2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 肝硬変(Child-Pugh分類A、B又はC)のある患者[8.4、9.3.1参照]
2.3 本剤の投与開始前の血小板数が100,000/μL未満の患者[8.5参照]
B型肝炎ウイルス持続感染における機能的治癒
通常、成人にはベピロビルセンとして1回300mgを投与1週目及び2週目は3〜4日毎に週2回、投与3週目以降は24週目まで週1回、皮下注射する。投与に際しては、必ず核酸アナログと併用すること。
8.1 本剤による治療は、HBV持続感染に対する十分な知識と治療経験を有する医師のもとで行うこと。
8.2 HBs抗原量の経時的変化を踏まえて本剤の治療反応を適切に評価するため、本剤投与中及び本剤投与終了後も定期的にHBs抗原定量検査を行うこと。[7.3、7.4参照]
8.3 本剤の投与によりALT値が上昇することがあるので、生化学的検査(ALT及び総ビリルビン)を本剤の投与開始前に行い、投与開始後12週間までは毎週、投与開始後24週間までは2週間に1回、その後は投与開始後28、36及び48週目に定期的に行うこと。肝機能検査値の異常により本剤の用量を調節した場合、及びALT値が基準値上限の10〜12倍未満かつ総ビリルビン値が基準値上限の1.5倍未満の場合は、ALT値の低下傾向が認められるまで生化学的検査を週2回行うこと。ALT値の上昇はHBs抗原量の低下と関連する可能性があるため、ALT値の上昇の原因を特定する必要がある場合にはHBs抗原定量検査の実施を検討すること。[7.5参照]
8.4 本剤の投与開始前の血小板数が正常下限値未満の場合は、特に注意して肝硬変がないことを確認すること。[2.2参照]
8.5 本剤の投与により血小板減少があらわれることがあるので、血小板数を本剤の投与開始前に測定し、投与開始後24週間までは2週間に1回、その後は投与開始後28週目に定期的に測定し、患者の状態を観察すること。血小板数に基づいて、表1を参考に適切な処置を行うこと。血小板減少症の徴候や症状があらわれた場合は、本剤を休薬し、速やかに血小板数を測定すること。[2.3、7.5、8.6、9.1.2、10.2、11.1.5参照]
| 血小板数 | 処置 |
| 100,000/μL以上かつ連続する測定で30%以上減少した場合 | 次回の投与前に血小板数を測定すること。 |
| 75,000/μL以上140,000/μL未満 | 血小板数を毎週測定すること。 |
| 25,000/μL以上75,000/μL未満 | 3回連続して75,000/μL以上へ回復するまで血小板数を2〜3日に1回測定すること。 50,000/μL未満の場合は、コルチコステロイドを投与するなどの適切な処置を行うこと。 |
| 25,000/μL未満 | 2回連続して25,000/μL以上へ回復するまで血小板数を毎日測定すること。コルチコステロイドを投与するなどの適切な処置を行うこと。 |
8.6 異常な出血の徴候や脳出血が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[8.5、10.2参照]
8.7 海外で他のアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤の投与後に腎毒性が報告されている。本剤の投与によりeGFR値が低下することがあるので、投与開始前に生化学的検査(eGFR及び尿中アルブミン/クレアチニン比)を行うこと。本剤の投与開始後24週間まではeGFR値の測定を2週間に1回、尿検査(尿蛋白)を4週間に1回定期的に行い、その後はeGFR値の測定及び尿検査を投与開始後28及び36週目に行うこと。尿検査で異常が認められた場合は、尿中アルブミン/クレアチニン比を測定すること。糸球体腎炎が疑われる又は確定診断された場合は、免疫抑制療法の早期開始を考慮すること。生化学的検査値の異常により本剤の用量を調節した場合は、eGFR値及び尿中アルブミン/クレアチニン比が安定化するか投与前のレベルに回復するまで生化学的検査を毎週行うこと。[7.5、9.2.1、10.2参照]
8.8 がん原性試験(マウス)において、本剤に関連すると考えられる悪性腫瘍が認められている。悪性腫瘍の発現に注意すること。[15.2参照]
8.9 本剤による治療により他者へのHBV感染が避けられることは証明されていないことから、他者への感染を防ぐために必要な措置を講じるよう患者を指導すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 炎症及び免疫関連反応があらわれやすい以下の患者
・臓器移植を受けた患者
・自己免疫性肝炎患者
・血管炎の既往歴又は血管炎に関連する疾患(全身性エリテマトーデス、クリオグロブリン血症、関節リウマチ等)のある患者
・HBVへの免疫応答に関連する肝外合併症(ネフローゼ症候群、糸球体腎炎等)が疑われる患者又はその既往歴のある患者
