被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
明らかな発熱を呈している者
重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
本剤の成分に対して過敏症を呈したことがある者
上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
ヒトパピローマウイルス6、11、16及び18型の感染に起因する以下の疾患の予防
子宮頸癌(扁平上皮細胞癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2及び3並びに上皮内腺癌(AIS))
外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2及び3並びに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2及び3
尖圭コンジローマ
9歳以上の女性に、1回0.5mLを合計3回、筋肉内に注射する。通常、2回目は初回接種の2ヵ月後、3回目は6ヵ月後に同様の用法で接種する。
本剤は「予防接種実施規則」及び「
被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
被接種者又はその保護者に、接種部位を清潔に保つよう指導すること。また、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合は、速やかに医師へ連絡するよう指導すること。
ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後30分程度は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。〔「副反応」の項参照〕
本剤と他のHPVワクチンの互換性に関する安全性、免疫原性、有効性のデータはない。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判定を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応及び有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
血小板減少症や凝固障害を有する者〔本剤接種後に出血があらわれるおそれがある。〕
心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
過去に痙攣の既往のある者
過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者〔免疫抑制療法、遺伝的欠損、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染あるいは他の要因のいずれかによる免疫応答障害を有する被接種者は、能動免疫に対する抗体産生反応が低下することがある(「相互作用」の項参照)。また、HIV感染患者に対する本剤の安全性、免疫原性及び有効性は十分に評価されていない。〕
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授乳婦等への接種」の項参照〕
接種時
注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。本剤は筋肉内へ投与すること。皮下注射又は静脈注射はしないこと。
本剤は供給時の状態で使用し、希釈又は溶解する必要はない。0.5mLを投与すること。
使用前に十分に振り混ぜること。懸濁状態を維持するため、振り混ぜた後、速やかに投与すること。
接種部位
接種部位は、通常、上腕三角筋又は大腿四頭筋とし、アルコールで消毒した後、接種する。
組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
神経走行部位を避けること。
注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流がみられた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
接種前
誤って凍結させたものは品質が変化しているおそれがあるので、使用してはならない。
使用前には必ず、異常な混濁、着色、異物の混入その他の異常がないかを確認すること。本剤は振り混ぜた後、白濁した液剤である。異物や着色が認められた場合には、破棄すること。
冷蔵庫から取り出し室温になってから使用すること。
冷蔵庫から取り出した後は速やかに使用すること。冷蔵庫から取り出し(25度以下)、72時間以上放置してはならない。
接種時
一度針を刺したものは、速やかに使用すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 免疫抑制剤コルチコステロイド代謝拮抗剤アルキル化剤細胞毒性剤 | 抗体産生反応が低下する可能性がある。 | 本剤は、被接種者に抗原を接種し、抗体を産生させることを目的としている。免疫抑制剤等により、免疫機能が低下することから、これらの薬剤との併用では、十分な免疫応答が得られないおそれがある。 |
国内臨床試験
本剤接種後5日間に注射部位にて特定された症状の副反応は、562例中479例(85.2%)に認められ、主なものは疼痛465例(82.7%)、紅斑180例(32.0%)、腫脹159例(28.3%)、そう痒感36例(6.4%)、出血10例(1.8%)、不快感9例(1.6%)であった。また、本剤接種後15日間に、全身性の副反応は562例中75例(13.3%)に認められ、主なものは発熱32例(5.7%)、頭痛21例(3.7%)であった。臨床検査値異常変動は、561例中4例(0.7%)に認められ、白血球数増加560例中2例(0.4%)等であった。
外国臨床試験
外国の6臨床試験(5プラセボ対照)において、被験者は組入れ日及び2ヵ月後、6ヵ月後に本剤又はプラセボを接種された。1試験を除くすべての試験において、各接種後14日間のワクチン日誌の調査を用いて安全性を評価した。ワクチン日誌の調査には、9〜45歳の女性被験者6,995人が参加した。本剤接種後5日間に注射部位にて特定された主な症状の副反応は疼痛(81.5%)、腫脹(23.5%)、紅斑(21.9%)、血腫(2.9%)及びそう痒感(2.7%)であった。また、本剤接種後15日間に認められた主な全身性の副反応は頭痛(20.5%)、発熱(10.1%)、悪心(3.7%)、浮動性めまい(2.9%)及び四肢痛(1.5%)であった。
次のような副反応があらわれることがあるので、接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合は、適切な処置を行うこと。
過敏症反応(アナフィラキシー反応(頻度不明)、アナフィラキシー様反応(頻度不明)、気管支痙攣(頻度不明)、蕁麻疹(頻度不明)等)
ギラン・バレー症候群(頻度不明)
血小板減少性紫斑病(頻度不明)
急性散在性脳脊髄炎(頻度不明)
| 10%以上 | 1〜10%未満 | 1%未満 | 頻度不明† | |
| 全身症状 | 発熱 | 無力症、悪寒、疲労、倦怠感 | ||
| 局所症状(注射部位) | 疼痛、紅斑、腫脹 | そう痒感、出血、不快感 | 硬結 | 血腫 |
| 精神神経系 | 頭痛 | 失神(強直間代運動を伴うことがある)、浮動性めまい | ||
| 筋・骨格系 | 四肢痛、筋骨格硬直 | 関節痛、筋肉痛 | ||
| 消化器 | 下痢、腹痛 | 嘔吐、悪心 | ||
| 血液 | リンパ節症 | |||
| 感染症 | 蜂巣炎 | |||
| 臨床検査 | 白血球数増加 |
†自発報告及び外国臨床試験でのみ認められた副反応
ガーダシル水性懸濁筋注
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