本剤の成分又はリンコマイシン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
エリスロマイシンを投与中の患者[10.1参照]
<適応菌種>
クリンダマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌
<適応症>
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、涙嚢炎、麦粒腫、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎、猩紅熱
通常、成人はクリンダマイシン塩酸塩として1回150mg(力価)を6時間ごとに経口投与、重症感染症には1回300mg(力価)を8時間ごとに経口投与する。
小児には体重1kgにつき、1日量15mg(力価)を3〜4回に分けて経口投与、重症感染症には体重1kgにつき1日量20mg(力価)を3〜4回に分けて経口投与する。ただし、年齢、体重、症状等に応じて適宜増減する。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
本剤の投与により、まれに発熱、腹痛、白血球増多、粘液・血液便を伴う激症下痢を主症状とする重篤な大腸炎で、内視鏡検査により偽膜斑等の形成をみる偽膜性大腸炎があらわれることがある。発症後直ちに投与を中止しなければ電解質失調、低蛋白血症等に陥り、特に高齢者及び衰弱患者では予後不良となることがある。
したがって、投与患者に対し、投与中又は投与後2〜3週間までに腹痛、頻回な下痢があらわれた場合には服用を中止し、直ちに医師に通知するよう注意すること。[5.2、9.1.1、9.8.2、11.1.2参照]
汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、好酸球増多、白血球減少、顆粒球減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行うこと。[11.1.5、11.2参照]
肝機能障害、黄疸、Al-Pの上昇、ASTの上昇、ALTの上昇があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.7、11.2参照]
急性腎障害、BUNの上昇、クレアチニンの上昇、NPNの上昇、窒素血症、乏尿、蛋白尿があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.8、11.2参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 衰弱患者、大腸炎等の既往歴のある患者
偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれるおそれがある。[8.2、11.1.2参照]
9.1.2 アトピー性体質の患者
重症の即時型アレルギー反応があらわれるおそれがある。
9.1.3 食道通過障害のある患者
食道に停留し、崩壊すると、
食道潰瘍を起こすおそれがある。
9.1.4 重症筋無力症の患者
本剤は筋への直接作用により収縮を抑制するので、症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
腎排泄は本剤の主排泄経路ではないが、消失半減期が延長するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
胆汁排泄のため、消失半減期が延長するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行する。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。
偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれるおそれがある。[8.2、11.1.2参照]
14.1 薬剤交付時の注意
水又は牛乳で服用させ、
すること。食道に停留し、崩壊すると、まれに
食道潰瘍を起こすことがある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
エリスロマイシン(エリスロシン等)[2.2参照] | 併用しても本剤の効果があらわれないと考えられる。 | 細菌のリボゾーム50S Subunitへの親和性が本剤より高い。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
末梢性筋弛緩剤スキサメトニウムツボクラリン等 | 筋弛緩作用が増強される。 | 本剤は神経筋遮断作用を有する。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等のアナフィラキシーを伴うことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、血圧の維持、体液の補充管理、気道の確保等の適切な処置を行うこと。
11.1.2 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)
腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、輸液、バンコマイシンの経口投与等の適切な処置を行うこと。[5.2、8.2、9.1.1、9.8.2参照]
(頻度不明)
、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
、剥脱性皮膚炎(頻度不明)
11.1.4 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
(頻度不明)
、無顆粒球症(頻度不明)
、血小板減少(頻度不明)[8.3参照]
11.1.6 間質性肺炎(頻度不明)、PIE症候群(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.7 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、Al-P等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。[8.4参照]
(頻度不明)[8.5参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
頻度不明 | |
消化器 | 食道炎、食道潰瘍、下痢、軟便、食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛、舌炎 |
過敏症 | そう痒、発疹、浮腫 |
血液a) | 好酸球増多、白血球減少、顆粒球減少 |
肝臓b) | Al-Pの上昇、ASTの上昇、ALTの上昇 |
腎臓c) | BUNの上昇、クレアチニンの上昇、NPNの上昇、窒素血症、乏尿、蛋白尿 |
神経系 | 耳鳴、めまい |
菌交代症 | 口内炎、カンジダ症 |
その他 | 発熱、頭痛、倦怠感、腟炎、小水疱性皮膚炎、多発性関節炎、苦味 |
a:[8.3参照]
b:[8.4参照]
c:[8.5参照]
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