デスモプレシン・スプレー2.5協和

中枢性尿崩症用剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 デスモプレシン酢酸塩水和物
製造/販売 フェリング・ファーマ / キッセイ薬品工業
剤形/規格
  • デスモプレシン・ス...

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効能・効果

  • 中枢性尿崩症

用法・容量

  • 小児

    通常デスモプレシン酢酸塩水和物として1回2.5μg〜5μg〔1〜2噴霧〕を1日1〜2回鼻腔内に投与する。

  • 成人

    通常デスモプレシン酢酸塩水和物として1回5μg〜10μg〔2〜4噴霧〕を1日1〜2回鼻腔内に投与する。

  • 投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減する。

  • (鼻腔内投与法)

    「適用上の注意」の項参照

注意事項

重要な基本的注意

  • 多飲・多尿・低比重尿を示す疾患として中枢性尿崩症(バソプレシン感受性尿崩症)・心因性多飲症・腎性尿崩症・高カルシウム血症に基づく多尿症がある。これら各種疾患に基づく多尿を鑑別し、バソプレシン欠乏による尿崩症のみに使用すること。

  • 渇中枢異常を伴う症候性尿崩症の患者では水出納のバランスがくずれやすいので、本剤投与中は血清ナトリウム値に十分注意すること。

  • 本剤投与中に水中毒症状を来すことがあるので、次の点に注意すること。

    • 過度の飲水を避け、点滴・輸液による水分摂取にも注意すること。

    • 適正な飲水量、適正な用法の習得並びに維持量を決定するまで、入院するなど必要な処置をとることが望ましい。

    • 本剤投与中は患者の状態を観察し、水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)の発現に十分注意すること。

  • 水中毒の発現を予防するために患者及びその家族に次の点について十分説明・指導すること。

    • 指示された飲水量、用法・用量を厳守すること。

    • 過度に飲水してしまった場合は本剤の投与を行わないこと。発熱、喘息等の飲水が増加する疾患を合併している場合は特に注意すること。

    • 水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)があらわれた場合には直ちに投与を中断し、速やかに医師に連絡すること。

    • 他院や他科を受診する際には、本剤投与中である旨を担当医師に報告すること。

  • 尿量が自然に減少する患者がいるので観察を十分にし漫然と投与しないこと。

慎重投与

  • 高血圧を伴う循環器疾患、高度動脈硬化症、冠動脈血栓症、狭心症の患者[血圧上昇により症状を悪化させるおそれがある。]

  • 下垂体前葉不全を伴う患者[病状が不安定なため、水中毒等が発現しやすい。]

  • アレルギー性鼻炎を起こしたことのある患者

  • 鼻疾患を有する患者[鼻腔内投与のため吸収が安定しないおそれがある。]

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

過量投与

  • 症状

    水分貯留並びに低ナトリウム血症のリスクが高まり、頭痛、冷感、嘔気、痙攣、意識喪失等があらわれることがある。

  • 処置

    投与を中止し、水分を制限する。症状がある場合は等張若しくは高張食塩水の注入、フロセミドの投与等適切な処置を行う。

適用上の注意

  • 投与時

    投与前には吸収を安定させるため鼻をかむなどの注意をすること。

  • スプレーによる鼻腔内投与法

    • 容器から保護キャップを外す。(図[1]参照)

    • 容器からストッパーを外す。(図[2]参照)

    • 親指で底部を支え、人差指と中指でポンプを押えて容器を持つ。(図[3]参照)

        • 注意1

          本剤を初めて使用するときには、ポンプを数回(4回程度)押してチューブに薬液が吸い上げられるようにし、薬液が霧状に出てくることを確認してから使用する。
          また、長期間(1週間以上)使用していなかった場合等にもポンプを1回若しくは薬液が霧状に出てくるまで空打ちしてから使用する必要がある。

        • 注意2

          スプレー使用時には、瓶の内側のチューブの先端が必ず薬液の中に入っている状態で使用する。

    • 頭を少し後ろに傾け、ノズルの先端を鼻腔に入れ、息を止めてスプレーする。(図[4]参照)
      スプレー回数が複数の場合は、左右の鼻腔に交互にスプレーする。

    • スプレー後は薬液を鼻の奥まで行き渡らせるように、頭を後ろに傾けた状態で軽く鼻を押え、鼻から静かに息を吸うようにする。(図[5]参照)

    • 使用後はストッパーを取り付けノズルの先端をふいて、保護キャップをする。

    • *製品に同封されている「デスモプレシン・スプレー2.5協和のご使用にあたって」の説明文書もご参照ください。

  • 保管

    使用しないときは、冷蔵庫等で瓶を立てた状態にして保管する。

    • 注意

      ポケット等、体温が直接伝わるところに入れて携帯すると液漏れを起こすおそれがあるので、携帯時には収納ケースにおさめてバッグ等に入れて携帯する。

その他の注意

  • 動物実験(ラット)で泌乳低下(母乳の出が悪くなる)の可能性が示唆されている。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
三環系抗うつ剤 イミプラミン塩酸塩等 低ナトリウム血症性の痙攣発作の報告があるので、血清Na、血漿浸透圧等をモニターすること。 左記薬剤は抗利尿ホルモンを分泌し、水分貯留のリスクを増すことがある。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 本剤の承認時までの調査、デスモプレシン点鼻液協和の承認時までの調査及び1982年4月までの市販後の副作用頻度調査において1,305例中、副作用の発現例は159例(発現率12.2%)、237件であった。主な副作用は、頭痛66件(5.1%)、嘔気・嘔吐41件(3.1%)、浮腫25件(1.9%)、鼻粘膜刺激21件(1.6%)、水中毒〔低ナトリウム血症〕20件(1.5%)等であった。
    また、本剤と同一成分であるデスモプレシン・スプレー10協和の承認時までの調査及び市販後の使用成績調査においては1,015例中、副作用及び臨床検査値異常の発現例は36例(発現率3.6%)、60件であった。主な副作用は頭痛6件(0.6%)、ヘモグロビン減少5件(0.5%)、食欲不振、嘔気各4件(0.4%)、顔面浮腫3件(0.3%)、嘔吐、腹痛、鼻出血、発熱、不眠、傾眠、鼻部不快感、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、BUN上昇、ヘマトクリット減少、尿蛋白陽性化各2件(0.2%)等であった。(スプレー10再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 脳浮腫、昏睡、痙攣等を伴う重篤な水中毒があらわれることがあるので、過量な水分の摂取には十分注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、高張食塩水の注入、フロセミドの投与等の適切な処置を行うこと。(頻度不明:国外報告、国内自発報告に基づく)

その他の副作用

  • 次のような副作用(点鼻液、スプレー2.5、スプレー10)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。

0.5〜5%未満 0.5%未満
代謝 浮腫、低ナトリウム血症
精神神経系 頭痛 強直性痙攣、眠気、めまい、不眠
過敏症 全身そう痒感、発疹、顔面浮腫、蕁麻疹
消化器 嘔気・嘔吐 食欲不振、腹痛
循環器 顔面蒼白、のぼせ
その他 鼻粘膜刺激 鼻炎、発汗、全身倦怠感、鼻出血、発熱

薬価

デスモプレシン・スプレー2.5協和 3754.2円/瓶

評価サマリー

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