テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤との併用により、重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので、併用を行わないこと(「相互作用」の項参照)。
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中の患者及び投与中止後7日以内の患者(「相互作用」の項参照)
胃癌、結腸・直腸癌、乳癌、子宮頸癌、膀胱癌
通常、1日量としてドキシフルリジン800〜1200mgを3〜4回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、定期的(特に投与初期は頻回)に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
重篤な腸炎等により脱水症状があらわれた場合には、補液等の適切な処置を行うこと。
感染症・出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること。
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中止後、本剤の投与を行う場合は、少なくとも7日以上の間隔をあけること(「相互作用」の項参照)。
小児に投与する場合には副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能抑制が増強するおそれがある。]
肝障害又は腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
感染症を合併している患者[骨髄機能抑制により、感染症が悪化するおそれがある。]
心疾患又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
消化管潰瘍又は出血のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
水痘患者[致命的な全身障害があらわれるおそれがある。]
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
ドキシフルリジンをイヌに経口投与(10mg/kg以上)した場合、脳実質内に多孔性変化、脳・脊髄に小出血巣が認められたとの報告がある。
フルオロウラシル系薬剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。
フルオロウラシルの異化代謝酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)欠損等の患者がごくまれに存在し、このような患者にフルオロウラシル系薬剤を投与した場合、投与初期に重篤な副作用(口内炎、下痢、血液障害、神経障害等)が発現するとの報告がある。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(ティーエスワン) | 早期に重篤な血液障害や下痢、口内炎等の消化管障害等が発現するおそれがあるので、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中及び投与中止後少なくとも7日以内は本剤を投与しないこと。 | ギメラシルがフルオロウラシルの異化代謝を阻害し、血中フルオロウラシル濃度が著しく上昇する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 他の抗悪性腫瘍剤 | 血液障害、消化管障害等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。 | 副作用が相互に増強される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フェニトイン | めまい、眼振、運動失調等のフェニトイン中毒があらわれることがある。 | 機序は不明であるが、フェニトインの血中濃度が上昇する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ワルファリンカリウム | ワルファリンカリウムの作用を増強し出血傾向があらわれることがあるので、凝固能の変動に注意すること。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤 | 副作用が増強するおそれがある。 | フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤の代謝に影響を及ぼす可能性がある。 |
承認時迄の調査及び承認時以降の調査6,232例において、副作用は1,180例(18.9%)に認められた。主な副作用は下痢502件(8.1%)、白血球減少256件(4.1%)、食欲不振216件(3.5%)等であった。(再評価時)
脱水症状(頻度不明)
激しい下痢(初期症状:腹痛、頻回の軟便等)があらわれ、脱水症状まで至ることがあるので観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと。
急性腎不全(頻度不明)
激しい下痢、脱水等が原因の循環不全により、虚血性急性腎不全を起こすことがあるので、激しい下痢、脱水等があらわれた時は投与を中止し、輸液投与等適切な処置をすること。
骨髄機能抑制、溶血性貧血(頻度不明)
汎血球減少、白血球減少、血小板減少、貧血等の骨髄機能抑制、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
重篤な腸炎(頻度不明)
出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等(初期症状:腹痛、頻回の軟便、下痢等)があらわれることがあるので観察を十分に行い、激しい腹痛・下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重篤な精神神経障害(白質脳症等)
健忘、歩行障害、知覚障害、錐体外路症状、口のもつれ、舌のもつれ、意識障害、麻痺、尿失禁(以上頻度不明)が、指南力低下、構音障害(以上0.1%未満)等があらわれることがある。また、上記の症状が白質脳症の初期症状としてあらわれることがあるので観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
間質性肺炎(頻度不明)
間質性肺炎(初期症状:咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱等)があらわれることがあるので、このような症状が発現した場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心不全(頻度不明)
心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝障害、黄疸(頻度不明)
劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
急性膵炎(頻度不明)
急性膵炎があらわれることがあるので観察を十分に行い、血清アミラーゼ上昇、腹痛等の異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
嗅覚脱失(頻度不明)
嗅覚障害があらわれ、嗅覚脱失まで至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(頻度不明)
類似化合物(テガフール、テガフール・ウラシル等)で次のような副作用が報告されているので、異常が認められた場合には、投与中止等の適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、肝硬変(長期投与時)、安静狭心症、心筋梗塞、不整脈(心室性頻拍等を含む)、ネフローゼ症候群
ショック、アナフィラキシー(フルオロウラシルの静脈内投与時)
次のような副作用があらわれた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
(頻度不明は※)
| 5%以上又は頻度不明 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
| 肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、ビリルビンの上昇 | ||
| 腎臓 | BUN上昇 | 血尿、蛋白尿、頻尿 | |
| 消化器 | 下痢、消化管出血※、舌炎※、口角炎※ | 麻痺性イレウス、食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛、口内炎、腹部膨満感、心窩部痛 | 口渇、口唇炎、便秘、胃潰瘍、胸やけ |
| 精神神経系 | 眠気※、頭痛※、味覚異常※ | 倦怠感、ふらつき | 舌しびれ、耳鳴 |
| 皮膚 | 皮膚炎※、光線過敏症※、紅斑※ | 色素沈着、 |
爪異常 |
| 過敏症 注2) | 発疹 | 湿疹、蕁麻疹 | |
| 循環器 | 心悸亢進※、不整脈※、心電図異常(ST上昇、QT延長、T波逆転)※ | 胸部圧迫感 | |
| その他 | 女性化乳房※ | 発熱 | 咽頭異和感、眼精疲労、浮腫 |
注2)投与を中止し、適切な処置を行うこと。
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