リンパック透析剤1号

人工腎臓用透析液粉末製剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 ブドウ糖 塩化カリウム 塩化カルシウム水和物 塩化ナトリウム 塩化マグネシウム 炭酸水素ナトリウム 無水酢酸ナトリウム
製造/販売 ニプロ
剤形/規格
  • リンパック透析剤1号

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効能・効果

  • 慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液として、活性型ビタミンD3製剤やカルシウム製剤の投与などによる高カルシウム血症を起こす場合であって、以下の要因を持つものに用いる。

    • 無糖の透析液では、血糖値管理の困難な場合

    • カリウム、マグネシウムの高い透析液では、高カリウム血症、高マグネシウム血症の改善が不十分な場合

用法・容量

  • A-1剤1包(2250g)とA-2剤1包(315g)を希釈水で溶解し、A液(9L)を製する。B剤1包(741.3g)を希釈水で溶解し、B液(10.59L)を製する。

  • 通常、A液:B液:希釈水=1:1.18:32.82の希釈・調製比率の重炭酸型透析液供給装置を用いて血液透析を行う場合の灌流液として使用する。
    用量は透析時間により異なるが、通常、灌流液として150〜300Lを用いる。

注意事項

重要な基本的注意

  • 本剤は、慢性腎不全に対する通常の血液透析に使用するが、次の事項を考慮して使用する。

    • 本剤は、炭酸水素ナトリウムを含む製剤であるので、次のような場合に使用する。

      • 酢酸濃度の高い透析液では、代謝性アシドーシスの改善が不十分な場合

      • 酢酸濃度の高い透析液では、不均衡症候群、血圧低下等のため、血液透析療法の持続又は管理の困難な場合

      • 酢酸濃度の高い透析液では、十分な除水(体重維持)ができない場合

    • 本剤は、ブドウ糖を含む製剤であるので、次のような場合に使用する。

      • ブドウ糖を含まない透析液では、透析中血糖値の急激な低下等、良好な血糖コントロールの困難な場合

    • 本剤は、カリウム、カルシウム、マグネシウム濃度の低い製剤であるので、次のような場合に使用する。

      • 活性型ビタミンD3製剤やリン吸着剤としてカルシウム製剤等の薬剤使用中で、カルシウム濃度の高い透析液では、高カルシウム血症を起こす場合

      • カリウム、マグネシウム濃度の高い透析液では、高カリウム血症、高マグネシウム血症の改善が不十分な場合

      • 長期使用する場合には、骨代謝異常があらわれることがあるので、定期的に臨床検査(生化学検査、X線検査等)を行い、活性型ビタミンD3製剤の投与等の適切な処置を行うこと。

      • アルミニウム骨症の患者は、骨塩量が低下することがあるので、骨塩量を定期的に測定し、低下する場合はカルシウム濃度3.0mEq/L以上の透析液を用いること。

慎重投与

  • 高度の肝障害又は重症糖尿病等による酢酸代謝障害のある患者[酢酸が代謝されず、その作用(心機能抑制、末梢血管拡張)により血圧低下等があらわれるおそれがある。]

  • ジギタリス配糖体製剤投与中の患者[血清カリウム値低下によるジギタリス中毒発症のおそれがある。]

適用上の注意

  • 用途

    本剤は、注射又は腹膜灌流に使用しないこと。

  • 透析用希釈用水

    希釈する水については、脱イオン水が望ましいが、水道水等を用いる場合は、水道水中に存在するカルシウム等の濃度を十分考慮に入れて使用すること。特に、カルシウム濃度が0.5mEq/Lを超えるような場合には、軟水化装置(純水装置)等を用いて軟水又は脱イオン水として用いることが望ましい。

  • 調製時

    • A-1剤、A-2剤B剤を直接混合しないこと。A-1剤(電解質)、A-2剤(ブドウ糖)を溶解したA液、B剤(炭酸水素ナトリウム)を溶解したB液は、それぞれ単独では使用しないこと。
      また両液の濃厚液を直接混合しないこと。

