本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
重篤な呼吸抑制状態及び呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制が増強されるおそれがある。]
非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患に伴う慢性疼痛における鎮痛
○変形性関節症
○腰痛症
通常、成人に対し、前胸部、上背部、上腕外部又は側胸部に貼付し、7日毎に貼り替えて使用する。
初回貼付用量はブプレノルフィンとして5mgとし、その後の貼付用量は患者の症状に応じて適宜増減するが、20mgを超えないこと。
本剤を変形性関節症及び腰痛症に伴う慢性疼痛以外の管理に使用しないこと。
本剤は、変形性関節症及び腰痛症に伴う慢性疼痛治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ用いること。
本剤の使用開始にあたっては、主な副作用、具体的な使用方法、使用時の注意点、保管方法等を患者等に対して十分に説明し、理解を得た上で使用を開始すること。特に呼吸抑制、意識障害等の症状がみられた場合には速やかに主治医に連絡するよう指導すること。また、本剤使用中に本剤が他者に付着しないよう患者等に指導すること。[14.1.2、14.2.1-14.2.5、14.3.1-14.3.5、14.4.1-14.4.4、14.5参照]
悪心・嘔吐、食欲不振、便秘等の消化器症状が高頻度にあらわれることがあるので、観察を十分に行い、悪心・嘔吐に対する対策として制吐剤、便秘に対する対策として緩下剤の併用を行うなど適切な処置を行うこと。また、鎮痛効果が得られている患者で通常とは異なる強い眠気がある場合には、過量投与の可能性を念頭において本剤の減量を考慮するなど、本剤投与時の副作用に十分注意すること。
体重減少を来たすことがあるので、本剤投与中、特に長期投与時には定期的に体重計測を実施するなど患者の状態を慎重に観察し、徴候が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
本剤を増量する場合には、副作用に十分注意すること。
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。また、乱用や誤用により過量投与や死亡に至るおそれがあるので、これらを防止するため観察を十分行うこと。
連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。
重篤な副作用が発現した患者については、本剤剥離後のブプレノルフィンの血中動態を考慮し、本剤剥離から24時間後まで観察を継続すること。
本剤貼付中に発熱又は激しい運動により体温が上昇した場合、本剤貼付部位の温度が上昇しブプレノルフィン吸収量が増加するため、過量投与になるおそれがあるので、患者の状態に注意すること。また、本剤貼付後、貼付部位が電気パッド、電気毛布、加温ウォーターベッド、赤外線灯、集中的な日光浴、サウナ、湯たんぽ等の熱源に接しないようにすること。本剤を貼付中に入浴する場合は、熱い温度での入浴は避けさせるようにすること。
眠気、めまい、ふらつきが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 呼吸機能の低下している患者
呼吸抑制があらわれるおそれがある。
9.1.2 QT延長を起こしやすい患者(不整脈の既往歴のある患者、先天性QT延長症候群の患者、QT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者等)
QT延長を起こすおそれがある。
9.1.3 薬物・アルコール依存又はその既往歴のある患者
依存性を生じやすい。
9.1.4 脳に器質的な障害のある患者
呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。
9.1.5 ショック状態にある患者
循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
9.1.6 麻薬依存患者
麻薬拮抗作用を有するため禁断症状を誘発するおそれがある。
9.1.7 麻痺性イレウスの患者
消化管運動を抑制する。
9.1.8 胆道疾患のある患者
オッディ括約筋の収縮を起こすおそれがある。
9.1.9 高熱のある患者
