ノルアドレナリン作動性神経機能改善剤
| 一般名 |
ドロキシドパ
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|---|---|
| 製造/販売 | 大日本住友製薬 |
| 剤形/規格 |
|
本剤に対し過敏症の患者
閉塞隅角緑内障の患者〔眼圧を上昇させる。〕
本剤を投与中の患者には、ハロタン等のハロゲン含有吸入麻酔剤を投与しないこと〔「相互作用」の項参照〕
イソプレナリン等のカテコールアミン製剤を投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕
重篤な末梢血管病変(糖尿病性壊疽等)のある血液透析患者〔症状が悪化するおそれがある。〕
パーキンソン病(Yahr重症度ステージIII)におけるすくみ足、たちくらみの改善
通常成人に対し、ドロキシドパとして1日量100mg、1日1回の経口投与より始め、隔日に100mgずつ増量、最適投与量を定め維持量とする(標準維持量は1日600mg、1日3回分割投与)。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日900mgを超えないこととする。
下記疾患における起立性低血圧、失神、たちくらみの改善
シャイドレーガー症候群、家族性アミロイドポリニューロパチー
通常成人に対し、ドロキシドパとして1日量200〜300mgを2〜3回に分けて経口投与より始め、数日から1週間毎に1日量100mgずつ増量、最適投与量を定め維持量とする(標準維持量は1日300〜600mg、1日3回分割投与)。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日900mgを超えないこととする。
起立性低血圧を伴う血液透析患者における下記症状の改善
めまい・ふらつき・たちくらみ、倦怠感、脱力感
通常成人に対し、ドロキシドパとして1回量200〜400mgを透析開始30分から1時間前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。1回量は400mgを超えないこととする。
パーキンソン病(Yahr重症度ステージIII)におけるすくみ足、たちくらみの改善
通常成人に対し、ドロキシドパとして1日量100mg、1日1回の経口投与より始め、隔日に100mgずつ増量、最適投与量を定め維持量とする(標準維持量は1日600mg、1日3回分割投与)。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日900mgを超えないこととする。
下記疾患における起立性低血圧、失神、たちくらみの改善
シャイドレーガー症候群、家族性アミロイドポリニューロパチー
通常成人に対し、ドロキシドパとして1日量200〜300mgを2〜3回に分けて経口投与より始め、数日から1週間毎に1日量100mgずつ増量、最適投与量を定め維持量とする(標準維持量は1日300〜600mg、1日3回分割投与)。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日900mgを超えないこととする。
起立性低血圧を伴う血液透析患者における下記症状の改善
めまい・ふらつき・たちくらみ、倦怠感、脱力感
通常成人に対し、ドロキシドパとして1回量200〜400mgを透析開始30分から1時間前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。1回量は400mgを超えないこととする。
本剤の投与は、少量から開始し観察を十分に行い慎重に維持量まで増量すること。ただし、その他の抗パーキンソン剤、昇圧剤の投与を中止する必要はない。
過度の昇圧反応を起こすことがあるので、過量投与にならないように注意すること。
血液透析患者への適用にあたっては、次の点に十分留意すること。
用法(透析開始30分から1時間前に経口投与)・用量を遵守し、透析後の追加など過剰投与(過度の昇圧反応が見られることがある)にならないように注意すること。
糖尿病を合併した血液透析患者への適用にあたっては、糖尿病の程度(末梢循環、血圧、血糖管理などの状態や、血管合併症の程度など)に十分留意すること。
高血圧の患者〔高血圧を悪化させることがある。〕
動脈硬化症の患者〔過度の昇圧反応が起こるおそれがある。〕
甲状腺機能亢進症の患者〔頻脈等の症状が悪化するおそれがある。〕
重篤な肝又は腎障害のある患者
心疾患のある患者〔症状が悪化するおそれがある。〕
重篤な肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者〔これらの症状が悪化するおそれがある。〕
慢性開放隅角緑内障の患者〔眼圧が上昇するおそれがある。〕
重度の糖尿病を合併した血液透析患者〔末梢循環障害を生じるおそれがある。〕
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
服用時
〔OD錠:口腔内崩壊錠〕
OD錠は舌の上にのせ唾液を湿潤させ、唾液のみで服用可能である。また、水で服用することもできる。
〔OD錠:口腔内崩壊錠〕
自動分包機を使用する場合は欠けることがあるため、カセットのセット位置等に注意すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ハロタン等のハロゲン含有吸入麻酔剤 | 頻脈、心室細動の危険が増大する。 | ハロゲン含有吸入麻酔剤は、心筋のノルアドレナリンに対する感受性を高める。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| イソプレナリン等のカテコールアミン製剤イソメニールプロタノール等 | 不整脈、場合により心停止を起こすおそれがある。 | 相加的に作用(心臓刺激作用)を増加させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| モノアミン酸化酵素阻害剤 | 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 | ノルアドレナリンの代謝が抑制され、ノルアドレナリンの濃度が増加する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 三環系抗うつ剤イミプラミンアミトリプチリン等 | 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 | 神経終末でのノルアドレナリンの再吸収が阻害され、ノルアドレナリンの濃度が増加する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 分娩促進剤オキシトシンエルゴタミン抗ヒスタミン剤クロルフェニラミン等 | 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 | 相加的に作用(末梢血管収縮作用)を増強させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| α1-受容体遮断作用のある薬剤タムスロシンドキサゾシンイフェンプロジル等 | 本剤の作用が減弱される可能性がある。 | これらの薬剤はα1受容体遮断作用を有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アメジニウム | 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 | 神経終末でのノルアドレナリンの再吸収・代謝が阻害され、ノルアドレナリンの濃度が増加する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| レセルピン誘導体レセルピン等 | 本剤の作用が減弱される可能性がある。 | レセルピンは脳内ノルアドレナリン、ドパミンを減少させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| レボドパアマンタジン等 | これらの医薬品の作用を増強することがある。 | 動物実験でレボドパ、アマンタジンの作用を増強することが認められている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤 | 本剤の作用が減弱することがある。 | これらの薬剤は抗ドパミン作用のほかに末梢のα受容体遮断作用を有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 鉄剤 | 本剤の作用が減弱される可能性がある。 | 動物実験でキレートを形成し、本剤の吸収が減少するとの報告がある。 |
パーキンソン病、シャイドレーガー症候群、家族性アミロイドポリニューロパチー
承認までの臨床試験における調査症例621例中135例(21.7%)、承認後の使用成績調査における調査症例1852例中136例(7.3%)にそれぞれ臨床検査値の異常変動を含む副作用が認められた。
調査症例2473例中の主な副作用は、悪心(38件:1.5%)、血圧上昇(31件:1.3%)、頭痛・頭重感(29件:1.2%)、幻覚(27件:1.1%)、食欲不振(21件:0.8%)、めまい(19件:0.8%)、胃痛(胃部不快感等)(15件:0.6%)、動悸(15件:0.6%)等であった。
また、臨床検査値の異常変動としてはALT(GPT)の上昇(14件:0.6%)、AST(GOT)の上昇(11件:0.4%)等であった。(パーキンソン病、シャイドレーガー症候群、家族性アミロイドポリニューロパチーの再審査終了時)
血液透析患者
承認までの臨床試験における調査症例322例中34例(10.6%)に臨床検査値の異常変動を含む副作用が認められた。主な副作用は、頭痛・頭重感(7件:2.2%)、血圧上昇(7件:2.2%)、倦怠感(気分不良含む)(6件:1.9%)、胃部不快感(4件:1.2%)、動悸(3件:0.9%)、嘔気(3件:0.9%)、チアノーゼ(2件:0.6%)等であった。
また、臨床検査値の異常変動としてはAST(GOT)の上昇(4件/317例:1.3%)、ALT(GPT)の上昇(3件/317例:0.9%)等であった。
承認後の使用成績調査における調査症例856例中24例(2.8%)に臨床検査値の異常変動を含む副作用が認められた。主な副作用は頭痛(6件:0.7%)、動悸(4件:0.5%)、悪心(3件:0.4%)及び血圧上昇(3件:0.4%)等であった。(血液透析患者の再審査終了時)
以下の副作用には頻度が算出できない副作用報告等を含む。
悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、血清CK(CPK)の上昇等があらわれることがあるので、このような場合には、投与開始初期の場合は中止し、また、継続投与中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの投与量に戻した後慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。
白血球減少(0.1%未満)、無顆粒球症、好中球減少、血小板減少(頻度不明)
観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
| 1%以上 | 0.1〜1%未満 | 0.1%未満 | |
| 精神神経系 ※1) | 幻覚、妄想、夜間せん妄、神経過敏(いらいら感、焦燥感、興奮等)、不随意運動、不安、パーキンソン症状の増悪、抑うつ、知覚異常 | 精神症状の増悪、悪夢、感情失禁、振戦、固縮、すくみ、言語障害の悪化 | |
| 精神神経系 | 頭痛・頭重感 | めまい、頭がぼーっとする、眠気、不眠 | 健忘 |
| 消化器 | 悪心 | 嘔吐、食欲不振、胃痛(胃部不快感等)、口渇、腹痛、消化不良(胸やけ等)、便秘、下痢、腹部膨満感 | 舌のあれ、流涎 |
| 循環器 ※2) | 血圧上昇 | 動悸、胸痛(胸部不快感、胸部絞扼感等)、不整脈 | 狭心症、四肢冷感、チアノーゼ |
| 肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、LDHの上昇 | ||
| 過敏症 ※3) | 発疹 |
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| 眼 | 羞明 | ||
| 泌尿器 | 頻尿、尿失禁、尿閉 | ||
| その他 | 浮腫、倦怠感、ほてり(顔面潮紅等) | のぼせ、眼瞼浮腫、脱力感、発汗、発熱、CK(CPK)上昇、両手の痛み、肩こり |
発現頻度は承認時までの臨床試験及び市販後の調査の結果に基づく。
※1)このような症状があらわれた場合には、減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
※2)観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
※3)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
ドプスカプセル100mg
ドプスカプセル200mg
ドプス細粒20% 121.9円/g
ドプスOD錠100mg 64.9円/錠
ドプスOD錠200mg 119.8円/錠
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