被接種者が次のいずれかに該当すると認められた場合には、接種を行ってはならない。
2.1 明らかな発熱を呈している者
2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
2.3 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
2.4 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
急性灰白髄炎の予防
初回免疫
通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも3週間以上の間隔で皮下に注射する。
追加免疫
通常、初回免疫後6か月以上の間隔をおいて、1回0.5mLを皮下に注射する。
8.1 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
8.3 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
8.4 本剤は、シード調製時、セルバンク調製時及び細胞培養工程の培地成分として、米国、カナダ及びオーストラリア産ウシ血液成分を使用している。この成分は健康なウシに由来し、本剤の製造工程で希釈、除去工程(精製及びろ過)を実施している。理論的なリスク評価により、本剤は一定の安全性の基準を満たすことを確認している。海外では本剤の接種により伝達性海綿状脳症(TSE)がヒトに伝播したとの報告はない。以上から、本剤によるTSE伝播のリスクは極めて小さいと考えられるが、そのリスクに関して被接種者又はその保護者へ説明するよう考慮すること。
8.5 細胞培養の培地にポリペプチド系及びアミノグリコシド系の抗生物質を使用している。本剤では検出限界以下であるが、これらの抗生物質に対しアレルギーの既往のある者へは注意して接種すること。[9.1.5参照]
9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
9.1.1 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者[9.2、9.3参照]
9.1.2 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
9.1.3 過去にけいれんの既往のある者
9.1.4 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
9.1.5 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者[8.5参照]
9.2 腎機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.1参照]
9.3 肝機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.1参照]
14.1 薬剤接種時の注意
14.1.1 接種時
(1)本剤は0.5mLの1用量プレフィルドシリンジである。本剤の注射器を再使用したり、他剤の投与に使用しないこと。
(2)本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。[7.2参照]
(3)注射針の先端が血管内に入っていないことを確認すること。
14.1.2 接種部位
接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。なお、同一接種部位に反復して接種することは避けること。
15.1 臨床使用に基づく情報
本剤との因果関係は明確ではないが、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎が国内外で報告されている。
外箱開封後は遮光して保存すること。
本剤は保険給付の対象とはならない(薬価基準未収載)。
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
11.1.2 けいれん(1.4%)
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 10%未満 | 頻度不明 | |
| 過敏症 | 過敏症反応、発疹、蕁麻疹 | ||
| 局所症状(注射部位) | 紅斑(77.0%)、腫脹(54.1%)、疼痛 | 発疹 | 硬結 |
| 精神神経系 | 易刺激性(41.9%)、傾眠(35.1%)、異常号泣 | 頭痛、激越、錯感覚 | |
| 消化器 | 嘔吐、食欲不振 | 下痢 | |
| 血液 | リンパ節症 | ||
| その他 | 発熱(33.8%) | 倦怠感、筋肉痛、関節痛 |
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