本剤の成分に対し、過敏症の既往歴のある患者
血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。]
デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[ショックを起こすことがある。「3.相互作用」の項参照]
アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[アナフィラキシーを発現することがある。「3.相互作用」の項参照]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。「2.重要な基本的注意」の項参照]
高血圧症
通常、成人にはトランドラプリルとして1〜2mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、重症高血圧症又は腎障害を伴う高血圧症の患者では0.5mgから投与を開始することが望ましい。
両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。
アリスキレンを併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
本剤の投与により、特に次の患者では初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、投与は低用量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
重症の高血圧症患者
血液透析中の患者
利尿降圧剤投与中の患者(特に最近利尿降圧剤投与を開始した患者)
厳重な減塩療法中の患者
降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「2.重要な基本的注意」の(1)項参照]
高カリウム血症の患者[「2.重要な基本的注意」の(2)項参照]
重篤な腎機能障害のある患者[<用法及び用量に関連する使用上の注意>の項参照]
重篤な肝障害のある患者[胆汁排泄能が低下しているため、活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがある。【薬物動態】の項参照]
高齢者[過度の降圧により脳梗塞等が起こるおそれがある。「5.高齢者への投与」の項参照]
過量投与にみられる主な症状は過度の血圧低下である。これに対しては生理食塩液の静脈内投与等適切な処置を行うこと。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行リポソーバーイムソーバTRセルソーバ等 | 血圧低下、潮紅、嘔気、嘔吐、腹痛、しびれ、熱感、呼吸困難、頻脈等の症状があらわれショックを起こすことがある。 | 陰性に荷電したデキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートにより血中キニン系の代謝が亢進し、ブラジキニン産生が増大する。更にACE阻害剤はブラジキニンの代謝を阻害するため、ブラジキニンの蓄積が起こるとの考えが報告されている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析AN69 | アナフィラキシーを発現することがある。 | 多陰イオン体であるAN69により血中キニン系の代謝が亢進し、ブラジキニン産生の増大をもたらし、更にACE阻害剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カリウム保持性利尿剤スピロノラクトントリアムテレン 等カリウム補給剤塩化カリウム | 血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム値に注意すること。 | 本剤のアンジオテンシンII産生抑制によりアルドステロン分泌低下が起こり、血清カリウムの排泄を減少させると考えられている。(特に腎機能障害のある患者) |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 利尿降圧剤トリクロルメチアジドヒドロクロロチアジド 等 | 初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること。 | 利尿降圧剤により血漿レニン活性が上昇した状態となり、本剤併用によりレニン・アンジオテンシン系がブロックされる結果、急激な血圧低下を起こすと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アンジオテンシンII受容体拮抗剤 | 腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。 | 併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アリスキレン | 腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 | 併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リチウム炭酸リチウム | リチウム中毒(振戦、消化器愁訴等)が報告されているので、血中のリチウム濃度に注意すること。 | ACE阻害剤は腎でのナトリウム再吸収を抑制するため、競合的にリチウムの再吸収が促進されて、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 非ステロイド性消炎鎮痛剤インドメタシン 等 | 他のACE阻害剤との併用により、その降圧作用が減弱するとの報告がある。 | 非ステロイド性消炎鎮痛剤はプロスタグランジン産生を抑制するため、ACE阻害剤のプロスタグランジン合成促進作用による血圧低下作用を減弱させると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 非ステロイド性消炎鎮痛剤インドメタシン 等 | 腎機能が悪化している患者では、更に腎機能が悪化するおそれがある。 | 非ステロイド性消炎鎮痛剤はプロスタグランジン産生を抑制するため、腎血流量が低下すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カリジノゲナーゼ製剤 | 本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。 | 本剤のキニン分解抑制作用とカリジノゲナーゼ製剤のキニン産生作用により、血中キニン濃度が増大し血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 降圧作用を有する薬剤降圧剤硝酸剤 等 | 降圧作用が増強することがある。 | 相加的に降圧作用を増強させる。 |
承認時までの調査(510例)及び市販後の使用成績調査(5,855例)の安全性解析対象合計6,365例中709例(11.14%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。その主なものは、咳嗽446件(7.01%)、ALT(GPT)上昇20件(0.31%)、LDH上昇18件(0.28%)、CPK上昇18件(0.28%)、血中尿酸上昇17件(0.27%)であった。(再審査終了時)
血管浮腫(0.1%未満)
呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、アドレナリン注射、気道確保等の適切な処置を行うこと。
他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、腸管の血管浮腫(症状:腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等)があらわれることが報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腎機能障害の増悪(0.1%未満)
腎機能障害の急性増悪があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。特に、腎機能障害のある患者では、定期的に腎機能検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高カリウム血症(0.1%未満)
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(0.1%未満)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
膵炎(頻度不明)
膵炎があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
以下のような副作用が認められた場合には、減量、休薬など適切な処置を行うこと。
| 5%以上又は頻度不明 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
| 血液 | 貧血、白血球減少 | 血小板減少 | |
| 腎臓 | BUN、クレアチニンの上昇 | ||
| 過敏症 注1) | 発疹、そう痒 | 蕁麻疹 | |
| 精神神経系 | 頭痛、めまい | 眠気 | |
| 循環器 | 動悸 | 意識障害 | |
| 消化器 | 腹痛注2) | 嘔気 | 嘔吐、腹部不快感、腹部膨満感、下痢、便秘 |
| 肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH等の上昇 | ||
| 呼吸器 | 乾性の咳嗽 | 咽頭部刺激感等 | 嗄声、息切れ |
| その他 | 低血糖注2) | 血清カリウムの上昇、尿酸の上昇、CK(CPK)の上昇 | ほてり、倦怠感 |
注1)副作用があらわれた場合には投与を中止すること。
注2)頻度不明
プレラン0.5mg錠 33.5円/錠
プレラン1mg錠 60.2円/錠
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