    • 本剤は、用時調製の製剤であり、A-1剤、A-2剤を溶解したA液とB剤を溶解したB液とを混合希釈した透析液は、調製後速やかに使用すること。

    • B剤(炭酸水素ナトリウム)を溶解したB液の残液は使用しないこと。

    • 定められた希釈液として調製すること。
      希釈濃度が不正確な場合は、次のような症状を起こすことがあるので注意すること。

      • 濃度が高すぎた場合

        頭痛、心悸亢進、血圧上昇、意識障害

      • 濃度が低すぎた場合

        四肢のしびれ感、全身倦怠、胸内苦悶、急激な血圧低下、意識障害

    • 使用前に透析液の電解質濃度を測定し、それらが適正であることを確認すること。

    • 透析液のpHは希釈水等の影響で若干の変動があり得るので、使用前にpH7.2〜7.4の範囲内にあることを確認すること。

    • 透析液の浸透圧測定に際しては、生理食塩液の浸透圧(理論値308mOsm/L)を測定し、実測値を補正すること。

  • 使用時

    • 透析患者の血清浸透圧は、高窒素血症のため高値を示すのが普通であるから、血液側の陽圧によって、透析液浸透圧とのバランスを保つこと。

    • 使用に際しては、体温程度に温めること。

    • 透析液中の沈殿の有無を透析器前の透析液回路で確認し、沈殿の認められる透析液は使用しないこと。

その他の注意

  • 本剤の使用に際しては、定期的に血液検査(電解質、酸・塩基平衡、BUN、クレアチニン、尿酸、血糖等)を行うことが望ましい。

取扱上の注意

  • 安定性試験

    最終包装製品を用いた長期保存試験[室温(1〜30℃)、2年間]の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、リンパック透析剤1号は通常の市場流通下において2年間安定であることが確認された。

相互作用

副作用

副作用発現状況の概要

  • 承認時までの慢性腎不全患者を対象とした臨床試験において、66例中、血圧低下2例(3.0%)、口渇2例(3.0%)、下肢硬直1例(1.5%)が認められた。

    • (参考)

      本剤は、レナゾール-Dの剤型変更製剤であり、レナゾール-Dの承認時までの臨床試験においては、224例中に15例(6.7%)、19件(8.5%)に副作用が認められ、その内訳はHS-PTH上昇4件(1.79%)、局所痙攣3件(1.34%)、下肢痙攣2件(0.89%)、筋痙攣2件(0.89%)、四肢しびれ1件(0.45%)、血糖値上昇1件(0.45%)、低血糖状態1件(0.45%)、不整脈1件(0.45%)、気分不良1件(0.45%)、倦怠感1件(0.45%)、そう痒感1件(0.45%)、食欲不振1件(0.45%)であった。

その他の副作用

  • 透析療法により、次のような症状があらわれるおそれがある。このような場合には、それぞれ適切な処置を行うこと。
    症状 処置
    循環器 循環血液量の急激な減少による低血圧、ショック 透析を中止するか又は透析効率を下げ、輸液剤、昇圧剤の投与等を行う。
    血圧上昇 降圧剤の投与、酢酸型透析液への変更等を行う。
    カルシウム代謝異常 低カルシウム血症(痙攣、気分不快感等) カルシウム濃度の高い透析液への変更、カルシウム製剤の投与等を行う。
    骨合併症(骨粗鬆症、骨軟化症、線維性骨炎等) 活性型ビタミンD3製剤の投与等を行う。
    異所性石灰沈着症 リン吸着剤の投与により、血清リン値を正常範囲内に維持する。
    血糖 低血糖 ブドウ糖液の注射、糖分の補給等を直ちに行う。
    高血糖 ブドウ糖を含まない透析液による透析等を行う。
    不均衡症候群 頭痛、悪心、嘔吐、痙攣、意識混濁、不快、倦怠感等 生理食塩液の投与、透析効率を下げるなどの処置を行う。
    その他 口渇 水分摂取量が過剰にならないよう注意する。
    必要に応じて適切な除水、体重のコントロールを行う。

薬価

リンパック透析剤1号

評価サマリー

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