投与に際してはリスクとベネフィットを十分考慮すること。本剤の投与により炎症及び免疫関連反応のリスクが高まるおそれがある。[11.1.1参照]
9.1.2 出血のリスクのある以下の患者
・高齢者
・出血傾向又は凝固障害のある患者
・出血性素因による重篤な出血の既往歴のある患者
・抗血小板薬、抗凝固薬又は血小板数を減少させる薬剤を投与中の患者
投与に際してはリスクとベネフィットを十分考慮すること。本剤の投与により出血リスクが高まるおそれがある。[8.5、9.8、10.2参照]
9.1.3 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)/HBV重複感染患者
HIV/HBV重複感染患者を対象とした臨床試験成績は得られておらず、当該患者は免疫が抑制されている可能性があること等から、当該患者への投与に当たってはHIV感染症の担当医と相談し、投与の適否を検討すること。また、HIV/HBV重複感染患者に対して継続している治療の変更等の検討に当たっては、HIV感染症の担当医と相談すること。[7.4参照]
9.1.4 HBV/D型肝炎ウイルス重複感染患者
投与は推奨しない。ALT値が上昇するリスクが増大する可能性がある。臨床試験ではD型肝炎ウイルスに重複感染している患者は除外されていた。
9.1.5 HBV/C型肝炎ウイルス重複感染患者
投与に際してはリスクとベネフィットを十分考慮すること。HBV単独感染患者と比較してALT値が高い可能性がある。臨床試験ではC型肝炎ウイルスに重複感染している患者は除外されていた。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 末期腎不全患者[eGFR 15未満(mL/min/1.73m2)]を含む中等度以上の腎機能障害[eGFR 60未満(mL/min/1.73m2)]のある患者
投与に際してはリスクとベネフィットを十分考慮すること。本剤投与により腎機能が低下するおそれがある。中等度以上の腎機能障害患者は臨床試験から除外されていた。[8.7、10.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝硬変(Child-Pugh分類A、B又はC)のある患者
投与しないこと。本剤投与によりALT値の上昇が認められており、非代償性肝硬変のリスクが増加する可能性がある。[2.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(マウス及びウサギ)において胎盤への移行が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁への移行性に関するデータはないが、動物実験(マウス)で乳汁中への移行が認められている。
9.7 小児等
18歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
[9.1.2参照]
14.1 薬剤投与前の注意
14.1.1 使用するシリンジを投与30分以上前に冷蔵庫から取り出し、暗所で室温に戻してから投与すること。
14.1.2 使用前に不溶性異物や変色がないことを目視により確認すること。濁り、変色又は不溶性異物が認められる場合には使用しないこと。
14.1.3 外箱から取り出したシリンジは、6時間以内に投与すること。6時間以内に投与しなかった場合は廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤は皮下にのみ投与すること。
14.2.2 1回300mgを投与する場合、150mgシリンジ2本を1本ずつ速やかに皮下投与すること。
14.2.3 注射部位は腹部、大腿部又は上腕部とし、本剤2本はそれぞれ別の部位に投与すること。同じ部位に投与する場合は各注射部位を5cm以上離すこと。
14.2.4 注射部位反応があらわれることがあるので、投与毎に注射部位を変えること。また、皮膚が敏感な部位、内出血、発赤又は硬結のある部位には注射しないこと。
14.2.5 他の薬剤と混合しないこと。
14.2.6 本剤は1回で全量を使用する製剤であり、再使用しないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
本剤の国際共同第III相試験(202009試験及び219288試験)において、特定の集団(65歳以上、HBe抗原陽性、HBs抗原量>1000IU/mLかつ≦3000IU/mL、又はHBVジェノタイプCの集団)では、全体集団と比較して全治療中止後24週間にわたる機能的治癒の達成割合が低い傾向が認められた。
15.2 非臨床試験に基づく情報
マウスにベピロビルセン3、10、30mg/kg/回を104週間(1、4、8、11日、その後、15日から週1回)皮下投与したがん原性試験において、3mg/kg/回以上(体表面積換算で臨床用量の0.05倍以上)で血管肉腫/血管腫、10mg/kg/回以上(体表面積換算で臨床用量の0.16倍以上)で肝細胞癌/肝細胞腺腫及び投与部位における線維肉腫の発現頻度の増加が認められている。[8.8参照]