本剤からのブプレノルフィンの吸収量が増加し、血中濃度が上昇するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
作用が増強するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
作用が増強するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
他のブプレノルフィン製剤による妊娠中の大量投与により、新生児に禁断症状がみられたとの報告がある。動物実験(ラット皮下投与試験)で、死産児数の増加並びに出生児における体重増加抑制等が報告されている。
9.6 授乳婦
本剤投与中は授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。[16.3.4参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
13.1 徴候・症状
呼吸抑制、鎮静、嗜眠、悪心、嘔吐、心血管虚脱、縮瞳等を起こすことがある。
13.2 処置
直ちに本剤を剥離する。なお、本剤による呼吸抑制には、人工呼吸又は呼吸促進剤(ドキサプラム塩酸塩水和物)が有効であるが、麻薬拮抗剤(ナロキソン塩酸塩、レバロルファン等)の効果は確実ではない。
14.1 薬剤交付時の注意
包装袋を開封せず交付すること。
本剤の使用開始にあたっては、患者等に対して具体的な使用方法、使用時の注意点、保管方法等を患者向けの説明書を用いるなどの方法によって指導すること。[8.3、14.2.1-14.2.5、14.3.1-14.3.5、14.4.1-14.4.4、14.5参照]
14.2 薬剤貼付部位の注意
本剤は前胸部、上背部、上腕外部又は側胸部以外に貼付しないこと。膝や腰部に貼付した場合、十分な血中濃度が得られないおそれがある。[8.3、14.1.2参照]
体毛のない部位に貼付することが望ましいが、体毛のある部位に貼付する場合は、創傷しないようにハサミを用いて除毛すること。本剤の吸収に影響を及ぼすため、カミソリや除毛剤等は使用しないこと。[8.3、14.1.2参照]
貼付部位の皮膚を拭い、清潔にしてから本剤を貼付すること。清潔にする場合には、本剤の吸収に影響を及ぼすため、石鹸、アルコール、ローション等は使用しないこと。また、貼付部位の水分は十分に取り除くこと。[8.3、14.1.2参照]
皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えること。血中濃度が上昇するおそれがあるため、同じ部位に貼付する場合は、3週間以上の間隔をあけること。[8.3、14.1.2参照]
活動性皮膚疾患や創傷面等がみられる部位は避けて貼付すること。[8.3、14.1.2参照]
14.3 薬剤貼付時の注意
本剤を使用するまでは包装袋を開封せず、開封後は速やかに貼付すること。[8.3、14.1.2参照]
包装袋は手で破り開封し、本剤を取り出すこと。[8.3、14.1.2参照]
本剤をハサミ等で切って使用しないこと。また、傷ついた本剤は使用しないこと。[8.3、14.1.2参照]
本剤を使用する際には、ライナーを剥がして使用すること。[8.3、14.1.2参照]
貼付後、約30秒間手のひらでしっかり押え、本剤の縁の部分が皮膚面に完全に接着するようにすること。[8.3、14.1.2参照]
14.4 薬剤貼付期間中の注意
本剤が他者に付着しないよう注意すること。本剤の他者への付着に気付いたときは、直ちに剥離し、付着部位を水で洗い流し、異常が認められた場合には受診すること。海外において、オピオイド貼付剤を使用している患者と他者(特に小児)が同じ寝具で就寝するなど身体が接触した際に、誤って他者に付着し有害事象が発現したとの報告がある。[8.3、14.1.2参照]
本剤が皮膚から一部剥離した場合は、再度手で押しつけるか、又は皮膚用テープ等で剥離部を固定するが、粘着力が弱くなった場合は、直ちに同用量の新たな本剤に貼り替えて7日間貼付すること。またその場合は、現在の貼付部位とは異なる部位に貼付すること。[8.3、14.1.2参照]
使用済み製剤は粘着面を内側にして貼り合わせた後、安全に処分すること。[8.3、14.1.2参照]
MRI(核磁気共鳴画像法)による検査を実施する場合は前もって本剤を除去すること。本剤の貼付部位に火傷を引き起こすおそれがある。[8.3、14.1.2参照]
14.5 薬剤保管方法の注意
本剤を子供の手の届かない、高温にならない所に保管すること。[8.3、14.1.2参照]
