インヒベース錠0.25 他

持続性ACE阻害剤

4.0(1件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 シラザプリル水和物
製造/販売 中外製薬
剤形/規格
  • インヒベース錠0.25
  • インヒベース錠0.5
  • インヒベース錠1

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禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。]

  • デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[ショックを起こすことがある(「相互作用」の項参照)。]

  • アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[アナフィラキシーを発現することがある(「相互作用」の項参照)。]

  • 腹水を伴う肝硬変のある患者[本剤の活性代謝物の血中濃度が上昇し、重篤な低血圧を起こすことがある。]

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

  • アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている(「重要な基本的注意」の項参照)。]

効能・効果

  • 高血圧症

用法・容量

  • 通常、成人にはシラザプリル(無水物)として1日1回0.5mgより経口投与し漸次増量するが、最大1日1回2mgまでとする。ただし、重症又は腎障害を伴う患者にはシラザプリル(無水物)として1日1回0.25mgから投与を開始する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。

  • 高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
    また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。

  • 本剤の投与により、初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、特に次の患者に投与する場合は、少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。

    • 重症の高血圧症患者

    • 血液透析中の患者

    • 厳重な減塩療法中の患者

    • 利尿降圧剤投与中の患者(特に最近利尿降圧剤投与を開始した患者)

  • アリスキレンを併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
    なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。

  • 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

  • 手術前24時間は投与しないことが望ましい。

慎重投与

  • 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)

  • 高カリウム血症の患者(「重要な基本的注意」の項参照)

  • 重篤な腎機能障害のある患者(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)

  • 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

  • 肝硬変のある患者[過度の血圧低下を起こすことがある。]

適用上の注意

  • 薬剤交付時

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

  • インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。

  • 外国において、他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤(エナラプリルマレイン酸塩)服用中の患者が膜翅目毒(ハチ毒)による脱感作中にアナフィラキシーを発現したとの報告がある。

相互作用

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行リポソーバーイムソーバTRセルソーバ等 血圧低下、潮紅、嘔気、嘔吐、腹痛、しびれ、熱感、呼吸困難、頻脈等の症状があらわれショックを起こすことがある。 陰性に荷電したデキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートにより血中キニン系の代謝が亢進し、ブラジキニン産生が増大する。更に本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積すると考えられている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた血液透析の施行(AN69) アナフィラキシーを発現することがある。 多価イオン体であるAN69により血中キニン系の代謝が亢進し、本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積すると考えられている。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カリウム保持性利尿剤スピロノラクトントリアムテレン 等カリウム補給剤塩化カリウム 等 トリメトプリム含有製剤 スルファメトキサゾール・トリメトプリム 血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム値に注意すること。 本剤は、アンジオテンシンII産生を抑制し、アルドステロンの分泌を低下させ、カリウム排泄を減少させる。腎機能障害のある患者には特に注意する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シクロスポリン 血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム値に注意すること。 高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
利尿降圧剤ヒドロクロロチアジドフロセミド 等 初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので、少量より投与を開始すること。 利尿剤の長期投与により血漿レニン活性が上昇している状態では、本剤の投与により急激な血圧低下を起こすおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アリスキレン 腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アンジオテンシンII受容体拮抗剤 腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。 併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リチウム製剤炭酸リチウム 外国において、他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤(カプトプリル、エナラプリルマレイン酸塩、リシノプリル)との併用により、リチウム中毒が報告されているので血中のリチウム濃度に注意すること。 腎尿細管におけるリチウムの再吸収を促進する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
非ステロイド性消炎鎮痛剤インドメタシン 等 降圧作用が減弱することがある。 プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧効果を減弱させる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
非ステロイド性消炎鎮痛剤インドメタシン 等 腎機能を悪化させるおそれがある。 プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カリジノゲナーゼ製剤 本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。 本剤のキニン分解抑制作用とカリジノゲナーゼ製剤のキニン産生作用により、血中キニン濃度が増大し血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 承認時迄の調査及び使用成績調査注2)14,929例において、副作用は494例(3.31%)に認められた。主な副作用は、咳295件(1.98%)、ALT(GPT)上昇23件(0.15%)、AST(GOT)上昇22件(0.15%)、めまい・眩暈15件(0.10%)、血清コレステロール上昇14件(0.09%)、低血圧12件(0.08%)、BUN上昇11件(0.07%)等であった。

  • また、長期投与調査注2)396例において、副作用は58例(14.65%)に認められた。主な副作用は、咳51件(12.88%)、めまい4件(1.01%)、頭痛4件(1.01%)、肩こり3件(0.76%)、咽頭不快感3件(0.76%)等であった。(再審査終了時)

  • 注2)承認時以降の調査

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • (以下の副作用はすべて頻度不明)

  • 血管浮腫

    呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、アドレナリン注射、気道確保等の適切な処置を行うこと。
    他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、腸管の血管浮腫(症状:腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等)があらわれることが報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 急性腎不全

    急性腎不全があらわれることがあるので、特に腎障害、脱水症状等を有する患者に投与する場合には、定期的に検査を行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 高カリウム血症

    重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。

  • 膵炎

    膵炎があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

  • 次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。

  • (頻度不明は※)

0.1%以上又は頻度不明 0.1%未満
過敏症 注3) 発疹、そう
腎臓 BUN、クレアチニンの上昇、蛋白尿
血液 注4) 白血球減少、貧血
精神神経系 めまい 頭痛、ふらつき、不眠、眠気、しびれ感、口内しびれ感、耳鳴
循環器 低血圧、動悸、心室性期外収縮
消化器 下痢、嘔気・嘔吐、食欲不振、心窩部痛、胸やけ
肝臓 AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇 Al-P、LDHの上昇
呼吸器 咳(1.98%) 咽頭痛、痰
その他 低血糖 総コレステロール、尿酸、血清カリウムの上昇、倦怠感、疲労、胸痛、口内異物感、味覚異常、ほてり、肩こり、浮腫、発赤
  • 注3)観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 注4)観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

薬価

インヒベース錠0.25 16.6円/錠
インヒベース錠0.5 28.5円/錠
インヒベース錠1 42.6円/錠

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