胆石又はその既往歴のある患者[本剤はコレステロールの胆汁中への排泄を促進するので、胆石形成能が上昇するおそれがある。]
妊婦又は妊娠している可能性のある女性・授乳婦(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
高脂質血症
クロフィブラートとして、通常成人1日750〜1500mgを2〜3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤の適用にあたっては、次の点に十分留意すること。(参考情報については「その他の注意」の項参照)
適用の前に十分な検査を実施し、高脂質血症であることを確認した上で、本剤の適用を考慮すること。なお、Fredrickson分類のいずれに属するかを診断することが望ましい。IIb、III、IV型の場合は本剤に比較的よく反応し、IIa、V型の場合にも反応することがある。
あらかじめ高脂質血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分に検討した上で、食事療法又は他の療法で効果が不十分の場合にのみ適用を考慮すること。
投与中は、血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
腎機能障害を有する患者において急激な腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症(「重大な副作用」の項参照)があらわれることがあるので、投与にあたっては患者の腎機能を検査したうえで投与の可否を決定し、血清クレアチニン値に応じ減量又は投与間隔の延長等を行うこと。
肝・腎障害又はその既往歴のある患者[本剤の代謝、排泄が抑制され、症状の誘発又は悪化をまねくおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
虚血性心疾患の一次予防効果を検討するために、健常男子を対象に二重盲検法にて本剤もしくはプラセボを平均5.3年間投与したところ、投与中止約1年後及び約4.3年後の追跡調査では本剤投与群で総死亡率は有意に高かったが、約7.9年後の最終追跡調査では本剤投与群における総死亡率の増加はプラセボ投与群に比べ有意ではなかったことが報告されている。
ラット及びマウスに長期間臨床用量の10倍量(300mg/kg)を投与したところ、対照群に比較して肝腫瘍の発生が有意に増加したとの報告がある。
安定性試験
最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、3年)の結果、クロフィブラートカプセル250mg「トーワ」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された
腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者では原則として併用しないこととするが、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ慎重に併用すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| HMG-CoA還元酵素阻害薬プラバスタチンナトリウムシンバスタチンフルバスタチンナトリウム等 | 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、本剤を少量から投与開始するとともに定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)の上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。 | 本剤は主として腎臓を経て排泄されるため、腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者では本剤の血中濃度が上昇しやすい。このような患者に本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用すると横紋筋融解症が発現しやすいので原則として併用しないこと。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 経口抗凝血剤ワルファリン等 | 経口抗凝血剤の作用を増強するので、プロトロンビン時間を測定して経口抗凝血剤の量を調節するなど、慎重に投与すること。 | 機序は不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 経口糖尿病用剤トルブタミド等 | 経口糖尿病用剤の作用を増強するので、血糖値を測定し、慎重に投与すること。 | 経口糖尿病用剤と血漿蛋白との結合を本剤が置換することによると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファンピシン | 本剤の血中濃度が低下することがある。 | リファンピシンの肝代謝酵素(P-450)誘導作用により、本剤の肝代謝が促進される。 |
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
(頻度不明)
横紋筋融解症
特に腎機能障害を有する患者において、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急激に腎機能が悪化することがあるので注意すること。
無顆粒球症
無顆粒球症があらわれることがある。
| 頻度不明 | |
| 血液 | 白血球数の変動、好中球減少症 |
| 肝臓 | 肝腫脹、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、黄疸 |
| 胆のう | 胆石 |
| 筋肉 注2) | 筋肉痛、CK(CPK)上昇 |
| 中枢神経系 | 頭痛、めまい、脱力感、眠気等 |
| 過敏症 注3) | 発疹、そう痒感 |
| 消化器 | 悪心、食欲不振、胃部不快感、便秘、下痢、胸やけ等 |
| その他 | 胸部圧迫感、心悸亢進、不整脈、性欲減退、脱毛、インポテンス、体重増加 |
注2)このような場合には減量又は休薬すること。
注3)このような場合には投与を中止すること。
クロフィブラートカプセル250mg「トーワ」 8.5円/カプセル
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