変更することなく投与を継続し、症状によりコルヒチン、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロイド等を併用すること。[7.1、7.2参照]

慎重投与

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 9.2.1 重度の腎機能障害患者

      • 重度の腎機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.1参照]

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で本剤が乳汁中に移行することが報告されている。また、動物実験(ラットにおける出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験)の12mg/kg/日(60mg/日でのヒトの血漿中曝露量の11.1倍)以上で出生児の腎臓にキサンチンと推定される結晶沈着あるいは結石、48mg/kg/日(60mg/日でのヒトの血漿中曝露量の39.3倍)で離乳率の低下、体重低値などの発育抑制、甲状腺の大型化及び甲状腺重量増加の傾向が認められている

  • 9.7 小児等

    • 成長に伴う血中尿酸値の変動を考慮し、定期的に用量調節の必要性を検討すること。低出生体重児、新生児、乳児、幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 9.8 高齢者

    • 患者の状態を観察し、十分に注意しながら本剤を投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 海外で実施された心血管疾患を有する成人の痛風患者を対象とした二重盲検非劣性試験において、主要評価項目(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、不安定狭心症に対する緊急血行再建術の複合エンドポイント)についてはアロプリノール群に対しフェブキソスタット群で非劣性が示されたものの、副次評価項目のうち心血管死の発現割合はフェブキソスタット群及びアロプリノール群でそれぞれ4.3%(134/3,098例)、3.2%(100/3,092例)でありフェブキソスタット群で高かった(ハザード比[95%信頼区間]:1.34[1.03,1.73])。心血管死の中では両群ともに心突然死が最も多かった(フェブキソスタット群2.7%(83/3,098例)、アロプリノール群1.8%(56/3,092例))。また、全死亡の発現割合についても、フェブキソスタット群及びアロプリノール群でそれぞれ7.8%(243/3,098例)、6.4%(199/3,092例)でありフェブキソスタット群で高かった(ハザード比[95%信頼区間]:1.22[1.01,1.47])。[8.3参照]

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • げっ歯類を用いた104週間投与によるがん原性試験において、最高用量群(ラット24mg/kg/日[60mg/日でのヒトの血漿中曝露量の約25(雄)及び26(雌)倍]、マウス18.75mg/kg/日[60mg/日でのヒトの血漿中曝露量の約4(雄)及び12(雌)倍])の膀胱にキサンチンと推定される結晶沈着・結石が認められ、マウスの18.75mg/kg/日(雌)及びラットの24mg/kg/日(雄)に膀胱腫瘍(移行上皮乳頭腫及び移行上皮癌)の発生頻度の増加が認められた。マウスでは膀胱にキサンチン結晶・結石が生成しない条件下で、膀胱移行上皮の過形成は認められなかった。げっ歯類では、結晶・結石などによる機械的刺激が長時間持続することにより、膀胱粘膜の腫瘍性変化が誘発されるとの報告がある。また、臨床試験において、キサンチン結晶・結石を疑わせる尿沈渣所見はなかった

相互作用

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
メルカプトプリン水和物(ロイケリン)アザチオプリン(イムラン、アザニン)[2.2参照] 骨髄抑制等の副作用を増強する可能性がある。 アザチオプリンの代謝物メルカプトプリンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、メルカプトプリンの血中濃度が上昇することがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ビダラビン 幻覚、振戦、神経障害等のビダラビンの副作用を増強する可能性がある。 ビダラビンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、ビダラビンの代謝を抑制し、作用を増強させることがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジダノシン ジダノシンの血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は、ジダノシンの投与量に注意すること。 ジダノシンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、健康成人及びHIV患者においてジダノシンのCmax及びAUCが上昇することがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ロスバスタチン ロスバスタチンの血中濃度が上昇する可能性がある。 本剤がBCRPを阻害することにより、ロスバスタチンのAUCが約1.9倍、Cmaxが約2.1倍上昇したとの報告がある。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 肝機能障害(頻度不明)

    • AST、ALT等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.1参照]

  • 11.1.2 過敏症(頻度不明)

    • 全身性皮疹、発疹などの過敏症があらわれることがある。

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1〜5%未満 1%未満 頻度不明
血液 白血球数減少 血小板数減少、貧血
内分泌系 TSH増加
神経系 手足のしびれ感、浮動性めまい、傾眠 頭痛、味覚異常
心臓 心電図異常 動悸
胃腸 下痢、腹部不快感、悪心、腹痛
肝・胆道系 肝機能検査値異常(AST増加、ALT増加、γ-GTP増加等)
皮膚 発疹、そう痒症、紅斑 蕁麻疹、脱毛
筋骨格系 関節痛 四肢痛、四肢不快感、CK増加、筋肉痛
腎及び尿路 β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、尿中β2ミクログロブリン増加、血中クレアチニン増加、血中尿素増加、頻尿 尿量減少
その他 倦怠感、口渇、血中トリグリセリド増加、CRP増加、血中カリウム増加 浮腫

薬価

フェブリク錠10mg 14.2円/錠
フェブリク錠20mg 27.7円/錠
フェブリク錠40mg 48.8円/錠

評価サマリー

もっとも参考になった評価コメント

副作用の頻度

投稿日: 2017/02/21 参考率: 98%(52人/53人)

内科/50代/処方経験あり

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