本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
一般感染症
<適応菌種>
セフェピムに感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス,大腸菌,シトロバクター属,クレブシエラ属,エンテロバクター属,セラチア属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア属,インフルエンザ菌,シュードモナス属,緑膿菌,バークホルデリア・セパシア,ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア,アシネトバクター属,ペプトストレプトコッカス属,バクテロイデス属,プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
<適応症>
敗血症,深在性皮膚感染症,外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,肛門周囲膿瘍,扁桃炎(扁桃周囲膿瘍を含む),肺炎,肺膿瘍,慢性呼吸器病変の二次感染,複雑性膀胱炎,腎盂腎炎,前立腺炎(急性症,慢性症),腹膜炎,腹腔内膿瘍,胆嚢炎,胆管炎,子宮内感染,子宮旁結合織炎,中耳炎,副鼻腔炎
発熱性好中球減少症
本剤の使用に際しては,投与開始後3日をめやすとしてさらに継続投与が必要か判定し,投与中止又はより適切な他剤に切り替えるべきか検討を行うこと。さらに,本剤の投与期間は,原則として14日以内とすること。
一般感染症
通常成人には,症状により1日1〜2g(力価)を2回に分割し,静脈内注射又は点滴静注する。なお,難治性又は重症感染症には,症状に応じて1日量を4g(力価)まで増量し分割投与する。
発熱性好中球減少症
通常成人には,1日4g(力価)を2回に分割し,静脈内注射又は点滴静注する。
静脈内注射の場合は,日局注射用水,日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し,緩徐に注射する。
また,点滴静注の場合は,糖液,電解質液又はアミノ酸製剤などの補液に加えて30分〜1時間かけて点滴静注する。
本剤による
ショック,アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので,次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお,抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては,必ず
ショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで,患者を安静の状態に保たせ,十分な観察を行うこと。特に,投与開始直後は注意深く観察すること。
本剤投与前に感受性の確認が行えなかった場合,本剤投与開始後3日をめやすとして本剤に対する感受性を確認し,本剤投与が適正であるか判断すること。なお,本剤に感受性が認められない場合,速やかに他の薬剤に変更すること。
患者の状態などから判断して,7日以上にわたって本剤を投与する場合には,その理由を常時明確にし,発疹の出現や肝機能異常等の副作用に留意し,漫然とした継続投与は行わないこと。
発熱性好中球減少症の治療において,本剤は,好中球減少症でありかつ発熱が認められた場合に限定して使用すること(<効能・効果に関連する使用上の注意>の項参照)。
発熱性好中球減少症の治療においては,好中球数,発熱の回復が認められた場合には,本剤の投与中止を考慮すること。
発熱性好中球減少症の患者への使用にあたっては,腫瘍熱・薬剤熱等の非感染性の発熱であることが確認された場合には速やかに投与を中止すること。
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
本人又は両親,兄弟に気管支喘息,発疹,蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
高度の腎障害のある患者[血中濃度が持続するので,投与量を減ずるか,投与間隔をあけて投与すること。]
高度の肝障害のある患者[肝障害を増強させるおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者,全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
過量投与により,意識障害,痙攣等の精神神経症状を起こすことがある。特に腎機能障害患者ではこのような症状があらわれやすい。なお,本剤は血液透析により体内から除去されるが,腹膜透析は有効ではない。
投与経路
本剤は静脈内注射にのみ使用すること。
投与速度
静脈内大量投与により,血管痛,血栓性静脈炎を起こすことがあるので,これを予防するために注射液の調製,注射部位,注射方法等について十分注意し,その注射速度はできるだけ遅くすること。また,点滴静注は30分以上かけて静脈内に注射すること。
調製方法
調製後は速やかに使用すること。
配合変化
メシル酸ガベキサート製剤と配合すると,配合直後に沈殿が起こることがあるので,配合を避けること。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
利尿剤フロセミド等 | 類似化合物(他のセフェム系抗生物質)で腎障害増強作用が報告されているので,併用する場合には腎機能に注意すること。 | 機序は不明であるが,利尿時の脱水による血中濃度の上昇が考えられる。 |
副作用の概要(再審査終了時までの集計)
総症例15,316例(承認時1,641例,使用成績調査12,949例,特別調査513例及び市販後臨床試験213例)における副作用及び臨床検査値異常の発現率は8.82%であり,主なものはALT(GPT)上昇313件(2.04%),AST(GOT)上昇301件(1.97%),肝機能障害170件(1.11%),好酸球増多(症)120件(0.78%),Al-P上昇116件(0.76%),LDH上昇107件(0.70%),γ-GTP上昇99件(0.65%),発疹85件(0.55%),BUN上昇75件(0.49%),貧血69件(0.45%)等であった。
ショック,アナフィラキシー様症状(0.1%未満)
ショック,アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので観察を十分に行い,呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹,血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎(0.1%未満)
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
急性腎不全(0.1%未満)
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
汎血球減少(0.1%未満),無顆粒球症(0.1%未満),血小板減少(0.3%)
汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(0.1%未満),PIE症候群(0.1%未満)
発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線像異常,好酸球増多等を伴う間質性肺炎,PIE症候群等があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(0.1%未満),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)
中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
肝機能障害(1.1%),黄疸(0.1%未満)
AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,LDH,γ-GTP,LAPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
精神神経症状(0.1%未満)
意識障害,昏睡,痙攣,振戦,ミオクローヌス等の精神神経症状があらわれることがある。特に腎機能障害患者で減量を行わなかった場合にあらわれやすい。
溶血性貧血
他のセフェム系抗生物質で溶血性貧血があらわれることが報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
次のような症状又は異常があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
0.1%〜5%未満 | 0.1%未満 | |
過敏症 注1) | 発疹 | 蕁麻疹,紅斑, |
血液 | 貧血,顆粒球減少,好酸球増多,血小板増多 | |
腎臓 | BUN上昇,クレアチニン上昇,蛋白尿 | 血清カリウム上昇 |
肝臓 | AST(GOT)上昇注2),ALT(GPT)上昇注2),Al-P上昇,LDH上昇,γ-GTP上昇,ビリルビン上昇 | LAP上昇 |
消化器 | 下痢,悪心 | 嘔吐,食欲不振,腹痛,便秘 |
精神神経系 | めまい,しびれ | |
菌交代症 | カンジダ症,口内炎 | |
ビタミン欠乏症 | ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症,出血傾向等),ビタミンB群欠乏症状(舌炎,口内炎,食欲不振,神経炎等) | |
その他 | 頭痛,点滴中の気分不良,血圧低下,顔面紅潮,悪寒,味覚異常 |
注1)このような場合には投与を中止すること。
注2)投与期間が長くなるに従い,AST(GOT),ALT(GPT)の上昇等の臨床検査値異常変動の発現率が高くなる傾向が認められているので,やむを得ず10日を越えて連日投与する場合には,定期的に検査を行うなど注意すること。
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使いやすさ
投稿日: 2015/03/16 参考率: 100%(1人/1人)
麻酔科/60代/処方経験あり