2.1 急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
2.2 重症筋無力症の患者[本剤の筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。]
2.3 リトナビル(HIVプロテアーゼ阻害剤)、ニルマトレルビル・リトナビルを投与中の患者[10.1参照]
○神経症における不安・緊張・抑うつ
○うつ病における不安・緊張
○心身症(消化器疾患、循環器疾患、自律神経失調症、更年期障害、腰痛症、頸肩腕症候群)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ
○下記疾患における筋緊張の軽減
脳脊髄疾患に伴う筋痙攣・疼痛
○麻酔前投薬
通常、成人には1回ジアゼパムとして2〜5mgを1日2〜4回経口投与する。ただし、外来患者は原則として1日量ジアゼパムとして15mg以内とする。
また、小児に用いる場合には、3歳以下は1日量ジアゼパムとして1〜5mgを、4〜12歳は1日量ジアゼパムとして2〜10mgを、それぞれ1〜3回に分割経口投与する。
筋痙攣患者に用いる場合は、通常成人には1回ジアゼパムとして2〜10mgを1日3〜4回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
麻酔前投薬の場合は、通常成人には1回ジアゼパムとして5〜10mgを就寝前または手術前に経口投与する。なお、年齢、症状、疾患により適宜増減する。
8.1 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
8.2 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。[11.1.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心障害のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.2 脳に器質的障害のある患者
作用が強くあらわれる。
9.1.3 衰弱患者
作用が強くあらわれる。
9.1.4 中等度又は重篤な呼吸不全のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
排泄が遅延するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
排泄が遅延するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.5.1 妊娠中に本剤の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
9.5.2 ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
9.5.3 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことがあり、また、黄疸を増強する可能性がある。
9.7 小児等
乳児、幼児では作用が強くあらわれる。
9.8 高齢者
少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。
13.1 処置
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。
外箱開封後は遮光して保存すること。
本剤は厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、投薬量は1回90日分を限度とされている。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リトナビルノービアニルマトレルビル・リトナビルパキロビッド[2.3参照] | 過度の鎮静や呼吸抑制等が起こる可能性がある。 | チトクロームP450に対する競合的阻害により、本剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測されている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 中枢神経抑制剤フェノチアジン誘導体バルビツール酸誘導体等モノアミン酸化酵素阻害剤オピオイド鎮痛剤 | 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。 | 相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アルコール(飲酒) | 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。 | 相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シメチジンオメプラゾールエソメプラゾールランソプラゾール | 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。 | 本剤のクリアランスがシメチジンとの併用により27〜51%、オメプラゾールとの併用により27〜55%減少することが報告されている。本剤の代謝、排泄を遅延させるおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シプロフロキサシン | 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。 | 本剤のクリアランスが37%減少することが報告されている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フルボキサミンマレイン酸塩 | 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。 | 本剤のクリアランスが65%減少することが報告されている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強いCYP3Aを阻害する薬剤コビシスタットを含有する製剤ボリコナゾール等 | 本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 | これら薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害されるため。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A4で代謝される薬剤アゼルニジピンホスアンプレナビル等 | 本剤又はこれらの薬剤の作用が増強されるおそれがある。 | 本剤とこれらの薬剤がCYP3A4を競合的に阻害することにより、相互のクリアランスが低下すると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エトラビリン | 本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 | エトラビリンのCYP2C9、CYP2C19阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| マプロチリン塩酸塩 | 1)眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。2)併用中の本剤を急速に減量又は中止すると痙攣発作がおこる可能性がある。 | 1)相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。2)本剤の抗痙攣作用により抑制されていたマプロチリン塩酸塩の痙攣誘発作用が本剤の減量・中止によりあらわれることが考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ミルタザピン | 鎮静作用が増強されるおそれがある。また、ミルタザピンとの併用により精神運動機能及び学習獲得能力が減退するとの報告がある。 | 相加的な鎮静作用を示すことが考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| バルプロ酸ナトリウム | 本剤の作用が増強することがある。 | 本剤の非結合型の血中濃度を上昇させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ダントロレンナトリウム水和物ボツリヌス毒素製剤 | 筋弛緩作用が増強する可能性がある。 | 相互に筋弛緩作用を増強することが考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファンピシン | 本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 | リファンピシンのCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アパルタミド | 本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 | アパルタミドのCYP2C19誘導作用により、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シナカルセトエボカルセト | これら薬剤の血中濃度に影響を与えるおそれがある。 | 血漿蛋白結合率が高いことによる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 無水カフェイン | 本剤の血中濃度が減少することがある。 | 不明 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 依存性、離脱症状(いずれも頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。[8.2参照]
11.1.2 刺激興奮、錯乱(いずれも頻度不明)
11.1.3 呼吸抑制(頻度不明)
慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制があらわれることがある。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | |
| 精神神経系 | 眠気、ふらつき、眩暈、歩行失調、頭痛、失禁、言語障害、振戦、霧視、複視、多幸症 |
| 肝臓 | 黄疸 |
| 血液 | 顆粒球減少、白血球減少 |
| 循環器 | 頻脈、血圧低下 |
| 消化器 | 悪心、嘔吐、食欲不振、便秘、口渇 |
| 過敏症 | 発疹 |
| その他 | 倦怠感、脱力感、浮腫 |
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