ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン製剤の投与に引き続き、本剤を投与した場合又は併用した場合、血栓症、脳梗塞等を伴う重篤な卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。
アンドロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、前立腺癌)及びその疑いのある患者〔アンドロゲン産生を促進するので、病態の増悪あるいは顕性化を促すことがある。〕
性腺刺激ホルモン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
性早熟症の患者〔アンドロゲン産生を促進するため、性的早熟を早め、骨端の早期閉鎖をきたすことがある。〕
無排卵症(無月経、無排卵周期症、不妊症)、機能性子宮出血、黄体機能不全症、停留睾丸、造精機能不全による男子不妊症、下垂体性男子性腺機能不全症(類宦官症)、思春期遅発症、睾丸・卵巣の機能検査、妊娠初期の切迫流産、妊娠初期に繰り返される習慣性流産
本剤1管を添付の溶解液1管で溶解して筋肉内に注射する。
ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンとして
無排卵症
通常1日3,000〜5,000単位を筋肉内注射する。
機能性子宮出血及び黄体機能不全症
通常1日1,000〜3,000単位を筋肉内注射する。
妊娠初期の切迫流産、妊娠初期に繰り返される習慣性流産
通常1日1,000〜5,000単位を筋肉内注射する。
停留睾丸
通常1回300〜1,000単位、1週1〜3回を4〜10週まで、又は1回3,000〜5,000単位を3日間連続筋肉内注射する。
造精機能不全による男子不妊症、下垂体性男子性腺機能不全症(類宦官症)、思春期遅発症
通常1日500〜5,000単位を週2〜3回筋肉内注射する。
睾丸機能検査
10,000単位1回又は3,000〜5,000単位を3〜5日間筋肉内注射し、1〜2時間後の血中テストステロン値を投与前値と比較する。
卵巣機能検査
1,000〜5,000単位を単独又はFSH製剤と併用投与して卵巣の反応性をみる。
黄体機能検査
3,000〜5,000単位を高温期に3〜5回隔日に投与し、尿中ステロイド排泄量の変化をみる。
本剤の用法・用量は症例、適応によって異なるので、使用に際しては厳密な経過観察が必要である。
女子不妊症の治療に際し、ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン製剤の投与に引き続き本剤を用いた場合又は併用した場合、以下の点に注意すること。
卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあるので、次の点に留意し異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。(「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
患者の自覚症状(下腹部痛、下腹部緊迫感、悪心、腰痛等)の有無
急激な体重増加の有無
卵巣腫大の有無(内診、超音波検査等の実施)
患者に対しては、あらかじめ次の点を説明すること。
卵巣過剰刺激症候群、多胎妊娠があらわれることがあること。
異常が認められた場合には直ちに医師等に相談すること。
前立腺肥大のある患者[アンドロゲン産生を促進するので、病態が増悪するおそれがある。]
エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]
子宮筋腫のある患者[子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。]
子宮内膜症のある患者[症状が増悪するおそれがある。]
乳癌の既往歴のある患者[乳癌が再発するおそれがある。]
乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者[症状が増悪するおそれがある。]
てんかん、片頭痛、喘息、心疾患又は腎疾患のある患者[アンドロゲン産生を促進するので、体液貯留、浮腫等があらわれ、これらの症状が増悪するおそれがある。]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
骨成長が終了していない可能性がある患者、思春期前の患者(「6.小児等への投与」の項参照)
投与経路
本剤は筋肉内注射にのみ使用すること。
溶解時
本剤はアルコール等で沈殿を起こすので注射器は消毒後生理食塩液又は注射用水でよく洗ってから使用すること。
本剤は溶解後すみやかに使用すること。
投与時
筋肉内注射にあたっては組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
神経走行部位を避けること。
注射針を刺入した時、神経に当たったと思われるような激痛を訴えた場合には直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど、注射部位を変えること。
なお、乳・幼・小児には特に注意し、連用しないことが望ましい。
注射器の内筒を軽くひき、血液の逆流がないことを確かめて注射すること。
その他
本剤はワンポイントカットアンプルを採用しているが、アンプルのカット時には、異物混入をできるだけ避けるため、エタノール綿などで清拭したのちヤスリを用いずアンプル枝部のマーク(青)の反対方向へ折り取ること。
安定性試験
最終包装製品を用いた長期保存試験(5±2℃、冷暗所、5年)の結果、外観及び含量は、規格の範囲であり、規定条件の市場流通下において5年間安定であることが確認された。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン(hMG) | ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン製剤の投与に引き続き、本剤を用いた場合又は併用した場合、卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある(「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)。 | 卵巣への過剰刺激に伴う過剰なエストロゲン分泌により、血管透過性が亢進される。 |
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
ショック症状(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、顔面潮紅、胸内苦悶、呼吸困難等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
卵巣過剰刺激症候群(頻度不明)
ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン製剤の投与に引き続き本剤を用いた場合又は併用した場合、卵巣腫大、下腹部痛、下腹部緊迫感、腹水・胸水を伴う卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。これに伴い血液濃縮、血液凝固能の亢進、呼吸困難等を併発することがあるので、直ちに投与を中止し、循環血液量の改善につとめるなど適切な処置を行うこと。
血栓症・脳梗塞・卵巣破裂・卵巣茎捻転・呼吸困難・肺水腫(頻度不明)
卵巣過剰刺激症候群に伴い、血栓症、脳梗塞、卵巣破裂、卵巣茎捻転、呼吸困難、肺水腫を引き起こすことがある。
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | |
| 過敏症 | 発疹等注1) |
| 精神神経系 | めまい、頭痛、興奮、不眠、抑うつ、疲労感等 |
| 内分泌 | 性早熟症注2)
|
| 投与部位 | 疼痛 |
注1)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
注2)思春期前の患者への投与中に徴候があらわれた場合には投与を中止すること(「6.小児等への投与」の項参照)。
注3)観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
ゲストロン筋注用5000単位 573円/管
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