20.1 遮光を保つため外箱に入れた状態で保管すること。凍結を避けて冷蔵庫(2〜8℃)で保管すること。
20.2 本剤を振とうしないこと。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗凝固剤、抗血小板剤及び血小板減少作用のある薬剤アスピリン、クロピドグレル硫酸塩、ワルファリン、アピキサバン、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩、ヘパリン等[8.5、8.6、9.1.2参照] | 出血があらわれるおそれがあるため、併用する際は患者の状態を十分に観察すること。 | 本剤により血小板減少があらわれることがあり、併用により出血のリスクを増加させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 腎機能低下作用のある薬剤アスピリン、非ステロイド性抗炎症薬、利尿剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、バンコマイシン塩酸塩、アミノグリコシド系薬剤、βラクタム系薬剤、フルオロキノロン系薬剤、アシクロビル、ガンシクロビル、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩等[8.7、9.2.1参照] | 腎機能障害を起こすおそれがあるため、腎機能を十分に観察すること。 | 本剤によりeGFR値の低下があらわれることがあり、併用により腎機能障害のリスクを増加させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| インターフェロン[7.6参照] | ALT値の上昇、血小板減少及び免疫関連反応があらわれるおそれがあるため、併用は避けることが望ましい。 | 本剤によりALT値の上昇、血小板減少又は免疫関連反応があらわれることがあり、併用によりこれらのリスクを増加させる可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血管炎(0.2%)、皮膚血管炎(0.2%)
血管炎/皮膚血管炎の徴候又は症状があらわれ、他の要因が特定されない場合は本剤の投与を中止すること。[9.1.1参照]
11.1.2 IgA腎症(0.1%)
血尿、腎機能低下等のIgA腎症が疑われる異常があらわれた場合は、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.3 自己免疫性溶血性貧血(0.1%)
倦怠感、息切れ、動悸、黄疸、褐色尿等の自己免疫性溶血性貧血が疑われる症状があらわれた場合は、血液検査等を実施し、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.4 肝障害
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加(21.6%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加(14.8%)があらわれることがある。本剤の投与開始後24週間までに基準値上限の3倍以上のALT値の上昇が認められており、総ビリルビン値の上昇を伴う例も報告されている。肝機能検査値の著しい悪化が認められた場合には、本剤の休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[7.5参照]
11.1.5 血小板減少症
血小板減少症(7.7%)及び血小板数減少(14.5%)が報告されている。本剤の投与開始後24週目までに血小板数が100,000/μL未満に減少した例が報告されている。血小板数が100,000/μL未満に減少した場合は本剤を休薬する、また、50,000/μL未満に減少した場合は本剤の投与を中止し、コルチコステロイドを投与するなど適切な処置を行うこと。[7.5、8.5参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 1〜10%未満 | 1%未満 | |
| 血液およびリンパ系障害 | 白血球数減少、好中球数減少 | 好中球減少症、白血球減少症 | |
| 免疫系障害 | 過敏症 | ||
| 胃腸障害 | 悪心 | 嘔吐 | |
| 皮膚および皮下組織障害 | そう痒症、発疹 | ||
| 筋骨格系および結合組織障害 | 筋肉痛 | ||
| 腎および尿路障害 | 糸球体濾過率減少 | ||
| 一般・全身障害および投与部位の状態 | 注射部位反応(54.0%)、発熱 | 注射部位変色、疲労、無力症、悪寒、倦怠感 |
ヒブサーゴ皮下注150mgシリンジ
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