ザバクサ配合点滴静注用

β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 セフトロザン硫酸塩 タゾバクタムナトリウム
製造/販売 MSD
剤形/規格
  • ザバクサ配合点滴静注用

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禁忌

  • 本剤の成分又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 他のβ-ラクタム系抗生物質(ペニシリン系、カルバペネム系等)に対し重篤な過敏症(アナフィラキシー、重度の皮膚反応等)の既往歴のある患者

効能・効果

  • <適応菌種>

    • 本剤に感性のレンサ球菌属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、インフルエンザ菌、緑膿菌

  • <適応症>

    • 敗血症、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍

用法・容量

  • <膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍>

    • 通常、成人には1回1.5g(タゾバクタムとして0.5g/セフトロザンとして1g)を1日3回60分かけて点滴静注する。
      なお、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍に対しては、メトロニダゾール注射液と併用すること。

  • <敗血症、肺炎>

    • 通常、成人には1回3g(タゾバクタムとして1g/セフトロザンとして2g)を1日3回60分かけて点滴静注する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。

    • 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。

    • 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。

    • 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

  • 本剤の投与前及び投与中は、定期的に腎機能検査を実施すること(「用法・用量に関連する使用上の注意」「慎重投与」の項参照)。

慎重投与

  • セフェム系以外のβ-ラクタム系抗生物質(ペニシリン系、カルバペネム系等)に対し過敏症の既往歴のある患者[交差反応性が認められているので、慎重に投与すること。本剤に対しアナフィラキシーがあらわれた場合は、投与を中止し、適切な処置を行うこと。]

  • 腎機能障害のある患者[セフトロザン及びタゾバクタムの血漿中濃度が増加するため、用量調節が必要である(「用法・用量に関連する使用上の注意」「重要な基本的注意」の項参照)。]

過量投与

  • 過量投与時には、本剤の投与を中止し、一般的な対症療法を行うこと。本剤は血液透析により体内から除去される。本剤750mg(タゾバクタム250mg、セフトロザン500mg)を末期腎不全患者に投与した試験では、タゾバクタムの約56%、タゾバクタム代謝物M1の約51%、セフトロザンの約66%が透析により除去された

適用上の注意

  • 調製時

    • 本剤1バイアルにつき10mLの注射用水又は生理食塩液を加え、ゆっくりと振り混ぜて溶解する(最終容量約11.4mL)。この溶解液を直接投与しないこと。

    • 溶解後速やかに、溶解液入りバイアルから全量(用量調節をする場合は必要量)を取り、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液100mLの点滴バッグに注入し、希釈する。

  • 希釈後の保存時

    • 本剤は保存剤を含まない。調製後は25℃以下では24時間以内、2〜8℃では4日以内に使用し、凍結させないこと。

  • 配合変化

    • 他の薬剤との混合は避けること。(配合変化のデータは限られている。)

  • 投与前

    • 本剤の使用前には目視で粒子状物質及び色調の変化がないか確認すること。希釈後の液は無色〜微黄色澄明である。溶液に粒子状物質や変色があった場合は使用しないこと。

相互作用

相互作用序文

  • タゾバクタムは有機アニオントランスポーター(OAT1及びOAT3)の基質である。

薬物代謝酵素用語

有機アニオントランスポーター(OAT1)

薬物代謝酵素用語

有機アニオントランスポーター(OAT3)

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
プロベネシド タゾバクタムの半減期が延長し、タゾバクタムの血漿中濃度を上昇させるおそれがある。 プロベネシドが腎尿細管分泌を阻害することにより、タゾバクタムの排泄速度を低下させると考えられる。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 臨床試験(治験)

    • <複雑性尿路感染症患者及び複雑性腹腔内感染症患者を対象とした第III相試験>

      • 複雑性尿路感染症患者及び複雑性腹腔内感染症患者を対象とした国内第III相試験において、本剤の投与を受けた214例中39例(18.2%)に副作用が認められた。主な副作用はALT増加15例(7.0%)、AST増加15例(7.0%)、下痢9例(4.2%)、悪心3例(1.4%)、γ-GTP増加3例(1.4%)であった。

      • 複雑性尿路感染症患者及び複雑性腹腔内感染症患者を対象とした海外第III相試験において、本剤の投与を受けた1,002例中93例(9.3%)に副作用が認められた。主な副作用は悪心17例(1.7%)、下痢16例(1.6%)、頭痛14例(1.4%)、AST増加10例(1.0%)であった。

    • <人工呼吸器を装着している院内肺炎患者を対象とした国際共同第III相試験>

      • 本剤の投与を受けた361例中38例(10.5%)に副作用が認められた。主な副作用は下痢4例(1.1%)、クロストリジウム・ディフィシレ大腸炎4例(1.1%)、肝酵素上昇4例(1.1%)、肝機能検査異常4例(1.1%)であった。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • ショック、アナフィラキシー(頻度不明注1)

    ショック、アナフィラキシー等の重篤な過敏症反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • クロストリジウム・ディフィシレ大腸炎0.4%)

    クロストリジウム・ディフィシレ大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 急性腎障害0.1%

    急性腎障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと(「重要な基本的注意」の項参照)。

  • 脳出血(頻度不明注1)

    脳出血があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

  • 注1)海外で報告された副作用

その他の副作用

  • 次のような副作用が認められた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。

1%以上 頻度不明
感染症及び寄生虫症 カンジダ症(中咽頭カンジダ症及び外陰部腟カンジダ症を含む)、真菌性尿路感染、クロストリジウム・ディフィシレ感染
血液及びリンパ系障害 貧血、ヘモグロビン減少、鉄欠乏性貧血、血小板増加症
代謝及び栄養障害 低カリウム血症、高血糖、低マグネシウム血症、低リン酸血症
精神障害 不安、不眠症
神経系障害 頭痛 浮動性めまい
心臓障害 心房細動、頻脈、狭心症
血管障害 低血圧
呼吸器、胸郭及び縦隔障害 呼吸困難
胃腸障害 下痢、悪心 腹痛、便秘、嘔吐、胃炎、腹部膨満、消化不良、鼓腸、麻痺性イレウス
皮膚及び皮下組織障害 発疹、全身性皮疹、斑状丘疹状皮疹、そう痒性皮疹、斑状皮疹、エリテマトーデス皮疹、蕁麻疹
一般・全身障害及び投与部位の状態 注入部位紅斑、注入部位浮腫、注入部位硬結、注入部位疼痛、注入部位静脈炎、注入部位そう痒感、注入部位血栓、注入部位感染、注入部位発疹、発熱、体温上昇、高熱
臨床検査 AST増加、ALT増加 血中Al-P増加、γ-GTP増加、肝機能検査異常、トランスアミナーゼ上昇、クロストリジウム検査陽性

薬価

ザバクサ配合点滴静注用 5967円/瓶

評価サマリー

もっとも参考になった評価コメント

使いやすさ

投稿日: 2020/02/20 参考率: 50%(1人/2人)

泌尿器科/30代/処方経験あり

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