胆汁排泄型持続性AT1受容体ブロッカー
一般名 |
テルミサルタン
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製造/販売 | 日本ベーリンガーインゲルハイム |
剤形/規格 |
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本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害のある患者[「慎重投与」の項参照]
アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている](「重要な基本的注意」の項参照)
高血圧症
通常、成人にはテルミサルタンとして40mgを1日1回経口投与する。ただし、1日20mgから投与を開始し漸次増量する。
なお、年齢・症状により適宜増減するが、1日最大投与量は80mgまでとする。
両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。
アリスキレンフマル酸塩を併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
本剤の投与によって、急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、特に次の患者に投与する場合は患者の状態を十分に観察すること。また、増量する場合は徐々に行うこと。
血液透析中の患者
利尿降圧剤投与中の患者
厳重な減塩療法中の患者
降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
本剤を含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「重要な基本的注意」の項参照]
高カリウム血症の患者[「重要な基本的注意」の項参照]
肝障害のある患者[本剤は主に胆汁中に排泄されるため、テルミサルタンのクリアランスが低下することがある。また、外国において肝障害患者で本剤の血中濃度が約3〜4.5倍上昇することが報告されている。(「薬物動態」の項参照)]
重篤な腎障害のある患者[腎機能を悪化させるおそれがあるため、血清クレアチニン値3.0mg/dL以上の場合には、慎重に投与すること。]
脳血管障害のある患者[過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
症状
本剤の過量服用(640mg)により、低血圧及び頻脈があらわれたとの報告がある。また、めまいがあらわれるおそれがある。
処置
過量服用の場合は、次のような処置を行うこと。なお、本剤は血液透析によって除去されない。
胃洗浄、及び活性炭投与
生理食塩液等の静脈内投与
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
服用時
本剤を食後に服用している患者には、毎日食後に服用するよう注意を与えること。[本剤の薬物動態は食事の影響を受け、空腹時投与した場合は、食後投与よりも血中濃度が高くなることが報告されており、副作用が発現するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
分包後は吸湿して軟化、黄変することがあるので、高温・多湿を避けて保存すること。
本剤は、主としてUGT酵素(UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ)によるグルクロン酸抱合によって代謝される。また、本剤は薬物代謝酵素P450では代謝されない。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジゴキシン | 併用により血中ジゴキシン濃度が上昇したとの報告があるので、血中ジゴキシン濃度に注意すること。 | 機序不明 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
カリウム保持性利尿剤スピロノラクトントリアムテレン等カリウム補給剤 | 血清カリウム濃度が上昇するおそれがあるので注意すること。 | 併用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがある。危険因子:特に腎機能障害のある患者 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
リチウム製剤炭酸リチウム | アンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること。 | 明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、本剤がナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)COX-2選択的阻害剤 | 糸球体ろ過量がより減少し、腎障害のある患者では急性腎不全を引き起こす可能性がある。 | プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)COX-2選択的阻害剤 | 降圧薬の効果を減弱させることが報告されている。 | 血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成が阻害されるため、降圧薬の血圧低下作用を減弱させると考えられている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アンジオテンシン変換酵素阻害剤 | 急性腎不全を含む腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。 | 併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アリスキレンフマル酸塩 | 腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 | 併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
国内における臨床試験及び市販後の特定使用成績調査(長期使用に関する特別調査及びその他の特定使用成績調査)での調査症例26,969例中、臨床検査値異常を含む1,617例(6.0%)に副作用が認められた。
主な副作用は、低血圧171/26,969例(0.6%)、めまい・ふらつき134/26,969例(0.5%)、発疹60/26,969例(0.2%)、血中尿酸値上昇59/26,969例(0.2%)、頭痛53/26,969例(0.2%)等であった。(再審査終了時)
次のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血管浮腫(0.1%未満)
顔面、口唇、咽頭・喉頭、舌等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれ、喉頭浮腫等により呼吸困難を来した症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高カリウム血症(0.5%未満)
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
腎機能障害(0.5%未満)
急性腎不全を呈した例が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
ショック(頻度不明)、失神、意識消失(0.1%未満)
ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。特に血液透析中、厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では低用量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
肝機能障害、黄疸(0.5%未満)
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDHの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
低血糖(0.1%未満)
低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、血圧低下、喉頭浮腫等が症状としてあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(0.1%未満)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(0.1%未満)
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
0.5〜5%未満 | 0.5%未満 | 頻度不明 | |
過敏症注1) |
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精神神経系 | めまい注2)、不安感、頭痛、眠気、頭のぼんやり感、不眠、抑うつ状態 | ||
血液 | 白血球減少、血小板減少、ヘモグロビン減少、貧血 | 好酸球上昇 | |
循環器 | 低血圧 | ほてり、心悸亢進、ふらつき、上室性期外収縮、心房細動、上室性頻脈、起立性低血圧、徐脈 | |
消化器 | 腹痛、下痢、嘔気、食欲不振、消化不良、胃炎、口渇、口内炎、鼓腸、嘔吐 | ||
肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH上昇等の肝機能異常 | ||
呼吸器 | 咳、喀痰増加、咽頭炎 | ||
腎臓 | 血清クレアチニン上昇、血中尿酸値上昇 | ||
骨格筋 | 関節痛、背部痛 | 下肢痙攣、下肢痛、筋肉痛、腱炎 | |
電解質 | 血清カリウム上昇 | ||
その他 | 耳鳴、倦怠感、CRP陽性、CK(CPK)上昇、浮腫、脱力感、発熱、頻尿、結膜炎、目のチカチカ感、羞明、視覚異常、多汗、胸痛、尿路感染、膀胱炎、敗血症、しびれ、味覚異常 | 上気道感染、インフルエンザ様症状 |
注1)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
注2)このような症状があらわれた場合には、減量、休薬するなど適切な処置を行うこと。
ミカルディス錠20mg 52.4円/錠
ミカルディス錠40mg 99円/錠
ミカルディス錠80mg 148.7円/錠
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使いやすさ
投稿日: 2015/03/20 参考率: 100%(7人/7人)
内科/40代/処方経験あり