本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[「相互作用」の項参照]
うつ病・うつ状態
通常、成人にはミルタザピンとして1日15mgを初期用量とし、15〜30mgを1日1回就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状に応じ1日45mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として15mgずつ行うこと。
うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。
不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。[「その他の注意」の項参照]
投与中止(突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯覚感、頭痛及び悪心等があらわれることが報告されている。投与を中止する場合には、突然の中止を避け、患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。
肝機能障害のある患者[肝機能障害を悪化させるおそれがある。また、本剤のクリアランスが低下する可能性がある。(【薬物動態】の項参照)]
腎機能障害のある患者[本剤のクリアランスが低下する可能性がある。(【薬物動態】の項参照)]
自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。]
躁うつ病患者[躁転、自殺企図があらわれることがある。]
脳の器質的障害又は統合失調症の素因のある患者[精神症状を増悪させることがある。]
衝動性が高い併存障害を有する患者[精神症状を増悪させることがある。]
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣発作を起こすことがある。]
心疾患(心筋梗塞、狭心症、伝導障害等)又は低血圧のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
QT延長又はその既往歴のある患者、QT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者、著明な徐脈や低カリウム血症等がある患者[QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)を起こすおそれがある。]
緑内障又は眼内圧亢進のある患者[本剤はノルアドレナリン放出を促進するため、症状を悪化させるおそれがある。]
排尿困難のある患者[本剤はノルアドレナリン放出を促進するため、症状を悪化させるおそれがある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
小児[「小児等への投与」の項参照]
徴候、症状
主な症状として頻脈、高血圧又は低血圧を伴う見当識障害及び鎮静作用等の中枢神経系の抑制が報告されている。
処置
対症療法を実施し、必要に応じて胃洗浄、活性炭投与等の適切な処置を行うこと。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。
主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。
ラットを用いた睡眠・覚醒行動試験において、深睡眠が増加したとの報告がある。また、健康成人においても、深睡眠が増加し、入眠までの時間が短縮したとの報告がある。
本剤は主として肝代謝酵素CYP1A2、CYP2D6及びCYP3A4により代謝される。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
MAO阻害剤セレギリン塩酸塩(エフピー) | セロトニン症候群があらわれることがある。MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者に投与しないこと。また、本剤投与後MAO阻害剤に切り替える場合は、2週間以上の間隔をあけること。 | 脳内ノルアドレナリン、セロトニンの神経伝達が高まると考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A4阻害剤HIVプロテアーゼ阻害剤アゾール系抗真菌薬(ケトコナゾール等)エリスロマイシン等 | 本剤の作用を増強するおそれがある。また、これらの薬剤の投与中止後、本剤の作用が減弱するおそれがある。 | CYP3A4の阻害作用により、本剤の血漿中濃度が増大する可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A4誘導剤カルバマゼピンフェニトインリファンピシン等 | 本剤の作用が減弱するおそれがある。また、これら薬剤の併用を中止する場合、本剤の作用が増強される可能性がある。 | CYP3A4の誘導作用により、本剤の血漿中濃度が減少する可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
シメチジン | 本剤の作用を増強するおそれがある。 | 複数のCYP分子種(CYP1A2、CYP2D6及びCYP3A4等)の阻害作用により本剤の血漿中濃度が増大する可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
鎮静剤ベンゾジアゼピン系薬剤等 | 鎮静作用が増強されるおそれがある。また、ジアゼパムとの併用により精神運動機能及び学習獲得能力が減退するとの報告がある。 | 相加的な鎮静作用を示すことが考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アルコール(飲酒) | 鎮静作用が増強されるおそれがある。本剤服用中は飲酒を避けさせることが望ましい。 | 相加的・相乗的な鎮静作用を示すことが考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
セロトニン作用薬選択的セロトニン再取り込み阻害剤L-トリプトファン含有製剤トリプタン系薬剤トラマドールリネゾリド メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー) 炭酸リチウム等セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | セロトニン症候群等が生じるおそれがあるので、注意して投与すること。 | セロトニン作用が増強するおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ワルファリン | プロトロンビン時間が増加するおそれがあるので、プロトロンビン時間の国際標準比(INR)をモニターすることが望ましい。 | 機序不明 |
うつ病・うつ状態の患者を対象とした国内臨床試験において、総症例330例中273例(82.7%)、914件に臨床検査値の異常変動を含む副作用が報告された。その主なものは傾眠165例(50.0%)、口渇68例(20.6%)、倦怠感50例(15.2%)、便秘42例(12.7%)、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加41例(12.4%)であった(承認時)。
不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクローヌス、自律神経不安定等のセロトニン症候群(頻度不明)があらわれることがある。セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため、特に注意すること(「相互作用」の項参照)。異常が認められた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、感染症の兆候がみられた場合など、必要に応じて血液検査を行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(頻度不明)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[「慎重投与」の項参照]
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
下記副作用があらわれることがあるので、このような異常が認められた場合には、症状に応じ、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
5%以上 | 1〜5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
全身症状 | 体重増加、倦怠感 | 異常感、末梢性浮腫 | 胸痛、易刺激性、浮腫、末梢冷感、体重減少 | 疲労 |
精神神経系 | 傾眠、浮動性めまい、頭痛 | 体位性めまい、感覚鈍麻、振戦、不眠症、構語障害 | 注意力障害、アカシジア、痙攣、悪夢、鎮静、錯感覚、下肢静止不能症候群、異常な夢、不安、軽躁、躁病 | 激越、錯乱、運動過多、ミオクローヌス、失神、幻覚、精神運動の不穏(運動過剰症)、嗜眠、口の錯感覚、せん妄、攻撃性 |
消化器 | 便秘、口渇 | 上腹部痛、下痢、悪心、胃不快感、嘔吐、腹部膨満 | 腹痛、口内乾燥、おくび、口の感覚鈍麻 | 口腔浮腫、唾液分泌亢進 |
循環器 | − | 動悸、血圧上昇 | 心拍数増加 | 起立性低血圧、低血圧 |
呼吸器 | − | − | しゃっくり | − |
血液 | − | − | ヘモグロビン減少、白血球減少、白血球増多、好酸球増多、好中球増多、リンパ球減少 | 再生不良性貧血、顆粒球減少、血小板減少症 |
皮膚 | − | − | 紅斑、多汗症、 |
水疱 |
感覚器 | − | − | 視調節障害、眼瞼浮腫、視覚障害 | − |
肝臓 | AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇 | Al-P上昇 | LDH上昇、ビリルビン上昇 | − |
泌尿器 | − | 頻尿 | 尿糖陽性、尿蛋白陽性 | 尿閉、排尿困難 |
生殖器 | − | − | 不正子宮出血 | − |
骨格筋・結合組織 | − | 関節痛 | 筋肉痛、筋力低下、背部痛、四肢不快感 | CK(CPK)上昇 |
その他 | − | 過食、食欲亢進、コレステロール上昇 | 食欲不振 | − |
リフレックス錠15mg 171.2円/錠
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投稿日: 2020/07/12 参考率: 93%(28人/30人)
産婦人科/60代/処方経験あり