持続性ソマトスタチンアナログ製剤
| 一般名 |
オクトレオチド酢酸塩
|
|---|---|
| 製造/販売 | ノバルティスファーマ |
| 剤形/規格 |
|
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
○下記疾患に伴う諸症状の改善
消化管ホルモン産生腫瘍(VIP産生腫瘍、カルチノイド症候群の特徴を示すカルチノイド腫瘍、ガストリン産生腫瘍)
○下記疾患における成長ホルモン、ソマトメジン-C分泌過剰状態及び諸症状の改善
先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置、他剤による治療で効果が不十分な場合又は施行が困難な場合)
○進行・再発癌患者の緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状の改善
<消化管ホルモン産生腫瘍、先端巨大症・下垂体性巨人症>
通常、成人にはオクトレオチドとして1日量100又は150μgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は1日量300μgまで漸増し、2〜3回に分けて皮下投与する。なお、症状により適宜増減する。
<進行・再発癌患者の緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状>
通常、成人にはオクトレオチドとして1日量300μgを24時間持続皮下投与する。なお、症状により適宜増減する。
<効能共通>
8.1 本剤の投与中はインスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスの変化による一過性の低又は高血糖を伴うことがあるので、投与開始時及び低又は高血糖のために投与量を変更する場合は患者を十分に観察すること。[11.2参照]
<先端巨大症・下垂体性巨人症>
8.4 成長ホルモン産生下垂体腺腫は進展することがあり、これに伴い視野狭窄などの重篤な症状を生じることがあるので患者の状態を十分観察すること。腫瘍の進展が認められた場合は、他の治療法への切り替え等適切な処置を行うこと。
8.5 成長ホルモン及びソマトメジン-Cを定期的に測定することが望ましい。
<進行・再発癌患者の緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状>
8.6 増量投与を行う場合は、低体重、悪液質等の患者の状態に注意し、慎重な監視のもとで投与すること。[7.1参照]
<先天性高インスリン血症に伴う低血糖>
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
<消化管ホルモン産生腫瘍、先端巨大症・下垂体性巨人症、進行・再発癌患者の緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状>
9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
<先天性高インスリン血症に伴う低血糖>
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 皮下注射にあたっては、組織、神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
・神経走行部位を避けるように注意すること。
・繰返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど同一部位を避けて行うこと。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
・注射部位に疼痛をみることがある。
14.1.2 持続皮下投与時の各種シリンジポンプ等医薬品注入器の具体的な使用方法については、注入機器の使用説明書注3)及びノバルティスファーマ社作成使用手引き注4)の内容を熟知して使用すること。
注3)当該注入機器の製造販売業者作成の添付文書及び取扱い説明書
注4)本剤の注入速度の設定方法、注入液量の調整方法についての解説
14.2 配合変化
本剤と高カロリー輸液との配合により、オクトレオチドの残存率が低下するとの報告がある
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 海外において本剤により消化管ホルモン産生腫瘍の症状が管理されていた患者で症状管理が不可能になり、急激に症状が再発したとの報告がある。
15.1.2 オクトレオチド酢酸塩製剤を反復投与した患者に、抗オクトレオチド抗体が出現することがある。なお、抗体に起因すると考えられる特異的な副作用は認められていない。
15.1.3 本剤により脂肪の吸収が低下する可能性がある。海外において本剤の投与中に糞中の脂肪が増加したとの報告がある。
15.1.4 海外において本剤を投与された患者で、血清ビタミンB12の低下、シリングテストでの異常値がみられたとの報告がある。
外箱開封後は遮光して保存すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シクロスポリン | シクロスポリンの血中濃度が低下することがある。 | 本剤がシクロスポリンの吸収を阻害するため。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| インスリン製剤 | 血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること。 | インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ブロモクリプチン | ブロモクリプチンのAUCが上昇したとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
血圧低下、呼吸困難、気管支痙攣等のアナフィラキシーがあらわれることがある。皮疹、そう痒、蕁麻疹、発疹を伴う末梢性の浮腫等があらわれた場合には直ちに投与を中止すること。また、その後の投与は行わないこと。
11.1.2 徐脈(0.1%)
投与直後に重篤な徐脈を起こすことがある。β-遮断剤、カルシウム拮抗剤等の徐脈作用を有する薬剤又は水分や電解質を補正する薬剤を投与している患者において、徐脈が認められた場合、これらの用量を調節すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 1〜5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
| 内分泌障害 | − | − | − | 甲状腺機能低下症、甲状腺機能障害(甲状腺刺激ホルモン(TSH)減少、総サイロキシン(T4)減少及び遊離T4減少等) |
| 代謝及び栄養障害 | − | − | 耐糖能異常注1)、低血糖注1)、高血糖注1) | 脱水 |
| 神経系障害 | − | − | 頭痛、めまい | − |
| 呼吸器障害 | − | − | 呼吸困難 | |
| 胃腸障害 | 嘔気 | 胃部不快感、下痢、嘔吐 | 便秘、腹痛、食欲不振、白色便、腹部膨満 | 膵炎、鼓腸放屁 |
| 肝胆道系障害 | − | 肝機能異常、AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇、胆石注2) | LDH上昇、ビリルビン上昇 | 胆嚢炎 |
| 皮膚及び皮下組織障害 | − | − | 発赤、皮膚そう痒感、脱毛 | − |
| 全身障害 | − | − | 疲労、けん怠感 | − |
| 注射部位 | 疼痛 | − | 発赤、硬結 | 刺激感、刺痛、腫脹、灼熱感 |
注1)[8.1参照]
注2)[8.2参照]
サンドスタチン皮下注用50μg 817円/管
サンドスタチン皮下注用100μg 1357円/管
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