本剤は厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付、平成18年厚生労働省告示第107号 一部改正)に基づき、投薬は1回14日分を限度とされています。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
中枢神経抑制剤フェノチアジン系薬剤ベンゾジアゼピン系薬剤バルビツール酸系薬剤 等全身麻酔剤モノアミン酸化酵素阻害剤オピオイド鎮痛剤骨格筋弛緩剤アルコール | 呼吸抑制、低血圧、深い鎮静、又は昏睡が起こることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 | 相加的に中枢神経抑制作用が増強する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A4誘導作用を有する薬剤フェノバルビタールカルバマゼピンフェニトインリファンピシン 等 | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | 本剤の血中濃度を低下させるおそれがある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 呼吸抑制、呼吸困難(頻度不明)
本剤による呼吸抑制には、人工呼吸又は呼吸促進剤(ドキサプラム塩酸塩水和物)が有効であるが、麻薬拮抗薬(ナロキソン塩酸塩、レバロルファン等)の効果は確実ではない。
(頻度不明)
11.1.3 依存性(頻度不明)
長期の使用により薬物依存を生じることがあるので観察を十分に行い、慎重に投与すること。長期使用後、急に投与を中止すると、不安、不眠、興奮、胸内苦悶、嘔気、振戦、発汗等の禁断症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合は徐々に減量することが望ましい。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
10%以上 | 1%以上〜10%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 | 過敏症(口腔咽頭腫脹、舌腫脹等) | |||
血液 | 貧血、リンパ球数減少 | |||
精神神経系 | 浮動性めまい、頭痛、傾眠(30.3%) | 不安、不眠症 | 不快気分、気分動揺、落ち着きのなさ、うつ病、神経過敏、リビドー減退、感覚鈍麻、味覚異常、蟻走感、振戦、片頭痛 | 錯乱状態、感情不安定、激越、離人症、多幸気分、幻覚、悪夢、精神病性障害、離脱症候群、錯感覚、注意力障害、協調運動異常、構語障害、記憶障害、失神、痙攣、攻撃性 |
感覚器 | 回転性めまい | 流涙増加、眼乾燥、頭位性回転性めまい、耳鳴 | 霧視、縮瞳 | |
循環器 | 動悸、ほてり | 頻脈、高血圧、潮紅、徐脈、低血圧 | 狭心症、血管拡張、起立性低血圧 | |
呼吸器 | あくび | 鼻漏、息詰まり、喘息増悪 | 咳嗽、しゃっくり、過換気、低酸素症、鼻炎、喘鳴 | |
消化器 | 便秘(33.7%)、悪心(62.5%)、嘔吐(35.7%) | 下痢、口内乾燥、胃不快感、上腹部痛、胃炎 | 腹痛、消化不良、口内炎、嚥下障害 | 鼓腸、憩室炎、イレウス |
肝臓 | 肝機能異常、γ-GTP増加 | AST増加、ALT増加 | 胆道仙痛 | |
皮膚 | 適用部位紅斑、適用部位そう痒感 | 接触性皮膚炎、適用部位皮膚炎、適用部位湿疹、適用部位変色、適用部位小水疱、多汗症 | そう痒症、発疹、全身性そう痒症、皮膚乾燥、蕁麻疹、適用部位刺激感、適用部位発疹、適用部位びらん | 適用部位浮腫 |
腎臓・泌尿器 | 排尿困難 | 尿閉、血中クレアチニン増加、BUN増加 | 尿失禁、排尿躊躇 | |
臨床検査 | 血中尿酸増加、心電図QT延長、体重減少 | LDH増加、血中トリグリセリド増加、尿沈渣陽性、血中ブドウ糖増加、尿中蛋白陽性 | ||
その他 | 食欲減退 | 脱水、無力症、悪寒、異常感、けん怠感、末梢性浮腫、口渇、胸部不快感 | 転倒、性機能不全、高尿酸血症、背部痛、筋痙縮、筋肉痛、冷感、発熱、疼痛、顔面浮腫 | 筋力低下、胸痛、インフルエンザ様疾患、浮腫 |
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効果の強さ
投稿日: 2015/02/24 参考率: 96%(22人/23人)
整形外科/40代/処方経験あり