血栓症を引き起こすおそれがあるので、観察を十分に行いながら慎重に投与すること。異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.1-8.3、11.1.1参照]
2.1 血栓症の既往歴のある患者[血栓症を起こすおそれがある。][11.1.1参照]
2.2 アンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインSなどの凝固制御因子の欠損又は減少のある患者[血栓症を起こすおそれがある。][11.1.1参照]
2.3 重篤な肝障害、肝疾患のある患者[8.6、8.7、9.3.1参照]
2.4 重篤な心疾患のある患者[浮腫等の症状が強くあらわれるおそれがある。][9.1.1参照]
2.5 重篤な腎疾患のある患者[9.2.1参照]
2.6 ポルフィリン症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
2.7 アンドロゲン依存性腫瘍のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
2.8 診断のつかない異常性器出血のある患者[このような患者では悪性腫瘍の疑いがある。][8.4参照]
2.9 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[7.、9.5参照]
2.10 授乳婦[9.6参照]
○子宮内膜症
○乳腺症
<子宮内膜症>
通常、成人にはダナゾールとして1日200〜400mgを2回に分け、月経周期第2〜5日より、約4カ月間連続経口投与する。症状により増量する。
<乳腺症>
通常、成人にはダナゾールとして1日200mgを2回に分け、月経周期第2〜5日より、4〜6週間連続経口投与する。
8.1 投与にあたり、既往歴・家族歴を十分に聴取し、血栓症の発生に十分配慮すること。血栓症を起こしやすい因子・合併症を有する患者に投与する場合は、末梢血液一般検査(血小板数、ヘマトクリット値等)を行うことが望ましい。[1.、11.1.1参照]
8.2 血栓症の危険性は高齢者、特に40歳以上で高くなる。また外国では、喫煙が類薬(経口避妊薬)による重篤な副作用(血栓症等)の危険性を増大させ、また、この危険性は年齢及び喫煙量により増大すると報告されている。[1.、11.1.1参照]
8.3 投与により、血栓症を引き起こすおそれがあるので、下肢の疼痛・浮腫、激しい頭痛、嘔吐、吐き気、めまい等の症状があらわれた場合には、投与を中止すること。また、患者に対しては、異常が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。[1.、11.1.1参照]
8.4 投与に際して、類似疾患(悪性腫瘍、子宮筋腫等)との鑑別に留意し、投与中腫瘤が増大したり、臨床症状の改善がみられない場合は投与を中止すること。[2.8参照]
8.5 乳腺症における本剤の投与に際しては、月経前又は月経中を避けて診断を行い、症状(自発痛、圧痛、腫瘤・硬結)が持続性であることを確認すること。また症状が消失した場合は投与を中止すること。
8.6 定期的に肝機能検査を実施することが望ましい。[2.3、9.3.1、9.3.2、11.1.3、11.1.4参照]
8.7 長期投与により肝腫瘍、肝臓紫斑病(肝ペリオーシス)が発生したとの報告があるので定期的に肝超音波検査等の画像診断を実施することが望ましい。[2.3、9.3.1、9.3.2、11.1.4参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心疾患のある患者又はその既往歴のある患者(重篤な心疾患のある患者を除く)
浮腫等の症状が強くあらわれるおそれがある。[2.4参照]
9.1.2 てんかん患者、片頭痛のある患者
浮腫等により症状が強くあらわれるおそれがある。
9.1.3 糖尿病患者
十分コントロールを行いながら投与すること。耐糖能の異常がみられるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎疾患のある患者
投与しないこと。浮腫等の症状が強くあらわれるおそれがある。[2.5参照]
9.2.2 腎疾患のある患者又はその既往歴のある患者(重篤な腎疾患のある患者を除く)
浮腫等の症状が強くあらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害、肝疾患のある患者
投与しないこと。原疾患が悪化するおそれがある。[2.3、8.6、8.7、11.1.3、11.1.4参照]
9.3.2 肝機能障害、肝疾患のある患者(重篤な肝機能障害、肝疾患のある患者を除く)
原疾患が悪化するおそれがある。[8.6、8.7、11.1.3、11.1.4参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。女性胎児の男性化を起こすことが報告されている。[2.9、7.参照]
