本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
<適応菌種>
ファロペネムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、百日咳菌
<適応症>
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、猩紅熱、百日咳
通常、小児に対してファロペネムナトリウム水和物として1回5mg(力価)/kgを1日3回、用時溶解して経口投与する。
なお、年齢、体重及び症状に応じて適宜増減する。増量の場合は1回10mg(力価)/kgを上限とする。
8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2 ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと。[11.1.1参照]
8.3 AST・ALT・Al-P等の上昇、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.6参照]
8.4 本剤で最も発現頻度が高い副作用は下痢、軟便であり、次のような傾向が認められているので、投与量に留意するとともに、便の状態を十分に観察し、下痢、軟便があらわれた場合には、その症状、程度、経過に応じ、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。また、下痢、軟便があらわれた場合には症状の経過に十分に留意し、医師の指示を受けるよう患者の保護者や患者を指導すること。[9.1.4、11.2参照]
・下痢、軟便の副作用発現頻度は、3歳以上(4.0%)に比べ3歳未満(13.5%)の患者で高いので3歳未満の乳幼児への投与に際しては観察を十分に行うこと。
・下痢、軟便の発現は投与開始から3日目までにみられることが多いので投与開始の初期には特に注意し、観察すること。
・1回投与量が高くなるにつれ、下痢、軟便の発現頻度が高くなる傾向が認められた(5mg(力価)/kg:5.4%、7.5mg(力価)/kg:9.2%、10mg(力価)/kg:10.9%)ので投与量に留意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 ペニシリン系、セフェム系又はカルバペネム系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
9.1.2 本人又は両親、兄弟が気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
9.1.3 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
9.1.4 下痢症状を呈している患者
下痢症状を悪化させる可能性がある。[8.4参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 高度の腎機能障害の患者
投与量を減量するか投与間隔をあけて使用すること。本剤の主たる排泄経路は腎臓であり、血中濃度半減期が延長し、血中濃度が持続する。[16.6.1参照]
9.7 小児等
低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤は用時調製の製剤であるので、調製後の保存は避け、水に溶解後は速やかに使用すること。やむをえず保存を必要とする場合は、冷蔵庫内に保存し、できるかぎり速やかに使用すること。
14.1.2 市販飲料により調製する場合は、用時調製し、速やかに使用すること。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 腎臓への影響
イヌに2,000mg/kg以上を単回経口投与、又は250mg/kg以上を単回静脈内投与した結果、血中の尿素窒素及びクレアチニンが上昇し、腎毒性が認められた
<瓶包装品>
本剤は吸湿しやすいので、調剤後その都度密栓すること(香料の減少や吸湿による主成分の分解により特異臭や、吸湿により塊が発生することがある)。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| イミペネム・シラスタチンナトリウム | 動物実験(ラット)で、本剤の血中濃度が上昇することが報告されている。 | シラスタチンにより代謝酵素が阻害されることによる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フロセミド | 動物実験(イヌ)で、本剤の腎毒性が増強されることが報告されている。 | 機序は不明。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| バルプロ酸ナトリウム | カルバペネム系薬剤(メロペネム、パニペネム・ベタミプロン、イミペネム・シラスタチンナトリウム)との併用によりバルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発することが報告されている。 | 機序は不明。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
不快感、口内異常感、喘鳴、呼吸困難、眩暈、便意、耳鳴、発汗、全身潮紅、血管浮腫、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.2参照]
11.1.2 急性腎障害(頻度不明)
急性腎障害等の重篤な腎機能障害があらわれることがある。
11.1.3 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)
腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.4 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
11.1.5 間質性肺炎、PIE症候群(いずれも頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.6 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST・ALT・Al-P等の上昇、黄疸があらわれることがある。[8.3参照]
11.1.7 無顆粒球症(頻度不明)
11.1.8 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎障害等の重篤な腎機能障害があらわれることがある。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 5%未満 | 頻度不明 | |
| 過敏症 | 発疹、蕁麻疹 | そう痒、発熱、発赤、紅斑 | |
| 血液 | 好酸球増多 | 白血球分画の異常等、顆粒球数の変動、血小板数の変動 | |
| 肝臓 | AST・ALT・γ-GTP・Al-P・LDHの上昇 | ビリルビンの上昇 | |
| 腎臓 | BUNの上昇 | クレアチニンの上昇 | |
| 消化器 | 下痢注1) | 軟便注1) | 嘔気、嘔吐、腹痛、食欲不振、腹部膨満感、口角炎、口唇炎、胃腸障害、消化不良、胃炎、便秘 |
| 菌交代症 | カンジダ症注2) | 口内炎 | |
| ビタミン欠乏症 | ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等) | ||
| その他 | しびれ、ほてり、頭痛、めまい、眠気、浮腫、口唇乾燥、眼痛、爪変色、倦怠感 |
注1)[8.4参照]
注2)小児では臀部に浅在性皮膚カンジダ症があらわれることがある。
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副作用の頻度
投稿日: 2015/02/10 参考率: 100%(3人/3人)
小児科/30代/処方経験なし