2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
次の患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)
○透析患者
○慢性肝疾患患者
通常、成人には、ナルフラフィン塩酸塩として1日1回2.5μgを夕食後又は就寝前に経口投与する。なお、症状に応じて増量することができるが、1日1回5μgを限度とする。
8.1 重度(Child-Pugh分類グレードC)の肝障害のある患者に対する本剤の投与にあたっては、リスク・ベネフィットを勘案し、投与中は患者の状態を十分に観察すること。[9.3.1、16.1.1参照]
8.2 眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
8.3 本剤の使用により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
8.4 本剤の投与により、プロラクチン値上昇等の内分泌機能異常があらわれることがあるので、適宜検査を実施することが望ましい。
9.2 腎機能障害患者
<慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合>
血中濃度が上昇するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
<効能共通>
9.3.1 重度(Child-Pugh分類グレードC)の肝障害のある患者
重度(Child-Pugh分類グレードC)の肝障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。[8.1、16.1.1参照]
<透析患者におけるそう痒症の改善の場合>
9.3.2 中等度(Child-Pugh分類グレードB)の肝障害のある患者
血中濃度が上昇するおそれがある。[16.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ラット)において、胎盤通過、生存胎児数の減少、出産率の低下及び出生児体重の減少が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下していることが多い。
13.1 症状
過量投与により、幻覚、不安、重度の眠気、不眠等があらわれるおそれがある。
13.2 処置
投与を中止し、必要に応じ適切な対症療法を行うこと。なお、本剤は血液透析により除去されることが示されている。[16.8.1参照]
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、さらには穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 動物実験(イヌ静脈内投与、0.1μg/kg以上)において全身麻酔下での血圧低下が報告されている。
15.2.2 動物実験(ラット筋肉内投与、40μg/kg/day以上)において受胎率の低下が報告されている。
未使用の場合はアルミピロー包装のまま保存し、開封後は遮光保存すること。また、服用時にPTPシートから取り出すこと。
本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝される。[16.4.1参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A4阻害作用のある薬剤等アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール等)、ミデカマイシン、リトナビル、シクロスポリン、ニフェジピン、シメチジン、グレープフルーツジュース等[16.7.1、16.7.2参照] | 本剤の血漿中濃度が上昇する可能性があるため、併用の開始、用量の変更並びに中止時には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | CYP3A4阻害作用のある薬剤等との併用により本剤の代謝が阻害され、血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬、抗てんかん薬 | 本剤との併用により、不眠、幻覚、眠気、浮動性めまい、振戦、せん妄等が認められる可能性があるので、併用の開始、用量の変更並びに中止時には、副作用の発現に注意すること。 | 本剤による中枢性の副作用が増強される可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| オピオイド系薬剤 | 本剤の作用が増強あるいは減弱されるおそれがある。 | 両剤の薬理学的な相互作用(増強又は拮抗)が考えられる。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、Al-P、γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 1〜5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
| 精神・神経系 | 不眠注1)、注2) | 眠気注1)、注2)、浮動性めまい、頭痛 | いらいら感、幻覚、構語障害、レストレスレッグス症候群、振戦、しびれ | 不穏、せん妄、易怒性 |
| 消化器系 | 便秘注1)、注2) | 口渇、悪心、下痢 | 嘔吐、食欲不振、腹部不快感、胃炎、口内炎 | |
| 皮膚 | そう痒の悪化、湿疹、発疹 | 蕁麻疹、紅斑、丘疹 | 色素沈着 | |
| 肝臓 | 総胆汁酸上昇 | AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇 | LDH上昇 | |
| 腎臓 | 頻尿・夜間頻尿注2)、注3) | 多尿注3) | ||
| 循環器系 | 動悸、ほてり、血圧上昇 | |||
| 内分泌系 | プロラクチン上昇 | テストステロン低下、甲状腺刺激ホルモン低下、甲状腺刺激ホルモン上昇、抗利尿ホルモン上昇 | 女性化乳房 | |
| 血液 | 好酸球増多、貧血 | |||
| 尿 | 尿中血陽性注3)、尿中蛋白陽性注3) | |||
| その他 | 倦怠感 | 胸部不快感、脱力感、回転性めまい、異常感、浮腫、血中リン低下 |
注1)血液透析患者への投与時は投与開始後2週間以内にあらわれることが多い。
注2)慢性肝疾患患者への投与時は投与開始後4週間以内にあらわれることが多い。
注3)慢性肝疾患患者を対象とした国内臨床試験での発現頻度。
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