9.6 授乳婦
9.8 高齢者
減量(例えば1日100mg)するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
本剤の使用によって子宮内膜症治療患者における卵巣癌発現のリスクが増大するとの報告がある。
本剤は、CYP3A4に対する阻害作用を有する。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ワルファリンカリウム | 出血傾向(血尿・吐血等)を増強することが考えられる。 | 肝細胞でクマリンのレセプター部位への親和性増加と、ビタミンK依存性因子の産生阻害・異化促進によりワルファリンカリウムの作用が増強するためと考えられる。また、ダナゾールが抗凝血性を高めるとの報告もある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カルバマゼピン | カルバマゼピンの作用を増強することが考えられる。 | カルバマゼピンの代謝を抑制するためと考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シクロスポリン | シクロスポリンの作用を増強することが考えられる。 | 機序は明らかにされていないがシクロスポリンの血中濃度が上昇すると報告されている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| タクロリムス水和物 | タクロリムスの作用を増強することが考えられる。 | タクロリムスの脱メチル及び水酸化による代謝を抑制するためと考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| インスリン製剤(ヒトインスリン等) | 高血糖症状があらわれることがある。 | インスリン抵抗性を増強するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アルファカルシドール | 血中カルシウム値が上昇したとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シンバスタチンアトルバスタチンカルシウム水和物 | ミオパシー、横紋筋融解症が発現したとの報告がある。 | 本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、これらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血栓症(頻度不明)
脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症、網膜血栓症等があらわれることがある。[1.、2.1、2.2、8.1-8.3参照]
11.1.2 心筋梗塞(頻度不明)
11.1.3 劇症肝炎(頻度不明)[8.6、9.3.1、9.3.2参照]
11.1.4 肝腫瘍、肝臓紫斑病(肝ペリオーシス)(いずれも頻度不明)[8.6、8.7、9.3.1、9.3.2参照]
11.1.5 間質性肺炎(頻度不明)
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 0.5〜10%未満 | 0.5%未満 | 頻度不明 | |
| 肝臓 | ALT上昇(13.53%) | LDH上昇、AST上昇 | 黄疸、ALP上昇 | γ-GTP上昇 |
| 皮膚 | ざ瘡(16.25%) | 発疹、色素沈着、皮脂の分泌増加 | 脱毛、紅斑(多形滲出性紅斑等)、はだあれ、蕁麻疹、点状出血 | 光線過敏症 |
| 男性化現象 | 嗄声、多毛 | 陰核肥大 | ||
| 電解質代謝 | 浮腫(10.31%) | 体重増加 | ||
| 子宮 | 性器出血 | 帯下の増加、無月経 | ||
| 乳房 | 乳房変化(乳房縮小、乳頭痛等) | |||
| 血液 | 白血球減少 | 白血球増多、赤血球増多、血小板増多、血小板減少 | ||
| 消化器 | 悪心・嘔吐、胃不快感、胃痛、便秘、食欲亢進 | 下痢、食欲不振、口内炎、口渇 | ||
| 筋肉 | 筋肉痛、関節痛、しびれ、肩こり | 筋拘縮、痙攣、四肢の感覚異常 | 手根管症候群、CK上昇 | |
| 精神神経系 | 神経過敏、頭痛、めまい、倦怠感 | 眠気、耳鳴、不眠、精神不安 | 良性頭蓋内圧亢進注2)、抑うつ | |
| 低エストロゲン症状 | 熱感 | そう痒、発汗、顔面潮紅、腟炎、乾燥感 | ||
| その他 | 心悸亢進、眼精疲労、味覚異常、性欲減退、性欲亢進、コレステロール上昇 | 耐糖能の異常、立ちくらみ、血圧上昇 |
注1)発現頻度は、製造販売後調査の結果を含み、子宮内膜症及び乳腺症に対する試験の結果に基づき算出した。
注2)頭痛、悪心・嘔吐、一過性視力障害や複視があらわれることがある。
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