肥大型閉塞性心筋症のある患者[流出路閉塞が悪化する可能性がある。]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
下記の状態で他の薬剤を投与しても効果が不十分な場合
急性心不全
本剤は、ミルリノンとして体重1kgあたり50μgを10分間かけて静脈内投与し、引き続き1分間あたり0.5μg/kgを点滴静脈内投与する。
なお、点滴投与量は患者の血行動態、臨床症状に応じて1分間あたり0.25〜0.75μg/kgの範囲で適宜増減できる。また、患者の状態によっては、点滴静脈内投与から開始してもよい。
本剤は他の薬剤を投与しても効果が不十分な場合に適用を考慮すること。
本剤の投与前に体液減少及び電解質の是正、呼吸管理等の必要な処置を行うこと。
本剤の投与は、血圧、心拍数、心電図、尿量、腎機能、体液及び電解質、また可能な限り肺動脈楔入圧、心拍出量及び血液ガス等、患者の状態を観察しながら行うこと。
本剤の投与によっても、期待された改善がみられない場合には投与を中止し、他剤に切り替えるなどの必要な処置を行うこと。なお、腎機能の低下している患者にて、腎機能の悪化を来すことがあるので注意すること。
本剤の投与中に、過度の心拍数増加、血圧低下があらわれた場合には、過量投与の可能性があるので、このような場合には減量又は中止するなどの適切な処置を行うこと。
高度の大動脈弁狭窄・僧帽弁狭窄等がある患者では、本剤による改善がみられない可能性がある。
利尿剤を大量に投与されている患者では、本剤に十分反応しない可能性があるので注意すること。
フロセミド等のループ利尿剤の投与を受けている患者では、過度の利尿により低カリウム血症が生じやすいため、ジギタリスを併用している場合はジギタリスによる不整脈が生じやすくなるので、本剤と併用する際には注意すること。
急性心不全患者では、不整脈があらわれることがあり、本剤投与によりその可能性を高めるおそれがあるので、初期投与量を減量するなど注意すること。
本剤はブドウ糖を含んでいるため、ブドウ糖の投与が好ましくない患者には他の希釈剤で希釈したミルリーラ注射液10mgを使用すること。
水分摂取が制限されている患者では、水分摂取量が過剰にならないよう注意して投与すること。また、必要に応じミルリーラ注射液10mgの使用も考慮すること。
重篤な頻脈性不整脈のある患者[不整脈が悪化するおそれがある。]
腎機能の低下している患者[本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能の低下している患者では血漿中濃度が高くなることがある。(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)]
著しく血圧の低い患者[血圧がさらに低下するおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
血清カリウム低下のある患者[補正困難な場合、重篤な不整脈を来すおそれがある。]
調製時
他の注射液と混合せずに用いることが望ましい。[患者の病態に応じて、本剤の点滴静脈内投与量を調節する必要がある。]
現在までに下記に示す注射製剤との配合変化を起こすことがミルリーラ注射液10mgで確認されている。
フロセミド、ブメタニド、カンレノ酸カリウム、ピペラシリンナトリウム、ジベカシン硫酸塩、ピリドキサールリン酸エステル水和物、ジアゼパム、炭酸水素ナトリウム
また、セフォチアム塩酸塩は、配合後速やかに使用すること。やむを得ず使用する場合は、6時間以内に使用のこと。
投与時
本剤は希釈濃度が一定であるため、患者の体重、投与量により、必要に応じて輸液ポンプ等の使用も考慮すること。
本剤の使用に際しては、連結管による連続投与は行わないこと。
包装開封後は速やかに使用すること。
通気針の装着は必要ない。
本剤のバッグはやわらかいので、傷つけないよう注意すること。
以下の場合には使用しないこと。
内容液に混濁や浮遊物などの異常が認められたとき。
包装内に内容液の漏出が認められたとき。
包装が破損、又は薬液が変色していたとき。
排出部をシールしているフィルムが剥離していたとき。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カテコラミン系の強心薬ドパミン塩酸塩ドブタミン塩酸塩等 | 互いに強心作用を増強するが、不整脈の発現を助長させるおそれもある。必要に応じ、どちらかを減量すること。 | 薬理学的(強心作用)な相加作用による。 |
承認時までの臨床試験では、210例中45例(21.4%)に、市販後の使用成績調査では、3,122例中288例(9.2%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められている。(再審査結果通知:2008年6月)
以下の副作用は、上記の試験・調査あるいは自発報告等で認められたものである。
心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、心室細動、血圧低下(各0.1〜5%未満)
心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、心室細動、血圧低下があらわれることがあるので観察を十分に行い、これらが認められた場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
腎機能の悪化(0.1〜5%未満)
腎機能の低下している患者(慢性腎不全、糖尿病性腎症、高齢者等)では、腎機能の悪化を来すことがあるので、観察を十分に行い、このような場合には投与を中止すること。
以下の副作用は、上記の試験・調査あるいは自発報告等で認められたものである。
| 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
| 循環器 | 心房細動、心室性期外収縮、上室性期外収縮等の不整脈、頻脈 | 動悸 | |
| 血液 | 血小板減少 | ||
| 消化器 | 嘔気 | 嘔吐 | |
| その他 | 肝機能障害、LDH上昇 | ほてり感、頭痛 | 気管支攣縮 |
ミルリーラK注射液22.5mg 7146円/袋
m3.comにご登録済の方
薬剤名検索
薬剤情報提供:一般財団法人日本医薬情報センター 剤形写真提供:株式会社薬事日報社
・薬剤情報・剤形写真は月一回更新しておりますが、ご覧いただいた時点で最新情報ではない可能性がございます。 最新情報は、各製薬会社のWebサイトなどでご確認ください。
・投稿内容の中に適応外、承認用法・用量外の記載等が含まれる場合がありますが、エムスリー、製薬会社が推奨するものではありません。
使いやすさ
投稿日: 2015/03/17 参考率: 100%(1人/1人)
麻酔科/60代/処方経験あり