本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合、重篤な肝機能障害のある患者[8.3、9.3.1参照]
高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、ホモ接合体性シトステロール血症
通常、成人にはエゼチミブとして1回10mgを1日1回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。
甲状腺機能低下症、閉塞性胆のう胆道疾患、慢性腎不全、膵炎等の疾患の合併、血清脂質に悪影響を与える薬剤の服用等の二次的要因により高脂血症を呈している場合は、原疾患の治療、薬剤の切り替え等を可能な限り実施した上で本剤での治療を考慮すること。
本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合、併用するHMG-CoA還元酵素阻害剤の
を必ず参照し、禁忌、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、重大な副作用等の記載を確認すること。また、肝機能検査を、併用開始時及び併用するHMG-CoA還元酵素阻害剤の
で推奨されている時期に実施すること。[2.2、9.3.1、11.1.2参照]
フィブラート系薬剤との併用に関しては、使用経験が限られている。併用する場合は、胆石症などの副作用の発現に注意すること。フィブラート系薬剤では胆汁へのコレステロール排泄を増加させ、胆石形成がみられることがある。本剤はイヌで胆のう胆汁中のコレステロール濃度の上昇が報告されている。[15.1、15.2参照]
投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 糖尿病患者
空腹時血糖の上昇が報告されている。[17.1.5参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合、重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。[2.2、8.3参照]
9.3.2 中等度又は重度の肝機能障害のある患者
投与しないことが望ましい。本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.2参照]
[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。なお、HMG-CoA還元酵素阻害剤は、妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対して禁忌であるため、本剤との併用投与は行わないこと。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
ヒト母乳中への移行の有無は不明であるが、妊娠後から授乳期まで投与したラットで乳児への移行が認められている。なお、HMG-CoA還元酵素阻害剤は、授乳婦に対して禁忌であるため、本剤との併用投与は行わないこと。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
複合型高脂血症患者を対象にした海外の多施設二重盲検プラセボ対照試験(625例が12週間以内、576例が1年以内の投与)において、血清トランスアミナーゼの上昇(基準値上限の3倍を超える連続した上昇)の発現率(曝露期間で調整)は、フェノフィブラート単独群で4.5%、本剤とフェノフィブラート併用群で2.7%であった。同様に、胆のう摘出術の発現率は、フェノフィブラート単独群で0.6%、本剤とフェノフィブラート併用群で1.7%であった。CK上昇(基準値上限の10倍を超える)については、本試験のいずれの群でも認められなかった。また、本剤とフェノフィブラート併用における一般的な有害事象は腹痛であった。なお、本試験は、頻繁に発現しない有害事象を群間で比較するようにはデザインされていない。[8.4参照]
15.2 非臨床試験に基づく情報
イヌで1ヵ月間投与(0.03mg/kg/日以上)により、胆のう胆汁コレステロール濃度が約2〜3倍増加したとの報告がある。しかし、300mg/kg/日をイヌに12ヵ月間投与しても胆石あるいは肝・胆管系への影響はみられなかった。マウスに2週間投与(5mg/kg/日)しても胆のう胆汁コレステロール濃度への影響はみられなかった。[8.4参照]
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
陰イオン交換樹脂(コレスチミド、コレスチラミン等)[16.7.3参照] | 本剤の血中濃度の低下がみられた。本剤は陰イオン交換樹脂の投与前2時間あるいは投与後4時間以上の間隔をあけて投与すること。 | 本剤が陰イオン交換樹脂と結合し、吸収が遅延あるいは減少する可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
シクロスポリン[16.7.5参照] | 本剤及びシクロスポリンの血中濃度の上昇がみられた。併用する場合は、シクロスポリンの血中濃度のモニターを十分に行うこと。 | 機序不明 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
クマリン系抗凝固剤(ワルファリン等) | プロトロンビン時間国際標準比(INR)の上昇がみられた。併用する場合には適宜INR検査を行うこと。 | 機序不明 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 過敏症(頻度不明)
アナフィラキシー、血管神経性浮腫、発疹を含む過敏症状があらわれたとの報告がある。
11.1.2 横紋筋融解症(頻度不明)
本剤との因果関係は確立していないが、まれに横紋筋融解症、ミオパチーの報告があるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.3参照]
11.1.3 肝機能障害(頻度不明)
AST上昇、ALT上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1%以上 | 1%未満 | 頻度不明 | |
精神神経系 | 頭痛、しびれ、めまい、坐骨神経痛 | 抑うつ、錯感覚 | |
消化器 | 便秘、下痢、腹痛、腹部膨満、悪心・嘔吐 | アミラーゼ上昇、食欲不振、消化不良、逆流性食道炎、鼓腸放屁、口内炎、胃炎 | 膵炎、胆石症、胆のう炎、口内乾燥 |
肝臓 | ALT上昇注1)、γ-GTP上昇 | AST上昇、ビリルビン上昇 | 肝炎 |
腎臓 | 蛋白尿 | BUN上昇 | |
循環器 | 期外収縮、動悸、血圧上昇、胸痛 | ほてり | |
筋肉 | CK上昇注2) | 関節痛、背部痛、四肢痛 | 筋肉痛、筋力低下、筋痙縮 |
血液 | 白血球減少 | 血小板減少 | |
皮膚 | 発疹 | そう痒 | 蕁麻疹、多形紅斑 |
その他 | コルチゾール上昇 | テストステロン低下、TSH上昇、尿酸上昇、リン値上昇、疲労、浮腫(顔面・四肢)、帯状疱疹、単純疱疹、結膜炎、咳嗽 | 無力症、疼痛 |
注1)本剤単独投与時は1.5%、HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用した場合は3.5%
注2)本剤単独投与時は1.7%、HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用した場合は2.7%
ゼチーア錠10mg 64.4円/錠
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効果の強さ
投稿日: 2015/07/19 参考率: 98%(43人/44人)
内科/70代/処方経験あり