本剤の耐性菌の発現を防ぐため,「用法・用量に関連する使用上の注意」の項を熟読の上,適正使用に努めること。
本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
感染性腸炎
<適応菌種>
バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA),クロストリジウム・ディフィシル
<適応症>
感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)
骨髄移植時の消化管内殺菌
感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)
用時溶解し,通常,成人1回0.125〜0.5g(力価)を1日4回経口投与する。
なお,年齢,体重,症状により適宜増減する。
骨髄移植時の消化管内殺菌
用時溶解し,通常,成人1回0.5g(力価)を非吸収性の抗菌剤及び抗真菌剤と併用して1日4〜6回経口投与する。
なお,年齢,体重,症状により適宜増減する。
偽膜性大腸炎等の腸管病変が重篤でかつ高度の腎障害患者(血液透析中等)では,本剤の経口投与により蓄積を起こす可能性があり,バンコマイシン塩酸塩の静脈内投与で報告されているものと同様な副作用が発現する危険性があるので注意すること。[「副作用(1)重大な副作用」,「薬物動態」の項参照]
本剤の成分又はペプチド系抗生物質,アミノグリコシド系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
ペプチド系抗生物質,アミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者[難聴が発現又は増悪するおそれがある。]
腎障害のある患者[重度の腸管炎症のある患者では,吸収され,蓄積するおそれがあり,バンコマイシン塩酸塩の静脈内投与で報告されているものと同様な副作用が発現する危険性があるので注意すること。(「副作用(1)重大な副作用」,「薬物動態」の項参照)]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
調製方法
本剤はバイアル入りの散剤(無菌)である。骨髄移植時の消化管内殺菌を目的とする場合は,注射器を用い5〜10mLの溶解液(注射用水等)で溶解する。
調製時
薬剤溶液そのままで服用しにくい場合には,単シロップ等で矯味してもよい。
服用時(骨髄移植時の消化管内殺菌を目的とする場合)
用時溶解液は無菌のものを用い,溶解後は直ちに服用すること。また,服用にあたっては口腔内殺菌のために薬剤溶液で十分含嗽した後飲用することが望ましい。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| コレスチラミン | 同時に投与すると本剤の臨床効果が減弱するおそれがあるので,数時間間隔をあけて投与すること。 | コレスチラミンは腸管内でバンコマイシンと結合する。 |
骨髄移植時の消化管内殺菌
承認時における安全性評価対象例12例中1例(8%),再審査終了時における安全性評価対象例70例中49例(70%)に副作用が認められた
クロストリジウム・ディフィシルによる偽膜性大腸炎
承認時における安全性評価対象例41例中3例(7%),再審査終了時における安全性評価対象例257例中11例(4.3%)に臨床検査値の異常変動を含む副作用が認められた
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による感染性腸炎
承認時における安全性評価対象例53例では副作用は認められなかった。臨床検査値の異常変動は安全性評価対象例51例中8例(16%)に認められた
再審査終了時における安全性評価対象例1306例中146例(11.18%)に臨床検査値の異常変動を含む副作用が認められた。
(副作用の発現頻度は,承認時,再審査終了時の成績及び自発報告等に基づく。)
ショック(0.1%未満)
ショックを起こすことがあるので,観察を十分に行い,症状(血圧低下,不快感,口内異常感,喘鳴,眩暈,便意,耳鳴り,発汗等)があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
注射用バンコマイシン塩酸塩製剤で,アナフィラキシー,急性腎
| 3%以上 | 3%未満 | 頻度不明 | |
| 過敏症注1 | 発熱,発疹,潮紅 | 悪寒,蕁麻疹,そう痒 | |
| 血液 | 好酸球増多,白血球減少,血小板減少 | 貧血 | |
| 肝臓 | AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,Al-P上昇 | ||
| 消化器 | 下痢(48%注2),悪心(28%注2)・嘔吐(34%注2) | 食欲不振 | |
| 腎臓 | BUN上昇,クレアチニン上昇 | ||
| その他 | 口内炎,舌炎 |
注1:症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
注2:骨髄移植時の消化管内殺菌における発現頻度
塩酸バンコマイシン散0.5g 1940.2円/瓶
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