本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者
熱傷・火傷,輸血,体外循環下開心術などの溶血反応に伴うヘモグロビン血症,ヘモグロビン尿症の治療
通常,成人では1回4,000単位を緩徐に静脈内に点滴注射するか,体外循環時に使用する場合は灌流液中に投与する.
症状により適宜反復投与する.
年齢,体重により適宜増減する.
(参考)
小児に対する投与量は,通常1回2,000単位を目安とすること.
患者への説明
本剤の使用にあたっては,疾病の治療における本剤の必要性とともに,本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが,血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを,患者に対して説明し,理解を得るよう努めること.
本剤の原材料となる献血者の血液については,HBs抗原,抗HCV抗体,抗HIV-1抗体,抗HIV-2抗体,抗HTLV-I抗体陰性で,かつALT(GPT)値でスクリーニングを実施している.更に,プールした試験血漿については,HIV-1,HBV及びHCVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し,適合した血漿を本剤の製造に使用しているが,当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する.本剤は,以上の検査に適合した血漿を原料として,Cohnの低温エタノール分画で得た画分から人ハプトグロビンを濃縮・精製した製剤であり,ウイルス不活化・除去を目的として,製造工程において60℃,10時間の液状加熱処理及びウイルス除去膜によるろ過処理を施しているが,投与に際しては,次の点に十分注意すること.
血漿分画製剤の現在の製造工程では,ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため,本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので,投与後の経過を十分に観察すること.
現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない.しかしながら,製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの,理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので,投与の際には患者への説明を十分行い,治療上の必要性を十分検討の上投与すること.
ハプトグロビン欠損症の患者〔過敏反応を起こすおそれがある.〕
IgA欠損症の患者〔抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある.〕
肝障害のある患者〔ハプトグロビン−ヘモグロビン複合体は肝臓で処理されるため,肝臓に負担がかかるおそれがある.〕
溶血性・失血性貧血の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない.感染した場合には,発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある.〕
免疫不全患者・免疫抑制状態の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない.感染した場合には,持続性の貧血を起こすことがある.〕
輸液と混じて点滴する場合,輸液はpH5.0〜10.5のものを使用すること.
使用後の残液は再使用しないこと.
記録の保存
本剤は特定生物由来製品に該当することから,本剤を投与した場合は,医薬品名(販売名),その製造番号(ロット番号),投与した日,投与を受けた患者の氏名,住所等を記録し,少なくとも20年間保存すること.
総症例数2,483例中3例(0.12%)3件の副作用が報告されている.副作用は,血圧降下2件(0.08%),嘔吐1件(0.04%)であった.(再審査終了時)
ショック(0.1%未満),アナフィラキシー様症状(頻度不明)
ショック,アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,呼吸困難,喘鳴,胸内苦悶,血圧低下,脈拍微弱,チアノーゼ等が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
下記のような症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,発現した場合には,適切な処置を行うこと.
0.1%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 注) | 発疹,蕁麻疹 | |
消化器 | 嘔吐 |
注)このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
ハプトグロビン静注2000単位「ベネシス」 43569円/瓶
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